第78回 『田園』 前編

テーマ:

インタビューwithキタイ花ん

左:辻 右:おねえちゃん


高田:辻さんはこの前やらせていただいたインタビュー の際に、今にもコンビを組みそうみたいなお話しをされていましたよね?


辻:言ったような気もしますし、言ってないような気もしますねえ。


高田:コンビ結成はいつ頃?


辻:ほんまに前回のインタビュー の直後くらいですよ。


高田:この前のインタビュー でその辺りを赤裸々に語ってくださいましたが。


辻:色々喋らせてもらいましたが、本音を言うとあんまり組みたくなかったんですよ。


おねえちゃん:おい、ちょっと、やめろよ。


辻:彼があんまりにもかわいそうやったんで、組んでやろうかなって感じでした。


おねえちゃん:前にインタビューで語ってたこと と、全然違うやないか。


高田:おねえちゃんさんは初めてですんで、自己紹介をお願い致します。


おねえちゃん:おねえちゃんさんて『さかなクンさん』みたいなんで(笑)、普通におねえちゃんでいいですよ。


高田:ありがとうございます。辻さんとは同期でいらっしゃる?


おねえちゃん:はい。辻君とは同期です。年齢は僕の方が2つ上で、今28歳です。


高田:おねえちゃんという芸名を聞くと、そっち系なのかなと思ってしまうのですが。


おねえちゃん:これは声を大にして言っておきたいのですが、おねえ系ではないんです!


高田:違うんですか?


おねえちゃん:全く違います。ビートたけしさんなんかがよくおっしゃいますけど、若い女性の事を『おねえちゃん』て呼ぶじゃないですか? そのおねえちゃんが、好きすぎて芸名にしてしまったんです。


高田:たけしさんの呼び方がお好きという事ですか?


おねえちゃん:違います。純粋に女性が好きという事です。


高田:ただの女好き?


おねえちゃん:ただの女好きではないんですけど(笑)、おねえちゃんは大好きですね。


高田:うーん。ややこしいですね(笑)。


おねえちゃん:とりあえず覚えて欲しいのは、世間一般で言われるおねえ系の意味合いは一切ないという事です!


辻:さっき聞いたわ。何回言うねん。


高田:おねえちゃんは、コンビを組まれていたんですか?


おねえちゃん:そうですね。3年ほど、コンビで活動していました。


高田:ピンでの活動は?


おねえちゃん:前のコンビが解散してから、4ヶ月ほど、おねえちゃんとしてピンで活動していました。


辻:その時に、よく僕の所へ来てネタの相談をしにきてたんですよ。それで僕が考えたネタが受けた時は、自分の手柄みたいな顔するのが、いらっとしましたね。


おねえちゃん:してない、してない。


高田:おねえちゃんは、女遊びしまくりでしょうか?


おねえちゃん:それが特にそういう事もないんですよ。


辻:女性は好きなんですけど、特にモテるという事はないです。


高田:どちらが女好きですか?


辻:僕もあんまりいけないんでね。どっちも女遊びはそんなにできないタイプです。


高田:コンビ名前の由来を教えて下さい。


辻:これが偶然、二人とも『田園』という曲が好きだったんですよ。


おねえちゃん:玉置浩二さんの『田園』が大好きなんですよ。


辻:僕もね。ベートーベンの『田園』が大好きなんです。やっぱりこういうところで、育ちの差というのが出てしまいますね。


おねえちゃん:なんで見栄はるねん。お前、クラシックなんか聞いた事ないやろ。


高田:田園として、何度舞台に立たれましたか?


辻:4回ほど立ちました。いい時もあれば、悪い時もあるという感じですね。楽しくやれてるんで、そこはいいと思います。ただ最初の舞台で、相方が恐ろしいほど、ネタを飛ばしていました。


高田:そうなんですか?


おねえちゃん:これに関しては言い訳とか一切ないです。ネタ飛びました!


辻:相方が女なんで、そこは大目に見ましたけど。


おねえちゃん:お客さんはどうかわかりませんけど、芸人は絶対に「ネタ、飛ばした」って気づいてたと思います。


辻:あのずっと気になってたんですけど。


高田:はい?


辻:僕、このインタビュー出すぎちゃいますか?


高田:三回目の登場ですね。


辻:いいんですか?


高田:大丈夫ですよ。まあ今回は、相方さん中心でインタビューさせていただこうかなと思っておりますが。


辻:それを聞いてほっとしました。ぜひその方向でお願いします。



高田:おねえちゃんは、お笑いを昔からよくご覧になっていました?


