【西遊記之大聖帰来】の感想。中国アニメ映画界の記録を塗り替えた大傑作! | アニメ映画情報ブログ【 ねじまき恋文のヤブレター 】

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中国在住のアニメ映画ファンとしてスルーするわけにはいかない一作。

西遊記之大聖帰来のポスター


西遊記之大聖帰来
(西游记之大圣归来)


を見てきました。








伴我同行ドラえもん


本作、「カンフーパンダ2」や先日その記録を塗り替えたばかりの
「STANDBYMEドラえもん」を越えて6億以上の興行収入をたたき出し
中国のアニメ映画として歴代一位の興行作品となった作品。
中国での人気も熱く、私が仕事で関わってる会社でも
ホワイトボードにでっかくこの作品の孫悟空が落書きされてましたよ。
(どうでもいい報告)






公開から3週間近くにもなっていながら、
映画館到着一時間前の時点で、ほぼ満席。
端っこの席で鑑賞させていただきました。







感想をざっくり言わせてもらえば・・・





これだけの大ヒットも納得の



大傑作!!







という感じでございました。
以下、もうちょっと詳しい感想を書いていきますね。










●大迫力!これぞ映画館で見たい映画!

映画が始まっていきなり孫悟空の戦いが始まるんですが、
その見せ方のダイナミックさや演出が今まで見てきた中国映画と段違い。
大迫力とはこういうことだ!と言わんばかりの
無骨ながらも非常に気持ち良い戦闘を味あわせてくれます!
これはすごい。

西遊記之大聖帰来の冒頭


加えて、今までの中国の3DCGアニメのような
とりあえずやってみましたって感じの3Dではなく
しっかり効果的な演出として3Dを扱っています。
悟空の首元のめっちゃ長い布とか、すっごく飛び出してましたわ!
こういうところにも興奮です!!

西遊記之大聖帰来の立体


この感動が冒頭の数分で繰り広げられ
あっという間に映画に引き込んでくれました。
ここで早々に思い知らされました。
「この映画、映画館で見ないともったいないやつだ」と。









●動く動く華麗なアクションシーン

本作の魅力をもうちょっと具体的に言わせてもらえば
やはりアクションシーンに尽きると思います。



江流児


序盤で勢いを全部使い果たすかな~という心配をよそに
時間軸がうつり、本作のもうひとりの主人公であり、
三蔵法師の前進という役柄の江流児くんの物語が始まります。
始まって間もなく、すぐに妖怪たちとの追いかけっこシーンが
はじまるのですが、この時点では孫悟空が不在ながらも
いろんなアイディアとカメラワークが合わさって
見事な迫力、軽快さ、ユーモアに富んだ
アクションシーンを実現しております。

タンタンの冒険

あのおティンティンの名作追いかけっこにも迫る名場面でした。

スピード感といい、見せ方といい、非常に気持ちよく動くので、
チョー気持ちいいの!
長回し大好物の私も大満足でした。





それ以降の孫悟空再登場以降のアクションについても
「マトリックス」「カンフーパンダ」を思わせる
上質なアクションシーンが盛り沢山でして
スローモーション演出などと掛けあわせて
非常に見応えのあるアクション映画となっておりました。

マトリックスカンフーパンダ2


厳しいことを言えば、カット割りが不十分で
何が起こってるのかよくわからなかったり違和感のあるシーンも
ボチボチあった
のですが、そういうとこも差し引きたくなる
見事な映画だったと思います。









●背景綺麗!
 ・・・なのになんで中国って悪趣味描写あるんだろうね。


そしてもう一点、忘れずに評価しておきたいのはCGの質
どうしても中国の3DCGアニメって低品質な印象が強いのですが
(アメリカが高品質すぎるってのもあるけど)
本作の3DCGは本当によくできている。
特に背景美術!

西遊記之大聖帰来の美術


大自然や町の細かいところに至るまで
非常に綺麗に出来ていて、大きなスクリーンで見ると臨場感がハンパないです。
この高品質の背景美術が
映画の迫力に一役買っているのは間違いないでしょう。

たびたび
「すげー綺麗!」「すげーリアル」と叫びたくなる3DCGでした。





ただそんだけ綺麗なだけに、
度々登場する悪趣味な描写が気になります。
ウンチやおしっこ描写猪八戒の鼻の中からの視点
孫悟空が吐き出した桃の種のドアップなど
この演出、どうにかできないのかよ・・・ってものが多数。

我是狼
これは傑作「我是狼」の冒頭のシーン。掴みが下ネタ。


「喜羊羊」「我是狼」でも感じた問題なんだけど
ただ単に笑いのツボの風土的なものがあって
私がそれに合わないだけかもしれない。
ただ、中国人でも私のこの「もうちょっと抑えて欲しい」って
気持ちに共感してくれる人が結構居たりしないのかな。












脚本については短縮版だからなんて話も聞いていますし
正直名作とまでは言えない内容と思いました。
ただ映画の締め方は非常に“私好み”のクールな終わり方でした。
この映画、大迫力で結構馬鹿っぽい作りに見えがちだけど
細かいとこの演出による気遣いがよく出来ているのも魅力でした。

だからこそエンドロールについて一言言いたいんだけど
それについてはまた改めて記事でも書こうかな・・・と思っています。




すでに続編の台本制作も始まっているようですし、
今後の中国アニメ映画界を代表するブランドになっていくことと思います。






これだけ十分な高品質作品なので、
きっと何らかの機会に日本でも公開されるんじゃないかと思います。
(全国上映みたいなのはさすがにわからないけど)
いつになるかは分かりませんが
日本の皆様にもその時をご期待いただきたいです。

本作、非常にオススメです!


  
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