傀儡 『崩壊』 | NEOS 2nd

傀儡 『崩壊』


京介の放つ二人の傀儡


「てんてん(愛美)」「ゆな」 双方は互いが京介の指示で動いている事を知らない・・・


二人への指示が被らぬよう、入念な計算をしながらプランを遂行した



ゆなの装備したCCD、インカム


愛美の装備したインカム


ヒロシの変化を見るために2パターン用意した。



愛美、ゆな、この二人は互いが京介の指示の通り動き 


互いが知らない、この構図は京介から見るととても面白いものがあった。



ゆなが数回ヒロシ達の席に現れる度、ヒロシの言動は少なくなり、ゆなを直視した・・




「愛美、会長さん・・様子がおかしいだろ心配してやれ・・・」



『会長?どうしたんですか?元気が急になくなっちゃって・・少し心配です・・・』



『おお・・そうかね大丈夫だよ。少し悪いが仕事の電話があるんで少しの間失礼するよ・・』



『会長・・お電話でしたら・・私が・・・』



『いや・・いいんだ・・美央、皆さんの御持て成しの方を頼む・・』



ヒロシはラウンジの外に出て「神埼 リオ」の携帯に電話を入れた。




「お掛けになった電話番号は現在・・・」



「何・・?リオ・・・ワシを嵌めよったか・・・いや、キラー・・奴かもしれん・・・」




直ぐに奴隷クラブNEOへ電話を入れた。


「会員制クラブ」・「奴隷クラブNEO」どちらも電話は繋がらなかった・・・

「どう言う事だ・・・とにかく・・あの女の始末せんと・・・」



京介インカム指示

「ゆな・・。退散だ・・バックルームで着替え、裏口から出ろ下で待っている・・」


ゆなはバックルームへと消えた



「愛美、会長は間もなく席に戻る・・その時の言動・目つきを見ておけ・・」




ゆなは直ぐに着替え裏口から一回のロビーへ向かっていた



一階ロビーで京介とゆなは合流した。




ここで、ゆなを一人にするのは危険と判断した京介は同行で移動することにした。




『ゆな・・サタンはお前に気づいたようだな・・』



『はい。背中の・・』



『ニヤリ・・・そろそろやな・・』






「ピリリリリ・・・ピリリリ・・」






席に戻ろうとするヒロシの携帯が鳴った



「誰じゃ・・この番号は・・」



不審に思いながらもヒロシは携帯に出た


『モシモシ・・』



『サタン・・・気に入ってくれたか・・・ワシからのメッセージは・・・』



『貴様!!キラーか!!』



『そうや・・クックック・・』



『己、ワシを騙したな』



『何んでも金で解決するとは限らん・・サタン・・』



『いいか・・サタン・・ワシは常に見ている・・』




『・・・リオ・・アイツを何処に隠した!!』



『おやおや・・穏やかじゃないな・・サタン・・いや・・ヒロシ会長(笑)』



『くっ・・おのれ・・・』




『あのクラブは崩壊した・・今頃・・警察により、ガサ入れが行われているはずだ・・・当然・・お前のデーターも出るかもしれんな・・』



『な・・なにぃ・・』



『フンッ、心配するな・・お前のデーターは全て抜いてある・・警察の手がお前に回ることはないだろう・・』



『信用ならん・・』



『では、明日の新聞をでも見るんだな・・・何百名もの顧客データーから逮捕者が出る・・』



『さては・・お前が・・』



『そうだ・・ワシや・・ハハハ』



『何が狙いだ・・・』



『お前のデーターを抜いたのは、今後、ゆなへの攻撃をしない事が条件だ・・・守れないならばデーターを提示する・・・どうなるかね・・アンタの会社・・』



『待て・・待て・・分かった!約束する!だが・・』



『だが・・なんだ?』



『あの女を何とかしてくれ・・金ならもっと用意する・・』



『殺人容疑に・・・SMクラブ通いの会長様・・面白い記事になりそうや・・・おい、サタン・・金では無い、王国は何れ崩壊を遂げる・・・それだけは忘れるな・・』



『私がどれだけ努力をして会社を大きくしたと思っているんだ!!お前のような輩に・・・クソッ・・・』



『サタン、勘違いするな・・お前が動かなければ気概は加えない・・』



『本当か?キラー』



『あぁ・・約束を守ればだ・・』



『あぁ、約束する』



『サタン・・・見誤るなよ・・・』







電話はそのまま切れた・・





ヒロシの脳裏には、もはやキラーの事で頭がいっぱいだった・・



ゆなを半殺しにしたうえに、レイプ 


殺人依頼までした事をキラーは恨んでいる・・・そう感じた・・






「なぜ・・あの程度の女の命くらいで・・ここまでワシが脅されないといけないのだ・・・」





長電話のヒロシを心配し、美央がラウンジの外に様子を見にきた




『ヒロシさ・・ん・・』



