19歳の老猫の最後の願い | NPO法人ねこけん Official Blog

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2011年9月22日に立ち上げた新猫ボランティア団体『NPO法人ねこけん』の公式ブログ

M代表が、引き取った老猫の話です。
またまた「ナ」が報告をさせて頂きます。
それは1通のメールが届いた事から始まりました。
おばあさんが飼っている猫19歳の老猫を、引っ越すから保健所へ連れて行くしかないという話を聞いた女性が、何とか救いたいと、必死に奔走していました。
最後の最後に藁にもすがる思いでねこけんに連絡をくれたそうです。
その内容をMさんに伝えると、Mさんの顔はみるみる曇り、一言「その飼い主、猫の気持ちを考えているかな?」
19年も一緒に居て、最後に捨てられる気持ち、最後に死を選ばされる気持ち…
M代表は、「私が飼うよ!最後を看取る!」
年齢の割りに元気な老猫は、
そうして、M家の子になりました。




私は今、多くの保護猫と、代表の家族と代表の家の子として暮らし始めています。
ここに来る前は、おばあさんと2人で長い間、幸せに暮らしていました。
えっ?
私が何故、代表の家の子として暮らし始めたかって?

それは…

私は、産まれてまもなく、お母さんとはぐれてしまいました。
大声で、何度も何度もお母さんを呼びました。
しかし、誰も迎えには来てくれません。
私は、空腹と恐怖で、その場所にとどまるのが怖かった。
勇気を振り絞って、歩き始めました。
すぐに、人間の家の庭に出ました。

私は、お腹が空いたし、独りでいる恐怖で、ついつい大声で叫びました。
「助けて!お母さんとはぐれちゃった!お腹が空いた!怖いよ!」
力の限り叫びました。

すると、その家の庭の戸が開いて、おばさんが私を見つけました。
「あら!仔猫。何処から来たの?」

私は、もう一度おばさんに向かって歩きながら、叫びました。
「助けて!お母さんとはぐれちゃった!お腹が空いた!怖いよ!」

おばさんは、私を抱き上げると、暖かい家の中に連れて来て、タオルと段ボール箱でベッドを作ってくれました。
そして、暖かいミルクをくれました。

私は夢中で飲みました。
お皿に顔を突っ込んで、顔がミルクだらけになりながら、とにかく飲みました。
お腹が一杯になると、眠くなりました。
私は、おばさんの用意してくれた、私のベッドに潜り込むと、すぐに眠くなり、そのまま寝てしまいました。
暖かい、柔らかい…お母さん…。

暫くして、目が覚めました。
私は、「ミケ」という名前を貰い、その日からおばさんの家の子になりました。

行く当てもないし、それで良いと思いました。


おばさんは、毎日私に、ご飯をくれました。
そして、膝に乗せて撫でてくれました。
時々、外で生活しているという、大きな猫のおじさんも遊びに来ました。

毎日、家の中で遊んで、ご飯を食べて、疲れるとベッドで寝て…おばさんは、優しかった。
そんな日々は、あっという間に過ぎて、私は19歳という高齢猫になりました。
気が付くと、おばさんの頭も白髪になり、おばあさんと呼ばれるようになっていました。

最近、おばさんが、毎日私に言うのです。

「仕方が無いよ すまないね」

何でおばさんが私に謝っているのか、私には分かりませんでした。
だって、毎日ご飯をくれて、ベッドで寝て、今までと変わりなく一緒に暮らしていましたから。

ある日、外で生活している猫おじさんが言いました。
「知っているのか?おばあさん、引っ越すんだよ。ここの家はもうすぐ誰も居なくなるんだ」
そして、悲しそうな顔をしました。
私は、それを聞いた所で、どうして猫おじさんが悲しい顔をするのか分かりません。
だって、私はずっとおばあさんと暮らして来たんだし、引っ越すときも当然一緒に行くと思ったから、私は何の心配もしていませんでした。

すると、猫のおじさんは
「あんたね、何も分かっちゃいないんだな。おばあさんの引っ越す先はペット不可なんだよ」
えっ?私は一緒に行かれないの?

その日、おばあさんが帰って来ると、私はおばあさんに聞きました。
「何故?私はこの先、どうなるの?何故、私を置いていくの?何故、私が年をとったから?何故?」

おばあさんは「仕方が無いよ すまないね」しか、言いません。

私は、理解しました。
小さいとき、お母さんが私を置いてどこかへ行ってしまった時と同じように、おばあさんも私を置いていってしまうんだ。

私は、悲しかった。でも、仕方が無いのかもしれないと思った。何故なら、私はもう19歳だから。
高齢で体力も無くなってきているし…

更に、おばあさんは続けて言いました。
「引越しの前日には役所に引き取って貰うからね。仕方が無いよ」

私は、新しい家に行くんだと理解しました。

翌日、また猫のおじさんが来ました。
「あんたね、役所って意味分かるかい?」

「えっ?違う家でしょ?違う家で私は生活しなくてはいけないってことでしょ?」

「甘いね…。これだから、家猫は甘っちょろくていけないね。役所って言うのは、保健所だよ。ガスで窒息死させられるって事なんだよ!あんたも逃げた方が良いよ」

「嘘!」
私は、あまりのショックで、その後何を言ったのかさえ覚えていません。
そんな!19年も一緒に生活して来て、最後には私を殺してしまうなんて、嘘よ!嘘に決まっている!