おねえちゃん:僕、おねえちゃんがいまして。


辻:ややこしいねん。


おねえちゃん:このおねえちゃんというのは、実の姉の事です。僕からすると、ひいおねえちゃんですね。


辻:ひいおねえちゃんてなんやねん。


おねえちゃん:この二歳上の姉の影響でお笑いを見るようになりまして、『吉本超合金』とかよく見ていました。


高田:昔から人を笑わせたりするのはお好きでしたか?


おねえちゃん:みんなでワイワイするのは好きでした。中学、高校と男子校やったんですよ。


辻:女子高やないんや?


おねえちゃん:その時はまだおねえちゃんやってへんから。


辻:おねえちゃんやってへんて何?。


おねえちゃん:俺のインタビューやのに、いちいち入ってくんな!


辻:お前のインタビューちゃうわ。『田園』というコンビのインタビューや。そこをはき違えるなよ。


おねえちゃん:僕はどっちかいうとはしゃいでボケる方やったんですよ。大学に行くまでは……。


高田:大学で何かが?


おねえちゃん:大学で気づいてしまったんです。俺ってあんまおもろないって事に。


高田:何かきっかけがあったんですか?


おねえちゃん:僕よりも完全に面白い人がいました。完全に僕より面白かったです。


辻:えらい強調するなあ。


おねえちゃん:自分は面白くないんでボケたりするのはやめようと、自粛の心が芽生えた後、ツッコミやりたいなと思ってNSCに入ったんです。


辻:おかしいやん。その流れ。


おねえちゃん:そう?


辻:自信喪失したのに、なんでそんな過酷な場所へ足を運ぶねん。おもろいやついっぱいおるとこやで。


おねえちゃん:ボケやなくてツッコミやから、何とかなるからなって。


辻:それお前いろいろなめすぎやで。


高田:ツッコミに自信がおありだったのでは?


おねえちゃん:それがそういうわけでもなかったんです。


高田:謎がますます深まりますね(笑)。

後編 へ続きます)

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第78回 『田園』 後編

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インタビューwithキタイ花ん

左:辻 右:おねえちゃん


高田:おねえちゃんが前に組んでいたコンビのネタはご覧になった事は


辻:何回か見た記憶があります。その時、僕はあまり舞台に立たせてもらえなかったんですけど、相方が当時やっていたネタを見て「なんでこんなおもろないのに、出てるんやろ」って密かに思ってました。


おねえちゃん:そんなん思ってたんや。


辻:今初めて言うたけどな(笑)。


高田:在学中から仲良かったんですか?


辻:ちゃんと喋ったのが遅かったんです。NSC卒業してからでしたから。


おねえちゃん:同期でバスケやった時やんな?


辻:そうそう、こいつが場所取りをする係やったんです。今と全然、違うファッションやったんですよ。


おねえちゃん:スケボーをずっとやってたんで、キャップかぶったりしましたね。


辻:バスケ終わってから、みんなでうどん屋に行ってんな?


おねえちゃん:そうそう。


辻:その時、こいつがみんなを仕切ってたんですよ。それでうどん屋に行く前に、こいつには内緒で他のみんなに「今日、おねえちゃんの実家のうどん屋行くらしいで」っていう噂を流してたんです。実際は全然違うかったんですけど。


高田:周りの方の反応は?


辻:みんな信じてましたね。そのままみんなで、うどん屋に入ったら、こいつと同じようなファッションをした人が偶然、うどん食べてたんです。僕がチョけてあの人、相方のお兄ちゃんやねんみたいに言うたら、滅茶苦茶メンチ切られたんですよ(笑)。


おねえちゃん:あれは怖かったな。


辻:ただ初対面から、相方の事は『イジっていい人』って直感で思いましたね。


おねえちゃん:いきなりイジってきたんで、最初びっくりしましたけど。


辻:うどん屋行った後、二人で帰ってたんですけど、そこで「辻って何歳なん?」って年齢の事聞かれたんですよ。その瞬間、僕は思ったんです。こいつ怒っとるなと。


おねえちゃん:全く怒ってなかったって。気になったから、普通に聞いただけやん。


辻:芸人やのに、年下にいじられて怒ってるって思ったんで、そこから僕は距離を置くようになりました。


おねえちゃん:なんでやねん。


辻:まだ年齢とか言う感じなんやなって思って。


おねえちゃん:普通の話をしたかっただけやって。


高田:この辺りでお二人のネタについて、お聞きしたいのですが、『田園』はコント中心で活動されていくんでしょうか?


