誰か1人 | 兼重日奈子の「幸せな売場のつくり方」

兼重日奈子の「幸せな売場のつくり方」

ねぎらいカンパニー代表 ねぎらい学アカデミー主宰 兼重日奈子が、これまでの「ねぎらい伝導活動」を通じて得た気付きを、皆さんにお伝えしていきます。

この世にたった1人でいい、


本当に自分のことをわかってくれる人がいたら、


大抵のことは乗り越えていける、


と思う。



最初にそう感じたのは、20代の頃だったでしょうか。


仕事で壁にぶつかった時、


職場に行くのが苦痛で苦痛で


胃に穴があきそうになった頃、


当時付き合っていた彼=今の旦那が、


ひたすら話を聴いてくれ、


「あんたは、よく頑張ってるよ」


と言ってくれたことで、


全て救われた気がした。



30代、組織のリーダーになったとき、


本音で話せる数少ない仲間がいた。


「この子達のために頑張ろう」


そう思えた時、何でもできそうな気がした。



歳をとるにつれ、


本音でぶつかえる相手や、


自分のことを本当に理解してくれる相手とは、


なかなか出会うのが難しいように思う。


自分の感情や意志とは裏腹に、


笑顔で目の前のことをこなしていくことは、


40代には容易いことだから。



それでも、


「本当の自分をわかってほしい」という願いは、


たぶん誰もが持つ、自然に沸き起こる感情だと思う。


世界中の人に理解してもらおうだなんて、


ハナから思っていないけれども、


でも、


たった1人でもわかってくれる相手がいれば、


たぶん、40代も、この先も


大抵のことは乗り越えていけるような気がする。



たった1人


「よく、頑張ったじゃん」


そう言ってくれれば、


それでいい。


それくらい、


たった一言の「ねぎらい」の言葉は、


大きな力を持つ。



よく、チームづくりについて話をする時、


「最初の1人を決めて下さい」


と言うようにしている。


「最初から全員に理解してもらうのは難しいかもしれない。


でもまずは1人、


自分のことを本当に理解して、


なにがあっても味方でいてくれる人、


その最初の1人を、まず決めてください」


そうして、とことん話す。


自分がどうしたいのか、


なにがやりたいのか、


今どういうことで悩んでいて、


なにを不安に感じているのか。




たった1人の理解も得られないのに、


全てをまとめるのは、そりゃ無理な相談だ。



「店長とサブが上手くいっているお店は、


店も上手くいく」のは、


そういう理由から。



店長が、自信を持って前に進めるから。


「この子だけはわかってくれる!」


そのことが、自分の背中を押してくれるから。



もし、今、チームがうまくいっていないのなら、


「最初の1人」を見つけることから


始めてみるのがいいかもしれない。



あなたにとって、


「最初の1人」は誰ですか?