ある土曜日、ドリフトがしたくてトヨタ86を購入検討中の方が、相談にみえましたDASH!

以前シルビアでドリフトしていた復活組で、S15シルビアも購入対象として色々観て来たそうですが、ボロさの割りに高価過ぎるし、ちゃんと走れる様にするまで、いくら掛かるか判らないので、買う気にならなかったそうで、86KOUKIの見積りしてもらったそうです…

その方のお友達が、86でドリフトされているのですが、クルクルスピンしてしまい、色々試すも上手くドリフト出来なくて、諦め掛けていて、その方には買うのは止めておけと言われてしまったので、86で本当にドリフト出来るのか、僕の所まで確認に来たとの事!?

僕が走ってる動画を観てもらいながら、86で楽しくドリフト出来ますよっとお話しても、お友達がドリフト出来ずにいるのを観ているので疑うばかり…

人から聞いたり、実際に乗ってドリフト出来ないのでは?と感じた方々、僕がデモカーとして86を購入し、足廻りのセッティングを進めて行ったな流れを元に、86/BRZの足回りのセッティングの肝になる部分をお話し、86/BRZはドリフトに向いている車種だと言う事を知って頂きと思います。


86/BRZが発売されて直ぐに、各社アフターパーツメーカーが我先にと争って車高調キットが発売し、老舗のドリフト系ショップさんが車両を購入し、その車高調を組んでテストされたのですが、振り返しするとスピン、角度に耐えず回ってしまう、パワーが無くてドリフト出来ない等々、全く上手くドリフト出来ず、ドリフト業界では86/BRZはドリフトが難しい車と、レッテルを貼られてしまい、ドリフト用のパーツは全くと言って良いほど発売されず、ドリフト天国の紙面にも登場する事も少なくなりました…

雑誌等で取り上げられなくなり情報も少なく、86/BRZでドリフトしようとしている方も足回りのセッティングや乗り方等で悩まれて苦労する事が多く、ドリフト系プロショップがサジを投げたのに、素人さんが上手く走れる様にセッティング出来る訳ありません。

こんな状態なので、86/BRZでドリフト出来るのか?と疑われる事になってしまったんだと思います。

86/BRZが、ドリフトに向かないになってしまったのが、各メーカーから発売された車高調キットに、問題があるのでは?と思っています。

市販されている86/BRZの車高調キットは、フロントに対してリヤのスプリングレートが低いか又は同じ物がほとんどです。


僕も同じ様に、FRで重量的に近いシルビアを参考に、ヨーロッパ車ではよく使用されるKWversion3と言う、ショックの減衰が伸び縮み別々に調整出来る車高調キットをベースに、フロント8㎏リヤ6㎏からスタートしたのですが、少し角度を付け様とするとスピン、振り返す度にクルクル回ってしまい、まともにドリフト出来ませんでしたあせる


そこで、カウンターの戻りの悪さや引っ掛かり感が有ったので、キャスター角が付く様にピロアッパーのアッパープレートを製作し、車両に取り付け走行すると、カウンターの戻りの悪さ等は改善され、幾分乗りやすくはなったのですが、リヤの踏ん張りが利かないので、恐る恐る走る感じで楽しくありません…

https://youtu.be/5hPoU8q805Y

友達のカメラマンが作った動画がYouTubeにアップされているのですが、上手く動画が貼れなかったので、URLをコピーして検索して観てみて下さいキョロキョロ

シルビアと比べると、フロントの足回りはストラット式で同じなのですが、リヤの足回りは、同じマルチリンク式でもアームの取り回し等が違うので、今までのニッサンFR車のデータは全く使えないのでは?と思っていた事が、現実になりましたアセアセ

さあ、ここからが大変ですアセアセアセアセ

レバー比やロールセンター等を考えて、リヤのスプリングレートを上げる方向で変更し、YZサーキットやモーターランド三河、奥伊吹モーターパークを走って、スプリング変更する度に車高やショックをセッティングして、テスト&エラーを繰り返して、車高調とLSDと少しの切れ角アップのみで、ある程度走れる様セットが出るまでに、1年半掛かりました!


そのセットは、フロント9㎏リヤ10㎏DASH!

テスト&エラーを繰り返して行くと、リヤのスプリングレートが、フロントのスプリングレートを追い越しましたあせる

このセットでも普通にドリフト出来るのですが、自分の中でテーマにしていた、バキッと一気に角度をつけて、NAらしく全開でアクセルを踏み千切ってコーナーを抜けられるまでには、まだまだな感じ…

そこで、iコンセプトの強化タイロッドに付属するスペーサーを追加してステアリングが切れる量をさらに増やし、フレームやスタビに干渉するのを防ぐのと、ステアフィールの向上を狙って、フロントに延長ロアアームを投入し、ロケバニのオーバーフェンダーを装着し、ワイドボディー化しました!



車高調のセットは変えず、そのまま走ると、ワイドボディー化が良いのか、ノーマルボディーに比べると乗りやすいのですが、やはりリヤの踏ん張り感が足りませんアセアセ

ここで、何か策は無いかと調べると、良い物が発売されているではありませんか!?



