虐待DX125

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誰もユウキを助ける気配はない。

それどころか、むしろ楽しんでいるようだ。

「あれ、やろーぜ」

コソっとそんな声が聞こえた。

「いいな、テンション上げとこ」

声の主がポケットから小さな透明のビニール袋を取り出す。

その中からきれいに折りたたんであるアルミホイルを取り出して広げた。

「俺にも回せよ」

誰かがライターを投げる。

「うわ、何それ?新作?」

「これ、まじ飛べる。気持ちいいんだわ~」

「まじ?どこで手入れた?」

「ヨコさんのバーよ」

「まじ?ってか、はよあぶれって」

そんなやりとりが鮮明に聞こえるのは、周囲が静かだから、だろうか?

それとも…

正面で見えていたそんなやりとりが左右に大きく振られた。

ゴッっと鈍い音が聞こえた気がしたけれど、景色が歪んだのとどちらが早かったのか?

「血ぃ出てんじゃん?」

誰かがこっちを見て嗤っているのが見えた。

狭くなった視界は、目の腫れのせいだろうか?

もう、どこにも逃げ場がないことは分かった。

ニヤニヤと不気味に嗤う男たちは、ついさっきまではツレだった。

一緒にタバコや酒で盛り上がったはずのツレ。

ツレ…?

じゃねぇな…

そんなことを今さら知ったところで、もう、どうしようもない。

朦朧とする意識の中に、ほんのり熱さが滲んだ。

ゆっくりと見上げたユウキの目に、木刀の先に巻いた布切れが勢いよく燃えているのが見えた。

「手作りのタイマツとかおしゃれだろ?」

吉田が嗤って立っていた。

死んだような虚ろな目をして、その火をユウキに近づける。

「いろんなもんあぶるのって楽しいよな」

殺される…

ユウキが呑み込めない唾を呑んだとき、

「吉田さん!ヤバイっす!ヴェルファイア襲いに行った連中が、逆にボコられちゃって!」

倉庫のドアにぶつかりながらそう叫んだのは、吉田連中のパシリ。ヴェルファイアを襲った連中を陰で応援していたビビリのカイト。

「ぁん?」

吉田がカイトの声にタイマツをユウキの顔面に押し付けた。

つづく
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