シビレ節~植木等 | edihの昭和音楽よもやま話

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60~70年代を中心に、音楽にまつわる話をアップします。

私の大好きな役者さん、クレージーキャッツの"植木等"さん。
無責任シリーズで一生を風靡、実は映画のキャラクターとはまったく正反対な非常に真面目なお人柄なのである。

その植木さん主演の中で"日本一シリーズ"がある。監督はパレさんこと"古澤憲吾"氏。古澤監督の作品はクレージー関連の映画の中でも群抜いて面白い。

その日本一シリーズ第4弾の「日本一のゴリガン男」(66年3月封切)の中で歌われた
「シビレ節」(作詞:青島幸男 作曲:宮川奏)


節シリーズの中でも屈指の名曲なこの作品。植木さん演ずるモーレツ社員と、万年課長の"人見明"さんが、慰労会のアトラクションのシーンで歌われている。

盆踊りでもはじまりそうな派手なイントロと小唄風な唄、植木さんの「ア、コリャ」の掛け声がまた滑稽である。

同時にシングルとしても発売ている。

 
シビレ節

B面は映画の主題歌でもある「何が何だかわからないのよ」。



よく聴いてみるとアレンジも、また歌詞も若干変わっている。詞はおそらく青島さんが、シングル用に手直ししたのだろう。だが、3番最後の「じいさんも○○で、しびれてる~」が引っかかりCDでの発売では○○の部分がカットされたり、平成になってのスーダラ伝説の大ヒットで、アルバム「スーダラ外伝」で再録音した際にには、「じいさんもあの世で・・・・」に変更されていた。

93年に発売された「クレージーキャッツ・トラックス」は、映画用に録音されたマスターテープの音源を集めたアルバム。映画を見ていた私にとってたまらない音源だ。

こちらは、先に紹介した人見さんのデュエット・バージョンと植木さんソロのものが収録されている。元々は3番まで録音され、(映画では1番、3番のを歌う)3番にあたる歌詞は「映画はギャングにしびれてるパトカーはデモ隊にしびれてる」となっていた。

歌の最後の「シービ、レーてーる~」の後に「ジャガ、ジャガ、ジャン」とブレイクするアレンジと、植木さんの「ア、コリャ」や「コラさっと!」の掛け声の威勢のいいこと・・・・。

映画を先に見てしまって、後からシングルを聴いてしまったので、個人的には映画のバージョンの方が気に入っている。それに加山雄三さんの若大将シリーズも同じであるが、映画の中で歌ったテイクはレコードとは違って映画のシーンを思い出すのでまた格別なのである。

ましてや、放送コードに触れたレコード・テイク。再録音やステージで歌うのを聴いては、宮川さんは、なんで映画のテイクを使ってくれなかったんだろう・・・なんて、一般的にはどうでもいいことを考えて聴いたものでした。

皆さんは、どのテイクがよろしいでしょうか?
(文中一部敬称略)