GPスポーツのトラクションメンバーカラー!



メンバー側のトレーリングアームの取り付け位置を変更するパーツで、リヤサスペンションの可動軌道を変更し、トラクションアップを目的するパーツですグッ

取り付けして走ってみると、86のリヤの足の突っ張り感が解消されたのですが、足の動きが良くなったからか、リヤの車高が下がってしまいましたアセアセ

リヤの車高だけ調整してテストしてみると、リヤの足が良く動くのですが、動き過ぎて、トラクションアップ所か、腰砕け的な動きで全然良くありません…

この状態から、リヤのスプリング10㎏から1㎏ずつ変更し、レートを変更する度に車高やショックの減衰、アライメントを変更してテストを繰り返してセッティングしていくと、リヤの安定感がアップし、角度を付けてもスピンしにくくなり、振り返してもスピンする事がなくなりなりました音符


ワイドボディー+延長ロアアーム+トラクションメンバーカラーを追加してからのスプリングレートは、フロント9㎏リヤ12㎏!?

フロントは延長ロアアームでドレッドを広げているので、レバー比は変化無いのですが、リヤはマイナスオフセットのホイール+ワイトレ30ミリで、レバー比がかなり変わったのと、トラクションメンバーカラーの装着により、大きくスプリングレートの変更となりました!

角度を付けられる様になったら、またトラブルが!?

ドリフト中、ギャップ等横からカツっと力が加わると、リヤのトーの調整カムボルトがズレて、トーが狂ってしまう様になってしまいましたアセアセ



リヤのアライメントセッティングの自由度とリヤタイヤを上手く使える様に、クスコの調整アームを装着!



クスコのトーコントロールアームには、元からある調整カムボルトを廃止するプレートが付属していて、クスコの調整式アームに交換してからは、アライメントがズレる事が無くなりましたグッ

このタイミングで、D1ドライバーの手塚選手から、ドリフト用の加工ナックルのテストの依頼があり、ファイターナックルを装着!



切れ角をさらにアップさせ、アッカーマン比を変更し、ドリフトしやすくするパーツです。


ファイターナックルを装着し、ハイキャスターアッパーマウントのまま走ると、ノーズの入りが悪く、転がり過ぎてドリフトの維持がむずかしく、乗りにくくなってしまったので、ノーマルキャスターに戻して走ってみると、切れ角が増えたのと適度にフロントが転がっていい感じルンルン

しばらくスプリングレートは変更せず、車高やショック、アライメント等を色々試して走り込むと、リヤスプリングレートの変更が必要な事が判ったので、リヤスプリングを13㎏に変更してテストを進めると、ステアフィールも良く、リヤの安定感がアップし、一気に角度付けられ、角度も一髪で決まり、トラクションの掛かりが良くなり、角度を付けていても前に進む様になりましたOK

ここまでセットが決まって来ると、色々な乗り方に挑戦出来る様になりました音符


最近では、進入で一気にフルカウンターまで角度を付けたら即全開!何て乗り方が出来、コース慣れしていれば、フルカウンターのままスロットル全開で、ラインをトレースしてコーナーを抜ける事が出来る様になりましたチョキ

NAノーマルエンジンに吸排気コンピューターのみのチューンですが、ケンダKR20が2ヒート (1ヒート10~15分 ) で、終了してしまうほど、トラクションの掛かりが良く、全開にしている時間が長い証拠ですね!


この動画、僕が乗っているのではなく、D1リーガル権を持つ、某自動車短大のK先生が乗っています。

初めて乗って3本目位だったかな?

スマホがオーバーヒートして、録画が勝手にオフになってしまったので、コースの途中で撮影が終わってしまっているのが残念ですが、全周綺麗に走りきれていますグッ

K先生は、S15シルビアでドリフトしていますが、僕の86に乗ったのは初めて!?

K先生に感想を聞くと、自分のシルビアより動きが速いのに、操作に余裕があり、電スロのもたつきも無く、とても乗りやすく、86の印象が変わり、何か未来が見えた気がする!と感想を頂きました音符

その他にも、ドリ天主催の富士のドリパでのイベントに参加していた赤い86乗りのS君にも試乗してもらいましたが、その時も操作に余裕があって、自分の86時比べて格段に乗りやすかったと感想をもらっています音符

レベルの違う二人ですが、同じ様な感想が出ると言う事は、レベル関係無しで乗りやすかったと言えると思います。


この動画は、D1ドライバーの大嶋選手主催のドリフト練習会で、大嶋選手の練習機S13と絡んで走ってます音符

最後の車庫入れ失敗していて、ちょっと恥ずかしいですが、普通にシルビアと絡んで楽しく走れてますグッ

ドリフト仕様の足のセッティング過程をお話した中で、足廻りのセットアップの中で、スプリングの選択の重要性が解って頂けたと同時に、現在市販されている車高調キットが、購入したままではドリフトに使えない事が解って頂けたと思います。

