NEOS 2nd
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「恐-きょうらん-怖」1

翌日・・・。

 

疲れていたせいか、俺は色々な事を考えているうちに

眠りについてしまったようだった。

 

立ち上がり、外の景色を眺めた・・・

廃墟ビルのこの一室に人間が外を眺めているのを誰が気づくであろう・・・

世の中は、俺がどんなに苦しくもがいていたとしても日常は変わりのないものだ・・・

ふと、現実社会と現在の自分の居場所のギャップを感じた・・。

 

「コンコン」

 

返事をし、ドアを開けると、そこには新垣 紗江が立っていた

一切、言葉を発することなく、朝食を差し出された

 

「あ・・ありがとう」

 

紗江はニコリともせずに、その場を立ち去った

 

俺が起きたのが分かるのか・・・

この部屋にも監視カメラがついているのだろう・・ジャニスならばやっていてもおかしくない

 

そう思い、トーストに噛り付いた

 

そういえば・・次のダイブは困難な傀儡と聞いていたな・・・

結衣の最後を思い返せば、、あれ以上のものなのかと思うと身震いがした

だが、ここで辞める訳にはいかない・・何としても「母さん」を助けないといけないのだ・・

そう思った。

 

食事を終えると京介は、ジャニスの待つ地下室へと向かった

 

「ギギィ・・」

 

古めかしいドアが音をたてた

 

ジャニスはチラりと俺を見ると目の前に資料を差し出してきた

 

「これが次の傀儡だ、一筋縄ではいかない可能性がある、よく読んでおけ」

 

「分かった」

 

俺は椅子に座り資料をめくり始めた

 

その間、ジャニスは新垣紗江をベットに横たわらせ、ダイブ用の装置を装着し始めていた

 

「ペラ・・ペラ・・」

 

資料を読み始めていくと、次の傀儡の名は「真美」という事が書かれていた

そして、その真美には「亜依」という双子の妹がいるという事が分かった、そして亜依も傀儡登録がされていた

資料上では、真美は「哀川京介の傀儡として動いていたが、双子の妹との憑依的な部分が見られた」とあった。

双子の性質で憑依というのは意味が分からなかった・・

 

「なぁ、ジャニス」

 

「なんだ」

 

「真美へ亜依が憑依が見られたとあるが・・これはどう意味なんだ?双子で傀儡だったのではないか?」

 

「あぁ、亜依も傀儡だ、だが、真美とは違う方式で管理されていた」

 

「管理?どんなふうに?」

 

「拘束だ」

 

「拘束?じゃあ、亜依がやばいのか?」

 

「・・・入れば分かる・・どちらにせよ、今回のダイブは危険だ」

 

「・・・二人の傀儡との接触・・ということか」

 

「恐らく、そうなる可能性が高い」

 

「・・・わかったよ・・」

 

危険な傀儡二人へのダイブか・・・京介は心なしか恐れを感じていた。

 

資料を読んでいくと、真美の最後が記載されていた。

哀川京介による射殺で真美、傀儡抹消とあった

 

「おい、ジャニス、哀川京介は人殺しをしているのか!!」

 

「あれは仕方のない事だ・・そのようにしなければ、今お前はそこに存在すらしていない事にもなる」

 

「存在って・・・そんなにやばいのか・・真美は・・」

 

「優れた傀儡だった・・故にだ・・」

 

「優れた・・なんだよそれ・・・」

 

ジャニスは新垣紗江への準備を終えるとPCを起動させた

幾つものモニターの電源をして始めた

 

「小川 京介・・心配ない、何かがあったらこちらで引き戻す・・お前でなくては出来ない仕事だからな」

 

「仕事って・・危険が生じた場合はそのモニターで見えるんだろ」

 

「あぁ、お前の目に見えているものと同じものがここに映し出される、意識を常げるのも切るのも可能だ安心しろ」

 

「そんな装置、誰が作ったんだよ・・あり得ないだろ」

 

「作ったのは私だ・・だが、設計図を残していたのは「哀川京介」だ・・」

 

「最初から予測して作っていたという事か?」

 

「それはどうかはわからない・・違う用途で使おうとしていたのか、こうなることを予測していたのか・・ただ、彼の使ったていた部屋に設計図が残されていたんだ」

 

「・・・いったい・・哀川京介ってどんな奴なんだ・・・恐ろしいな・・」

 

「彼は・・天才さ・・それも飛び切りのね・・・その遺伝子を継いだのはお前だ、これも運命なのだろう」

 

「望んでねーよ・・・こんな未来・・・」

 

「カチャ、カチャ、カチャ・・パチン・・」

 

「さぁ、こちらは準備は出来たぞ」

 

「ちょっと待てよ・・」

 

俺は資料を隅から隅までもう一度読み返した・・

 

「真美」「亜依」この二人の傀儡の特性や状況、過去の自系列まで・・

真美は・・哀川京介に殺されているが、その前にここの人間を一人殺している・・・

それはXと呼ばれていた人間の友人で会った・・

 

「今回は殺しが行われるシーンを見なければいけない・・生半可な気持ちでは飛べない・・」

 

そう感じた

 

「パタン」資料を閉じた

 

俺は配線まみれの新垣紗江の前へ行き

 

「行くよ、君の中へ・・また何かの時には助けて欲しい・・・。」

 

小川 京介は新垣紗江の横に横たわった・・

 

「始めてくれ・・ジャニス」

 

 

 

 

 

 

 

  

 

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