『おぉ・・美央か・・・』



『顔色が・・』



『いや・・何でもない・・そうだ!オーナーから聞いて欲しい事がある・・・』



『はい・・何でしょうか・・?』



『・・あの・・いや・・ワシが直接聞こう・・・』




ヒロシは席に一度戻り、ジャニスオーナーを呼んだ・・


ジャニスがヒロシの前に現れた


『お呼びでしょうか・・・』


『ちょっといいかね?聞きたい事があるんだ』


『はい、私でお答えできる事であれば』


ヒロシは席を離れ、別の席に座りジャニスと話をし始めた。



ただならぬ、顔つきを愛美遠目で見ていた





『何か失礼でもありましたでしょうか・・』


『いや、そうじゃないんだがね・・・気になった事があってね』


『はい、何でしょうか』


『先程・・・シャンパンを運んできてくれた女がいるだろう・・・あの女はいつからここに?』


『・・・あぁ・・ゆかさんですか・・あの子は 今日だけのHELPでして 』


『今日だけ?・・明日は来ないのかね?』


『はい・・。何か?』


『いや・・じゃあ 何か・・人が足りない時は いつもあの子かね?』


『いえ、今日はたまたま派遣会社方から来てもらいまして・・・』


『ほう・・・その派遣会社を紹介してくれんかね。あの子の様な笑顔はとても素敵だった、我が社にも欲しいと思ってねぇ・・・』


『そうでしたか、お安い御用です。後程、番号をお席の方にお持ちします。』


『うむ。』




「キラーめ・・・お前の思い通りになどさせるか・・・」



ヒロシは派遣会社から何らかの情報を得て、ゆなを抹殺しようと考えていた



だがその考えも、京介の読み通りの展開であった





ヒロシは席に戻ると多少の安堵を感じているかのように言葉数も増えた。



『お待たせ致しました・・・』



ジャニスはメモをヒロシに渡した・・



ヒロシはそのメモをチラッと確認しポケットにしまい込んだ



『ありがとう、この分も勘定に・・』

『いえ、それは結構です』



ジャニスは、にこやかに答えた

『では、近いうち、お礼を兼ねて又お邪魔するとしよう』


『よろしくお願いします』



ジャニスは会釈をしてその場を離れた



『会長さん、私そろそろ・・・』


愛美が京介の指示で動き始めた


『おお、そうか・・今日はありがと、てんてん君。君には期待してるよ』



『私も会長に期待していいですか?(*´∀`*)』



『いいね・・君、いいよ期待してくれたまえ( ̄ー ̄)ニヤリ』





てんてん達が帰るのと合わせ、ヒロシ達も一緒に帰ることにした。



京介はゆなを連れ、琴菜の待つ病院へ向かっていた。




『京介さん・・私、病院には戻りたくないです・・・』



『ゆな。最終決戦までに、お前は無事でいてもらわないといけない。あそこが一番安全なんや・・・分かるな』



ゆなは残念そうな顔つきで、仕方無しに従うことにした



『はい。分かりました』



『それでいい・・』



病室に送ると、琴菜が心配そうに駆けつけてきた




『ゆなさん!ゆなさん!』



『琴菜はん、なんも心配いらんで・・』



『は・・はい・・』



『ゆなを頼む・・お前が付いていれば安心や・・』



琴菜は顔を真っ赤にしながらも見透かされてる・・が・・嬉しくもある・・そんな気持ちだった




『はい。お任せください』



『ゆな・・また 連絡する・・』



『はい(*´∀`*)』



病院を出た



「さてと・・・」



愛美に連絡を入れた



『愛美、ワシや・・』



『キラー様!会長さん、あの後お店のオーナーと何か話をしてました』



『だろうな・・』



『そして、深刻な顔をしてたのに、急に何か掴んだような顔をして元気になってました(笑)』



『そうか・・お前は「㈱ MIO」の申し出を受けるん方向で進めろ、フリーになると言い「㈱ MIO」の専属にさせて欲しいと言え』



『えー!!嫌です・・・』



不満そうに返答をした



『愛美・・ワシの為には動けない・・そう言うことか?』



『えー・・。なんでそう言う話になるんですかぁ・・・そうじゃなくてぇ・・』



『なんや?』



『もっと!私を大事にして!恐いんだから・・本当は・・』



『あぁ・・分かってる、分かってるよ、愛美。今日はちゃんとお礼も準備してある・・仕事が終わったら連絡くれ・・』



『えー 本当?もうあとの仕事はキャンセルします すぐ 帰ります(*´∀`*)』



愛美の電話の声にマネージャーは驚いて言った



「ちょっと!てんちゃん それは困るよー!!」




『フフフ』



『終わってからでいいよ、愛美』



『はぁ~い・・でも ありがとう(*´∀`*)』



『あぁ・・・』








全ての歯車が動きだした・・・