『夜に生きる』 | 本だけ読んで暮らせたら

『夜に生きる』

昨日は仙台出張。「はやぶさ」なら大宮から1時間半も掛からずに仙台まで行ってしまう。だから当然日帰り。

で、その仙台では、空き時間を使って、文春文庫の新ブランド「ジブリ文庫」の1作『作画汗まみれ』を購入。

出張のたびにその地の本屋に入らずにはいられない。へんな癖だ。

そういえば、広瀬通りに面した本屋を見付けたんだった。チェーン店ではなさそうだった。いつか入ってみなければ。。。



さて、仙台出張の新幹線の中で読んでたのが、このルヘインの新作。今週の初めから読みだして、新幹線車中で一気に読み進めて、本日読了。

LIVE BY NIGHT (2012)
『夜に生きる』 デニス・ルヘイン/著、 加賀山卓朗/訳、 ハヤカワ・ポケット・ミステリ(2013)


昔からアメリカン・ミステリ小説の一つのカテゴリにギャング・ストーリーがあって、本作もそんな中の一つ。

禁酒法時代のボストンで育った若き無法者が、敵対組織のボスの情婦に惚れて・・・・、抗争や裏切りに巻き込まれて・・・・、刑務所での囚人時代を経て・・・・、出所後は次第に才覚が認められ・・・・、やがてボスに成り上がり・・・・、その後・・・・、という物語。

能書きなど述べる必要の無いくらいのオーソドックスさ。


まあ、ギャング・ストーリーはどれもだいたい似たような話になるが、それでも一流の作家が書くと面白くなる。

使い古されたプロットでも、魅力的な人物と人間関係が描かれていれば充分新たな気持ちで読める。

ストーリーがシンプルなだけに、余計、人物描写で読ませる作品になるのだろう。


ギャング・ストーリーの新たな傑作。

お薦めです。