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波乱と言えば、マドリッドが最初に敗退…この時点で東京招致決定は粗確実になった。
プレゼンの下手な日本にとって4年前にオリンピック招致請負人ジョン・ティブス氏に頼ったが失敗に終わり、今回は逆転でロンドンオリンピックに導いたこれもまたオリンピック招致請負コンサル英国人ニック・バレー氏に依頼して成功を収めた。

東京→イスタンブール 渡り歩く五輪招致請負人

写真:ブエノスアイレスで3日開かれたイスタンブールの五輪招致委員会の記者会見(後方)を見守るジョン・ティブス氏=矢木隆晴撮影拡大ブエノスアイレスで3日開かれたイスタンブールの五輪招致委員会の記者会見(後方)を見守るジョン・ティブス氏=矢木隆晴撮影

写真:IOC臨時総会でプレゼンテーションしたイスタンブール招致委の記者会見を見届け、足早に引き揚げるコンサルタントのジョン・ティブス氏=7月3日、スイス・ローザンヌ、西畑志朗撮影拡大IOC臨時総会でプレゼンテーションしたイスタンブール招致委の記者会見を見届け、足早に引き揚げるコンサルタントのジョン・ティブス氏=7月3日、スイス・ローザンヌ、西畑志朗撮影

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 【ブエノスアイレス=平井隆介】2020年五輪招致レースは大詰めを迎えた。ブエノスアイレスで3日、東京とマドリード(スペイン)に先立ち、イスタンブール(トルコ)の招致委員会が記者会見を開いた。特集:2020夏季五輪招致「トルコにとっても五輪にとっても新たな歴史を刻みたい」。壇上で力説する招致委のハサン・アラト会長を、1人の男性が後方で見守った。記者の質問が長引くと、男性は司会者に向かって高々と2本指を突き立てる。あと2問で打ち切れ、との意味だった。ジョン・ティブス氏。国際PRを担当する英国人コンサルタントだ。04年アテネ五輪の招致を成功させ、その後も毎回どこかの候補都市のコンサル業務を請け負ってきた。4年前、ティブス氏は都庁にいた。16年招致では東京と契約を結んでいたからだ。「なぜ東京か」の戦略を考え、「選手本位の大会」とのコンセプトを打ち出したが、東京とティブス氏の力は及ばなかった。多数の国際オリンピック委員会(IOC)委員が賄賂をもらったとして98年に発覚したソルトレーク冬季五輪招致スキャンダルを受け、委員が候補都市を訪問することが禁じられた。「その後コンサルの需要が高まった。直接見られないIOC委員に都市の魅力を上手に伝えないといけないから」とティブス氏は言う。PR担当のほかに、計画担当、環境担当、競技施設担当などコンサルの請け負う仕事は年々専門化が進み、人数も増えている。

今回の東京は「元IOCアドバイザー」「14年ソチ五輪組織委の輸送担当」などの肩書を持つ10人以上のコンサルタントと随時契約を結んできた。契約料はまちまちだが、「具体的な金額は明かせない」という。

最終盤で東京の鍵を握るのは、国際PR担当の英国人ニック・バレー氏。12年ロンドン五輪招致を成功に導いた一人だ。7日の最終プレゼンもバレー氏を中心にぎりぎりまで中身を練る。「コンサルは今や成功に欠かせない存在。パリ本命と言われた戦いでロンドンを勝たせたニックの手腕に期待したい」と東京招致委の関係者はいう。

だが、渡り歩く彼らを面白く思わない声もある。日本スポーツ界のある重鎮はティブス氏を例に、「今回も東京がいるのにほかに移るのはおかしい。東京の情報を全部イスタンブールに漏らしているんじゃないか」。そして「彼らは招致に群がる寄生虫みたいなものだ」と指摘した。

結局、経済力にものを言わせて金で勝ち取ったという感も歪めないが、事実上も東京開催が本命であったと言えよう。
特に安倍総理の用意周到に準備された福島原発汚染処理に関しての懸念を払拭する演説が東京招致成功に大きな貢献をしたと言えよう。

但し、福島汚染処理や被災地復興に関しては益々海外メディアの注目度はまして大きな責任を背負う事になり、喫緊の課題として注力すべきである。
福島や近県の被災地はアベノミクスやオリンピックどころではない。
報道特集で被災者が言っていたこの言葉が頭を離れない…「オリンピック(招致)に湧く日本と福島県は同じ日本じゃない様に思える。」

無論、若きアスリートの卵にとってはこれ以上のモチベーション要素はないであろう。
被災地の子供たちにも勇気や夢を与えるのは間違いない。
ただ、余命幾許もない70歳以上の被災者にオリンピックは関係ないし、2020年の日本人の大半が高齢者ばかりであるという現実も直視しなければならない。

また、異常気象によって7~8月開催と言うのも現実的には難しい…熱中症選手続出でplanが狂うかもしれない。
特に、マラソンなどでは途中棄権者続出でゴール出来るのが数人なんて事も有り得る。
その辺りの調整は2020年間近になって考えればいいが、異常気象は想定外のリスクになる可能性がある。

総括としては商業化しつくしたオリンピックを日本によって「スポーツと平和の祭典」という原点に戻す事こそが求められる。
経済効果ばかりを優先させるとオリンピック自体の基本理念を崩壊させかねない…利益追求型のオリンピックからの脱却を東京が示して貰いたいものである。                                           naniwa335