私は、もう何も考える事が出来ませんでした。
おばあさんは、帰って来ても、いつもと同じで、私にご飯を出してくれて、撫でてくれる。

そうよ、こんな優しいおばあさんが、私を殺すなんてありえない!

でも…。
私は年を取りました。
かなりの高齢です。
仔猫の可愛らしさも、若い猫の溌剌さも有りません。
だからでしょうか?

私は、諦めていました。
私を殺してしまう選択をしたおばあさんですが、私には大切な家族です。
その大切な人に「要らない」「殺してしまおう」と思われてしまうのなら、きっと私が悪い事をしたのでしょう。
猫の神様がいるならば、その時が来たら、せめて1秒でも長くおばあさんと居られるように、せめて最後は1秒でも苦しまずに、私を天国へ送って下さい。
そう願う毎日でした。

ある日、おばあさんが誰かと電話で話していました。
「でも、人に迷惑をかけたくないの。だから、引っ越すまで一緒に居て、あとは役所に引き取って貰うから。えっ、そう…じゃ、そういってくれるなら」
と電話を切りました。

そして、翌日若い女性が尋ねて来ました。

おばあさんは、私を網に入れました。
私はいよいよ最後のお別れの時が来たんだと、覚悟しました。おばあさん、今までありがとう…

「はい。大丈夫です。私の親戚が飼ってくれるって。安心して下さい」

「よろしくね」

私は、若い女性の車で、誰かの家に来ました。

「良かった。殺されないで済んだわ。これから、優しい人達が迎えに来てくれるからね。安心して、老後をのんびり、最後の最後まで生きるんだよ。この先、医療費だなんだって掛かるけど、私もカンパするから安心してね」
私は、殺される為に運ばれたのではありませんでした。
この女性は、おばあさんから私の話を聞いて、とても心を痛めて、何とか救おうとしてくれていたそうです。
色々なボランティアさんに問い合わせをしてみたり、おばあさんを説得したり…
そして、ねこけんに辿りつき、藁にも縋る思いで、私の救出を相談してくれたそうです。

「ありがとう。私はまだ生きて良いのですね」

暫くすると、また違う女性が2人来ました。
「NPO法人ねこけんです!」
私は、この2人の女性が、私を迎えに来てくれた人達だと分かりました。

何故なら、その団体の代表という女性が
「私の家は保護猫が沢山居るけど、穏かに過ごしてくれるかな?この子は高齢ですし、里親探しは、負担が掛かりすぎると思います。ですので、うちの子にします。この子の最後は殺処分なんかじゃなくて、うちで看取ります!」

私は、何度も少し遠くなった耳を疑いました。
こんな私でも家族に迎えてくれる人がいるなんて!猫の神様は、私に苦しまない死を願った私に、諦めないで生きる道をくださったんだ!

3人の女性は「19歳まで一緒に居て、最後に殺処分なんて、そんな選択はありえない。最後まで家族として過ごしてほしかったよね」と話していました。

そのうちの1人の女性が私をマジマジと見つめて、、最後の願いを、聞いていて、苦しまないで死ぬと言う願いより、暖かい家の中で、愛されて最後を迎える道を作ってくださったんだね。猫神様が貴方と代表を繋げてくれたね。もう悲しまないで、代表の家で新しい生活をしてね」

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私は、今 そのボランティア団体の代表の家に住んでいます。
家族の一員として…。

ありがとう、私は19歳ですが、もう少し幸せを感じていたいと思います。
ありがとう。先の短い私の命を尊んでくださって。


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私は、そんなおばあさんでも、憎む事もうらむ事も有りません。
何故なら、私に死を選択したおばあさんでも、19年間一緒に過ごした家族だからです。

私は虹の橋を渡る日も、そう遠くないと思います。
私は、その橋の袂でおばあさんを待っていようと思います。

ええ、それは家族ですから。

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NPO法人ねこけん里親会

日時11月3日(土)11月4日(日)

午後2時~午後6時
場所 東京都板橋区志村1-32-25

交通
都営三田線 志村坂上駅下車 

徒歩約5分
スーパーサントクの前( コインパーキングあり)
沢山の保護猫達が、優しい家族をお待ちしております。

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