第1回のNコン、昭和7年「第1回児童唱歌コンクール」をプレイバック
第1回のNコンの詳細が過去の新聞から見えたので、
せっかくなので紹介してみます。
※「第1回児童唱歌コンクール」ですが、
便宜上「第1回Nコン」と表記します。
まず、コンクール当日の新聞でどう紹介されているか、
当時の新聞から引用して紹介します。
四国は、広島で予選がなされたのでしょうか?
九州が熊本での予選開催となっていますが、
熊本放送局が大きかったからなのか?
移動が厳しい時代なので九州の中央で開催したのか?
そのへんがわかりませんね。
7つの地方から14の代表が選ばれているのは、
男女別で代表を決定していたからです。
また、参加は尋常小学校5年生に限定されていました。
あと、意外だったのが課題曲。
課題曲はてっきり選択制なのかと思いきや、
2曲とも歌っていたということ。
これはアーカイブページではわからないことです。
それでは第1回Nコンを見てみます。
放送・審査は午後7時半から1時間半でした。
審査後に得点表を金庫に保管し、
その4日後に集計発表だったようです。
放送コンディションは残念だったようですね。
かなり厳しい調子で非難されています。
翌年、放送同時審査ではなく、
審査員の地方派遣という形になります。
しかも参加料を徴収したので、参加校が減りました。
その後、放送同時審査でも同等の審査ができることを確認し、
翌年から再び参加無料・放送同時審査になりました。
ちなみに、第2回・第3回の優勝校の随意曲(自由曲)も紹介します。
せっかくなので紹介してみます。
※「第1回児童唱歌コンクール」ですが、
便宜上「第1回Nコン」と表記します。
まず、コンクール当日の新聞でどう紹介されているか、
当時の新聞から引用して紹介します。
今晩は児童唱歌コンクールという日本で最初の試みが行われます。
コンクールということで、つまり日本中での唱歌の上手な子供さん方の唱歌競技会です。
今度はいろいろな都合で、東京・大阪・名古屋・広島・熊本・仙台・札幌の十四の学校が選ばれました。
この予選には、遠くから遥々出場した学校が沢山ありました。
例えば、東京へは新潟から出てくるとか、熊本へは鹿児島や福岡から集まるというような有様でした。
出場する生徒さん方は、いずれも五年生の男・女生徒十五人ずつです。
そして課題曲として出された二つずつの歌を歌う他、それぞれの学校が自分で選んだ曲、つまり随意曲を一つずつ、合わせて三つずつ歌うことになるのです。
さて、どこの学校が一等になるか楽しみにして待ちましょう。
(当時の朝日新聞より引用)
※表記を現代表記に改めています。
第1回のNコンで気づくこと(その1)
第1回は7地方で開催されたことがわかります。四国は、広島で予選がなされたのでしょうか?
九州が熊本での予選開催となっていますが、
熊本放送局が大きかったからなのか?
移動が厳しい時代なので九州の中央で開催したのか?
