【司法試験】公法系科目答案作成上の注意点 | 司法試験ブログ・予備試験ブログ|工藤北斗の業務日誌

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資格試験予備校アガルートアカデミーで司法試験・予備試験の講師をしている工藤北斗のブログです。司法試験・予備試験・法科大学院入試に関する情報を発信しています。時々弁理士試験・行政書士試験についても書いています。

いよいよ,司法試験本番が明日に迫ってきました。
本日から,翌日の科目の答案作成上の注意点を書いていこうと思います。
なお,試験中は,試験の内容に関する記事は書きませんので,ご安心ください。

【憲法】
①法令が引用されている場合には,どの条文を根拠としてどのような処分がなされているのかを検討する
②問題文に当事者の主張が書かれていないか,チェックする。書かれている場合には,その当事者の主張から離れないように注意する。
ex.「第1回のデモ行進と第2回のデモ行進が許可されたのに,第3回のデモ行進が不許可とされたのは納得がいかない。平和的なデモ行進であるのにもかかわらず,デモ行進を不許可としたことは,県の重要な政策問題に関する意見の表明を封じ込めようとするものであり,憲法上問題がある」(平成25年)
「C社は,本条例自体が不当な競争制限であり違憲であると主張して,不許可処分取消訴訟を提起した。」(平成26年)
「Bは,Cと自分とでは,A市におけるY採掘事業に関して公の場で反対意見を表明したことがある点では同じであるが,その具体的な内容やその意見表明に当たってとった手法・行動に大きな違いがあるにもかかわらず,Cと自分を同一に扱ったことについて差別であると考えている。また,Bは,自分と同程度あるいは下回る勤務実績の者も含まれているDらが正式採用されたにもかかわらず,A市におけるY採掘事業に反対意見を持っていることを理由として正式採用されなかったことについても差別であると考えている。さらに,差別以外にも,Bは,Y採掘事業を安全に行う上での基本的条件に関する自分の意見・評価を甲市シンポジウムで述べたことが正式採用されなかった理由の一つとされていることには,憲法上問題があると考えている。」(平成27年度)
③原告(被告人)の立場に立って,法令の違憲性を主張するのか(法令が引用されている場合),処分の違憲性を主張するのか(両方とも主張するのか)考える
→処分の違憲性を主張するのは,事案に特殊性がある場合(要件を満たさない,要件と満たしたとしても何らかの理由で適用すべきではない)
④処分の違憲性を主張する場合には,法令(法令が引用されているとき)の文言を限定解釈するのか,それ以外の主張をするのか(ex.違法性阻却事由の主張)考える
⑤どこに事案の特殊性があるのかを考える
→事案の特殊性を原告・被告・私見のどの部分で(厚く)論じるのか考える
⑥時間切れになりそうな場合は,通り一遍のことを書いて,私見の最後までしっかりと書ききることを意識する

【行政法】
①ザッと問題文を読んで事案の内容を把握する
→細かく検討する必要はない。気になる事項については,マークしておくなどして先に進める
②「誘導文」から書くべき事項を把握する
→書くべき事項にナンバリングをしておく
③設問を読んで,どの事項がどの設問に関わるのかを把握する
④問題文と条文,誘導文を照らし合わせながら,論述内容を考える
→条文は頭から読むのではなく,誘導文で指摘されているもの,処分の直接の根拠となっているものから読む。そこから読む範囲を広げていく
ex.平成27年度設問2→本件命令の根拠となっている法12条2項,令9条1項1号から
⑤誘導の内容がわかりにくく,時間を消費しそうな場合には,ピックアップした誘導の項目を書き,それに対応する形で答案を作成する
ex.「令9条1項1号ただし書について」「令9条1項1号ただし書と23条との関係について」(平成27年度)


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