続・『亜麻色の風の中へ』―主人公の僕が思いを馳せる「君」って誰なのか考えてみる | Nコンブログ【NHK全国学校音楽コンクール合唱ファンブログ】

続・『亜麻色の風の中へ』―主人公の僕が思いを馳せる「君」って誰なのか考えてみる

昭和62年度NHK全国学校音楽コンクール小学校の部課題曲A
亜麻色の風の中へ
作詞:こわせたまみ、作曲:玉木宏樹


私がこのブログで初めて取り上げた課題曲 で、
とても好きな課題曲がこれですクラッカー
さっき聴いていて改めてこの曲について
いろいろ考えたのでレビューしてみますひらめき電球



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亜麻色の風を追いかけ
馬は刈萱の中を 駆けているだろう
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この部分、まずはタイトルにもある
“亜麻色”ってどんな色なんでしょう。
辞書的には「黄みを帯びた茶色」
ということで、金髪と栗色の中間くらい
をイメージしてもらうといいのでは
ないでしょうか。
もうひとつわかりにくいのが、
「刈萱」ですが、“かるかや”と読みます。
ススキに似た草なんだとか。
つまり、一面の刈萱の草原に吹く風が
「亜麻色の風」なんじゃないかと思います。
美しい光景ですね。



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高原の秋は早くて
空はもう青すぎるほど 澄んでいるだろう
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高原の秋―
「天高く馬肥ゆる秋」というくらいですから、
澄み渡った高くて青い空なのでしょう。
なんとなくイメージ浮かびますよね。
私は阿蘇高原の秋をイメージしました。
本当に澄み渡った空と空気感が
たまんないんですよね。



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また行きたいな 君のいる村へ
今は コスモスの花がさかりで
風にゆれ 風にゆれ
ぼくを ぼくを 待つだろう
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叙情的な秋の描写のあと、
主人公の僕は、こう思ってるんですね。
そもそもこの「君」って誰なんでしょう。
少年の思い出の中の少女なのか、
草原を駆けてゆく馬なのか、
亜麻色の風のことなのか、
答えは定かではありません。
その「君」の住む村は、
コスモスが咲き誇り、風に揺れた
コスモスが僕を待っているだろう、
なんてロマンティックな表現です。



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こうばしい草の匂いを
白い背にのせて 山羊は鳴いているだろう
高原の秋は早くて
雲はもう呼んでみたって 届かないだろう
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2番もとても美しい秋の高原の描写です。
小学校の部とは思えない美しい歌詞です。
「こうばしい草の匂いを白い背にのせて」
なんて小粋な表現ですね。



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また行きたいな 君のすむ村へ
今は りんどうの花も咲いてて
まぶしげに まぶしげに
ぼくを ぼくを 見るだろう
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りんどうは秋の花ですよね。
光景が思い浮かびます。
君の住む村には、りんどうの花が咲き、
まぶしげに僕を見るだろう、
とこれまた素敵な表現。
また行きたい気持ちもわかります。



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また行きたいな 夏の日のように
自転車に ザックと地図をつんで
あの亜麻色の風の中へ
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エピローグです。
「ザック」はリュックサックのことですね。
どうやら、以前行ったのは夏のようです。
やはり「君」とは「亜麻色の風」
なんじゃないかと思います。
(これが答えなわけじゃないですよ)


また行きたいな
→君のいる村
→君のすむ村
→あの亜麻色の風の中へ


とつないでみるとそんな感じがします。

初演の作詞者の解説を聞きたいところです。
にしても、何度聴いても惚れ惚れする課題曲合格
自由曲で歌ってくれる学校ないかなぁ。




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