辻:漫才もコントも両方やっていく感じですね。今日のキタイ花んのネタも漫才ですし。


高田:漫才と聞いて、おねえちゃんは意外じゃなかったですか?


おねえちゃん:そうですね。彼とやるならコントなんやろなって、思ってましたから。


高田:前回のインタビューで辻さんがR-1グランプリの予選を受けるという話をされていましたけど、おねえちゃんは出場されないんですか?


おねえちゃん:僕もエントリーしました。去年も『チキンカツ木村』という名前で出たんですけど、ダメでした。


辻:その時、僕も一緒に彼のネタを考えたんですよ。徹夜で考えて結構いいネタができたんです。そのネタっていうのが、おねえちゃんは声がデカいので、それを生かしたネタだったんですけど、本番になったら緊張しすぎて、ボソボソ喋ってました(笑)。


おねえちゃん:しかもお金なさすぎて、エントリー料金の二千円を彼に借りてましたし。


辻:おねえちゃんは基本的にお金がないんですよ。


おねえちゃん:そうなんですよ。ほんまにいっつもお金ないんですよ。


辻:バイトしてへんのかなと思ったら、結構な頻度でバイト入ってるんですよ。でもそのくせお金ないんですよ。


おねえちゃん:自分でもなんでないのか、わからないんですけど。


辻:やっぱりおねえちゃんなんで、コンビニで甘い物買ったりとか、ちょこちょこしてしまうんでしょうね。


おねえちゃん:平たく言えば僕ってOLみたいなもんなんで、そういう雑費が色々掛かっているのかもしれません。


高田:ご家族には自分がおねえちゃんである事を、カミングアウトされてますか?


おねえちゃん:ニューハーフみたいな言い方せんといてください(笑)。家族には言ってないですね。


高田:それはなぜ?


おねえちゃん:説明が長くなるんで、伝えても理解してもらえるのかなっていうのがあります。


高田:おねえちゃんになってみて、周囲の賛否はどうでしたか?


おねえちゃん:好意的に受け止めてくれる人の方が多かったですよ。


辻:おねえちゃんで活動するって決まった時に、「5up関連の自動の告知装置がある」って騙して、ツイッターのパスワードを聞き出したんです。


高田:その後、一体何を?


辻:こいつになりすまして、先輩の方たちに冒頭で言った、おねえちゃんになった理由を文章化して、送りまくったんです。


おねえちゃん:ひどい話ですよ。


辻:広まったからええやないか。


おねえちゃん:三浦マイルドさんに、自己紹介させていただいた時も「おねえちゃんて聞いた事あるなあ」って言うてはりました。


辻:大分、広まったみたいですね。


おねえちゃん:まあ、芸名をおねえちゃんにしてからは運気が上がった感じがします。僕がおねえちゃんやからこそ、先輩方に名前を覚えていただいたりもしましたし。


辻:こいつ、おねえちゃんて芸名だけでちょっとだけ『せやねん』に出たんですよ。たむけんさんに連れて行かれて。


高田:最後に今後の目標をお願いします。


辻:自分らが面白いと思った事を続けてたら、結果もよくなると思うんで、まずはそこかなと思います。


おねえちゃん:売れたらグラビアアイドルの人たちとも、仲良くしてもらえると思うんで、それを目標に頑張りたいですね。


辻:最後の最後に何の話をしとんねん。

                       インタビュー・文 高田豪


※第78回を持ちまして、高田豪によるインタビューは最後となりました。お読みいただき、ありがとうございました。今後の予定は未定でございます。





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インタビューwithキタイ花ん
辻クラシック


高田:今年の夏にやらせていただいたインタビューでは、コンビでのご出演でしたよね?


辻:『ソファー』 として、インタビューしていただきました。


高田:率直に、なぜ解散されたんでしょう?


辻:キングオブコントで準決勝までいけなかったら、解散しようというのは二人で決めていた事なんです。なので結果が出なかったというのが一番の要因ですね。二人とも納得してコンビを解消した形です。


高田:現在、ピンとしてキタイ花んの舞台に上がられてますけど、しばらくはピンで?


辻:いえ、すぐにでもコンビを組みたいです。


高田:相方候補の方というのは?


辻:いる事はいてます。


高田:じゃあ近々、コンビ結成は間近?


辻:僕もその相方候補も、「こいつとコンビ組むんやろな」ていうのは、お互いに思ってる感じですね。


高田:じゃあ、あとは一歩踏み出す勇気だけ?


辻::恋愛みたいな言い回しですね(笑)。


高田:お互い思ってるけど、お互い声を掛けれないという状況なんですか?


