オトナの為の、幻想物語。
あみぐるみのNe-gi タカハシユキコです(*^_^*)
昨日の個展初日、
ギャラリーに足を運んで下さった
皆様、誠にありがとうございました✨
本日は12時から2時までの
短い間ですが、
私も在廊しますので
個展２日目も
どうぞよろしくお願い致します。
それでは、
今日で最後なります、
大きいサイズのあみぐるみと
「星降る森の物語」の
ご紹介です。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
行列は音もなく泉の上を歩いて行き
花婿の前に到着すると
彼は花嫁の手を取り、
静かに泉の中に入って行った。
行列もそれに続き、
どんどん泉の中に入って行く。
「お客人、このめでたき夜に
よく外の世界より参られた。」
「さあ、貴方も行列に続きなさい。」
「水底で、永遠にお二人にお仕え
しましょう。」
3人の少女がそう言うと、
私の足は、自分の意思とは関係なく
泉に向かい歩きだした。
「もう二度と戻れないというのは、
こういう事だったのか…。」
私は、森の主の花嫁行列に巻き込まれたのだ。
私の片足を泉に踏み入れ、
抗えない力に諦めかけたとき、
誰かが私の腕を掴み
力強く泉から引き上げた。
驚いて自分の右腕を見ると、
鋭く長い爪の、毛むくじゃらの手が
見えた。
ーそして、そこで私の意識は途切れた。
次に目を覚ました時、
目に映った景色は
花畑の中の
青白く光る泉ではなく、
そこにいたのは
空中庭園管理人のミス リリィだった。
見覚えのあるこの景色は
ソラノスキマの浮き島、
空中庭園だ。
「大丈夫？あなたここで倒れていたのよ。
この薬瓶を持って…。中に鉱石が入っている
ようだけど…。」
起き上がって自分の手を見ると、
鉱石ではなく…星の欠片が入った
「星屑診療所」の空の薬瓶を
握りしめていた。
「ひょっとして、彼が助けてくれたのか？」
星降る森で出会った、
瞳に北の七つ星が輝く、
毛むくじゃらで鋭い爪の、
物言わぬ彼。
森の出口へ向かった私を引き止めたのも、
異界へ迷い込みそうな私を
助けようとしてくれたのだ。
北の七つ星は
旅人の道しるべの星。
道に迷わぬよう、北の夜空で
輝き続ける。
「あの時の恩返しに
道に迷った私を導いてくれたのか。」
…この星の欠片は、換金せずに
旅のお守りしよう。
何より、旅人の護りの星が
与えてくれたのだから。
ミスリリィの用意してくれた
暖かいハーブティーを頂きながら
瓶の中で輝く、赤い星の欠片を眺め、
ぼんやりとそう思った。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「ミス リリィ」のあみぐるみです。
彼女はソラノスキマの
空中庭園の管理人で
植物の知識豊かな
心優しい女性です。
また、ハーブを使った
料理も得意としています。
星の欠片入りの薬瓶と
カゴも付属しています。
今回ご紹介してきた
「星降る森の物語」ですが
もっと短くあっさりした
物になる予定でしたが
想像以上に長いお話に
なりました。
元々、あみぐるみのオマケとして
始めたミニストーリーでしたが、
私が思っていた以上に
このストーリーを楽しみに
して下さるお客様が多くいらっしゃり、
それならばと
今回の個展は
一つの物語を軸とした
あみぐるみを製作するという
スタンスで準備を進めてきました。
あまり文章が得意とは
言えない私の代わりに
カノープス氏が語り部と
なった事で
想像以上に長いお話と
なりました。
拙い文章ではありますが
ソラノスキマの世界観を
身近に感じて頂く
きっかけの一つになれば幸いです。
取り敢えず、彼のおかげで
ストーリーを完成させる事が
出来た事に感謝✨
「星降る森の物語」
こちらにまとめてあります。
「星降る森の物語」の登場人物、
９体のあみぐるみは、
期間中展示させて頂いています。
（お買い上げ頂いた方は
ご予約の形で、個展終了後に
郵送させて頂きます。）
カノープス氏はじめ、
物語の登場人物たちに
どうぞ会いにきて下さいね(*^_^*)
・
★髙橋之子あみぐるみ展★
「星降る森の物語」
５月１９日（木）～22日（日）、
5月２６（木）～29日（日）12時～18時
名古屋市千種区今池南3-9-102
ギャラリ想にて。
在廊予定日
20日金曜日、26日木曜日 12:00-14:00まで
22日 日曜日、29日 日曜日 終日在廊予定。
どうぞよろしくお願い致します。