自然農法に興味がありました。
そんなとき、農業高校から講師の依頼がきたので、行くことにしました。
いわゆる教育困難校でしたが、教育困難校に勤めたかったというのもあり、喜んで行きました。
農業高校なので、無農薬で自然農法でした。
毎日、生徒がつくった作物を職員室に売りに来てくれます。
自然農法=おいしい というイメージがありました。
しかし、おいしくないのです。
お米も買ってみました。
おいしくないのです。
どのようにして、実習しているのかというと、生徒が喜んでやっているのではなく、先生が厳しく、無理矢理、強制的にやらせてるという感じです。
授業をしていても、抑え付けられているので、ストレスいっぱいです。
食品化学科は、とれた農作物でパンやいろんなものを作って、販売していました。
先生方にすごくおいしいと勧められ、食パン、パン、鶏の加工食品、いろいろと試してみましたが、おいしくありません。
生徒が作っているのかと思えば、教員が作っていて、ほとんど生徒はやっていません。
どうしてかって聞いてみたら、「あいつらに作らせたら、売れない」っていうのです。
ふだんの実習も、材料は、すべて教員が量って用意しておいて、それを使って作っているというのです。
生徒には無理だから、最低限のことしかやらせないって言うのです。
それじゃ、生徒はちっともできるようになりません。
勉強だけでなく、実習もこの子たちには無理と決めつけて、教師がやっているということに驚きました。
たまたまこの学校がそうだったのかもしれません。
やはり、気持ちのないものに、強制してイヤイヤやったものにおいしいものはないのだと思いました。
いつも野菜をいただいている方も、10年前は、おいしくないし、すぐに腐っていました。
どういう気持ちでつくっておられたかと言うと、作らねばならない、やらなければならないと思いながら、農作業をされてました。
それが、やりたいときだけやるようにすすめたところ、野菜の味も変わり、日持ちするようになってきました。
農薬も仕方ないんやと言っていたのが、使わなくなりました。
どんどんおいしい野菜やお米になってきています。
何も言ってなかったのですが、機会乾燥しないお米が食べたいなあと2人で言ってたら、去年のお米は、天日干しとまではいきませんが、低温乾燥したそうです。
すると、味が変わり、さらにおいしくなりました。
心から沸き出してくる思いで、味は変わります。
おいしいお米、おいしい野菜に興味があるので、旅先でもその土地の野菜や果物を買います。
買うまでもなく、おいしい野菜、おいしくない野菜が”気”でわかります。
自然農法にこだわって作っている宗教法人もあります。
神慈秀明会も、お米や野菜を作って、売っています。
何度か買ってみようかと思って、行ったことがあります。
値段は、どこよりも高かったです。
手間ひまかかっているからとおっしゃってました。
見るからに、色も悪く、艶もなく、おいしそうでないです。
買って食べようとは思いませんでした。
たまたま不登校支援員をしていたときに、神慈秀明会の幹部のお子さんが不登校だったので、学校に復帰できるまで、週2回、お宅に訪問していました。
すると、幹部の奥さんが、農作業する人を集める電話をされてました。
これも強制的に農作業をしているから、あんな農作物になるのだなあと思いました。
何でも作り手の気持ちが、あらわれていきます。