辻:多分、どっちも「お前から言うてこいや!」って思ってると思います。


高田:その辺りの駆け引きがあるという事ですね。


辻:“恋のかけひき”みたいに言わんといて下さい(笑)。ただ先に声を掛けた場合、後で支障があるんですよ。


高田:どういった事で?


辻:『ソファー』 の時もそうだったんですけど、ネタを作っている時に、こっちが言いたい事というか、譲れへん部分ってやっぱり出てくるわけですよ。でも自分から声を掛けると、その時に躊躇してしまうというか……。


高田:どのような躊躇が?


辻:「俺から声掛けてるのに、こんな事言うていいんかな」みたいな事を、ちょっと考えてしまうんです。


高田:お優しいんですね。


辻:そんな事ないです。多分、僕と仲良くなってきたら「う~わ、こいつ、めっちゃ性格悪いやん」て思うはずです(笑)。


高田:それなら深入りしないようにします(笑)。


辻:結構ひどいっすね。


高田:辻さんは神経質なんですか?


辻:ネタ作りの時とかも、こっちの要求が伝わってなかったりしたら、相方に感情をぶつけてしまう事もありますね。後で反省はするんですけど。


高田:でしたら次の相方さんは、おおらかな方がいいですね?


辻:おおらかというか、アホがいいです。


高田:あまり物事を深く考えないような?


辻:そうです。こっちが怒っても翌日はそれを忘れてるくらいの人間がいいですね。


高田:神経質同士だと相性が良くないんでしょうか?


辻:キタイ花んにも出ている『ボスザル』の平川と、昔、コンビを組んでた時もあったんですが、神経質同士だったんで、あまり上手くいかなかったですね。コンビ解散後は、普通に仲良くできてますけど。


高田:コンビからピンになられてどうですか?


辻:やっぱりさぼってしまうな、というのがあります。


高田:ネタ作りをさぼっても怒る人はいないですもんね?


辻:そうなんですよ。なので今は芸人を続けるために、無理やりピンで出続けてる感じがします。


高田:無理やりというのは?


辻:一回、舞台から離れてしまったら、もう戻れへんのちゃうかなっていう恐怖があるんです。なんか、僕、真面目に語りすぎですね(笑)。


高田:以前にもピンでの活動を?


辻:やっていましたね。コンビ志望なんですけど、トータルで言うとピンでの活動期間の方が長いはずです。ピンで活動していながら、こういうのも変ですけど、僕はあんまりピン芸人に向いていないと思うんです。


高田:どういったところがでしょう?


辻:マザー周さんとか拝見してると、凄い器用なんですね。漫談もお上手ですし、演技力もあるし、なんやったら女役もやらはります。そういう風にトータルで考えた時に、僕はあまり向いていないかなと思います。


高田:ネタの考え方でも全然違いますか?


辻:ピンネタ思いついた時は、これコンビネタとしてもいけるやんていうのが多いんです。でもコンビネタ思いついた時は、逆にピンネタにはしづらいんですね。


高田:先ほど言われたコンビ候補の方は大阪NSC32期の方ですか?


辻:はい。同期です。『ソファー』 としてインタビューしてもらった時にも、名前が出てたと思うんですけど『おねえちゃん』というピン芸人なんです。実は一緒に住んでるんですけどね。


高田:それだったら、いつでも「コンビ組もう」って言えそうですけど。


辻:二人で住んでるんじゃなくて、六人暮らしなんです。だから家の中とかでは、言いづらいですね。


高田:以前のインタビューで、辻さんはガゼル西口さん率いる『ガゼル軍団』の幹部であるとおっしゃっていましたね。


辻:それが今は幹部じゃなくなったんですよ……。


高田:そうなんですか?


辻:コンビを組むかもしれない、『おねえちゃん』が今、幹部を務めています。


高田:では辻さんは?


辻:最高幹部です。なんか思わせぶりな言い方で、すみません(笑)。


高田:いえいえ。今一度、そのガゼル軍団について語っていただきたいのですが。


辻:まず幹部の活動からいいですか?


高田:お願いします。


辻:ガゼル軍団の軍団員は、「日々、己がガゼル軍団である事を意識して過ごす」という使命が課せられているんですけど、幹部は違うんです。厳しい任務があるんです。


高田:お聞かせいただいてよろしいでしょうか?


辻:「睡眠中も、ガゼル軍団である事を意識する」、これ中々ハードでしょ?


高田:24時間ガゼル軍団であれと?


辻:そういう事になりますね。

後編 へ続きます)

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