そのへんがわかりませんね。
7つの地方から14の代表が選ばれているのは、
男女別で代表を決定していたからです。
また、参加は尋常小学校5年生に限定されていました。
あと、意外だったのが課題曲。
課題曲はてっきり選択制なのかと思いきや、
2曲とも歌っていたということ。
これはアーカイブページではわからないことです。
それでは第1回Nコンを見てみます。
第1回 児童唱歌コンクールコンクール
コンクール開催日時
1932年(昭和7年)11月26日
午後7時30分~午後9時
※生演奏かは不明
※放送と同時に審査が行われた。
※審査結果発表は11月30日審査場所
東京音楽学校講堂審査
十数名の審査員がスピーカー前で審査
※得点表は、コンクール終了と同時に厳重に封印され、東京音楽学校の金庫に保管された。
※11月30日正午に改めて集まり、得点を発表、その日の午後6時にラジオで放送した。課題曲
<男生>
(イ)「冬景色」(文部省唱歌)
(ロ)「スキー」(新尋常小学唱歌)
<女生>
(イ)「海」(文部省唱歌)
(ロ)「田舎の冬」(新尋常小学唱歌)一、熊本
(男)熊本県葦北郡佐敷尋常小学校
「太平洋」(新尋常小学唱歌)
(女)熊本市碩台尋常高等小学校
「星の界(よ)」(日本語詞:杉谷代水、曲:コンヴァース)二、広島
(男)広島市中島尋常高等小学校
「朝の歌」(文部省唱歌)
(女)広島市中島尋常高等小学校
「秋の夜半(よわ)」(詞:佐々木信綱、曲:ユーベル)三、大阪
(男)神戸市兵庫尋常高等小学校
「秋曉」(詞:吉丸一昌、曲:北村季晴)
(女)大阪市高津尋常小学校
「朝の歌」(文部省唱歌)四、名古屋
(男)名古屋市高田尋常高等小学校
「加藤清正」(日本語詞:藤村、曲:フォスター)
(女)名古屋市山口尋常小学校
「夕の星」(新尋常小学唱歌)五、東京
【優勝】(男)東京市杉並第一尋常高等小学校 ※当時は東京市
「松島」(詞:武島羽衣、曲:英國)
(女)府立女子師範学校 ※当時は東京府
「夢の人形」(詞:西條八十、曲:大和田愛羅)六、仙台
(男)仙台市立町尋常小学校
「星の界(よ)」(日本語詞:杉谷代水、曲:コンヴァース)
【優勝】(女)仙台市東二番町尋常小学校 ※当時の新聞とNHKのホームページの表記に従います。
「朝の歌」(文部省唱歌)七、札幌
(男)札幌師範附属小学校
「夕の星」(新尋常小学唱歌)
(女)札幌市大通尋常小学校
「みがかずば」(文部省唱歌)
※演奏順は上記通り。審査講評
- この2年前に文部省が児童の対抗競技を禁止した趣旨に反し開催し、教育上の批判があった。
- 放送上のコンディションが甚だしく不同。
- 熊本の斉唱が甚だしくかすれ濁っており、審査委員長席の聴取機のコントロールを試みるも、熊本放送局のヴォリュームコントロールが悪かったと判明、熊本の女子の斉唱が終わるまで続いた。
- 広島も同様、声が大きくなったり小さくなったりした。
- 大阪・名古屋は無難に進んだ。
- 東京は最も良い放送コンディションだった。
- 仙台も、東京から距離が近いため、良いコンディションだった。
- 札幌は最もコンディションが悪く、ほとんど満足に聞き取れなかったくらいだった。
- 東京からの距離に比例して状況が低下した。
- 名古屋の男子、仙台の男子のように、音程が明白に下ったような場合は、不良でも判明する。
- 中継状況を綿密に調査せずに行った無謀さに驚くとともに、この状況で採点し、しかも等級をつけたら、幾多の童心を傷つけることか。
- 主催者は大いに反省して欲しい。
第1回Nコンで気づくこと(その2)
生演奏だったかはわかりませんが、放送・審査は午後7時半から1時間半でした。
審査後に得点表を金庫に保管し、
その4日後に集計発表だったようです。
放送コンディションは残念だったようですね。
かなり厳しい調子で非難されています。
翌年、放送同時審査ではなく、
審査員の地方派遣という形になります。
しかも参加料を徴収したので、参加校が減りました。
その後、放送同時審査でも同等の審査ができることを確認し、
翌年から再び参加無料・放送同時審査になりました。
ちなみに、第2回・第3回の優勝校の随意曲(自由曲)も紹介します。
第2回 児童唱歌コンクールコンクール優勝校 随意曲
(男)東京市目黒区碑尋常高等小学校
「助船」(検定唱歌集)
(女)仙台市東二番町尋常小学校
「朝の歌」(文部省唱歌)第3回 児童唱歌コンクールコンクール優勝校 随意曲
(男)東京市目黒区碑尋常高等小学校
「我國兵士」(日本語詞:旗野士良、曲:キュッケン)
(女)仙台市南材木町尋常小学校
「朝靄(あさもや)」(児童唱歌)