そして、しっかり足廻りのセットをしたら、楽しくドリフトが出来る事も解って頂けと思います。

走行会に参加した際、エンジンの調子が悪かったり、エンジンやタービンブロー等のトラブルで、1日楽しく走れない参加車を良く見ますアセアセ

シルビアシリーズの中で一番新しいS15でも、生産終了して15年以上経過し、走行距離も延び消耗したり、経年劣化等で、痛みがそれなりにあり、トラブルも多く、最近の走り系車の高騰により、車両自体も高値になった上に、走行会でトラブル無く走る車を作ろうとすると、かなり高額になってしまいますアセアセ

86/BRZは、新しい車だけあって、走りに行った際のトラブルもほとんどありませんグッ

これからドリフトしたいと車両購入を検討している方、今までのドリ車に乗っていてトラブルが多くて嫌気が差している方、86/BRZも選択肢もアリだと思いますひらめき電球


足廻りのお話から脱線しましたが、お話した事を参考に、仕様に合わせてスプリングレートを選択し、車高の前後バランスをしっかりセッティング( ここ重要! )をすれば、86/BRZは、とっても楽しいドリ車になりますよ音符

最後に、スプリングレート&切れ角アップのセッティングを公開します!


星ノーマルボディー
 
フロント9キロ 、リヤ10~11キロ+ヘルパースプリング

 GPスポーツ トラクションメンバーカラー使用時は、フロント9キロ、リヤ11~12キロ+ヘルパースプリング

切れ角アップは、日産用の知恵の輪oriコンセプトの強化タイロッド(付属のスペーサー不可)

フロントホイールは8~8.5Jまでで、ハミ出す位までワイトレやスペーサーでトレッドを拡げて下さい。

キャスターを、市販のハイキャスタータイプのピロアッパーで、8度位まで寝かすと、カウンターステアが自然な感じになり、カウンターを当てた時の転がりが少し良くなるので乗りやすくなります。

フロントキャンバーは3度以上ネガにし、トーは前後供に±0~片側イン5分(イン1ミリ)


リヤデフですが、純正のトルセンLSDでも走れますが、社外の機械式LSDを入れた方が乗りやすくなります。


星ワイドボディー

フロント9キロ、リヤ12~13キロ+ヘルパースプリング

GPスポーツ トラクションメンバーカラー装着時は、フロント9キロ、リヤ13キロ+ヘルパースプリング

ワイドボディーにした場合、延長ロアアームで30~35ミリ延長してトレッドを拡げて、ホイールは9Jまでで、オフセットは±0付近にセットし、ナックルがノーマルならハイキャスター仕様のピロアッパー、加工ナックルならナックルの仕様に合わせてキャスターをセッティングして下さい。

フロントキャンバーはネガに5度、トーは前後供に±0、リヤキャンバーは調整式アームを装着している場合はネガに30分~1度です。


これまで色々なメーカーの車高調をベースにスプリングレートを変更しましたが、ベースになる車高調は、フロントスプリングレートが、8~9キロが標準の物で有れば減衰の仕様変更無しで大丈夫な様です。

リヤのヘルパースプリングを使う理由は、ショックのストロークを、バンプ側を必要な分を確保したら、出来るだけリバンプ側を稼いで、リヤのタイヤを接地させたいからです。

フロントもヘルパースプリングを入れられる様であれば、入れて下さい。


86/BRZは、車高の前後バランスにシビアに反応する車なので、車高の前後バランスのセッティングも重要です。

上記のスプリングレートを組んで乗りにくい場合は、車高の前後バランスが悪いので、アライメント変化が少ないリヤの車高を変更してセッティングして下さい。


上記の仕様にし、車高のバランスやアライメントのセッティングをしっかりすれば、最低でも普通にドリフト出来るはずです。


自分で出来ないって方は、近県にお住まいであれば、店に来て頂ければ基本セットを出しますし、遠県にお住まいで来れないって方は、地元のショップさんに持ち込み、ドリ天の記事やブログを参考に、セッティングをお願いして下さい。




シルビアやチェイサー等はもちろんですが、86/BRZばかりで、こんな風に楽しくドリフト出来たら良いですよね!?

86/BRZでドリフトしている方は少なく、ドリフトを始めても足廻りのセッティングが決まらず、楽しく走れてない方が多いと聞いていて、これではイカン、沢山の方に86/BRZでドリフトを楽しんでもらいたいと思い、この5年半の足廻りセットアップの流れと基本セットを公開しました!


5年後位までに、ドリフト走行会で86/BRZクラスが出来、10年後の8月6日には、86/BRZだけでドリフト走行会が出来る様になれたら良いなぁ~ルンルンっと思っています!


今回は、足廻りについて長々とお話しましたが、エンジンや駆動系にも、楽しくドリフトする為のチューニングポイントがありますので、また書きますので、お楽しみに~!?


2021年9月追記

YouTubeに動画チャンネルを作りました!

デモカー1号ワイド86やデモカー2号オートマBRZの走行動画、練習会走行会の模様、足廻りの作業動画等、アップしていますので、観てみて下さいねルンルン

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