恐縮にも,柴田孝之先生が,私の入門講座について先生のホームページで言及されておられるので,私も(私の入門講座も含めた)入門講座の選択について,一言触れておきたいと思います。
結論から言えば,入門講座の選択は講師との相性で決めるべきでしょう。
テキスト,講義の方法,話し方…等々。
この辺りは,ガイダンスや無料体験講義などに出席し,自分の目で耳で確かめてください。
もちろん予備校選択のレベルでいえば,価格の問題もあります。
「その上で」ですが,先生のホームページによると私の入門講座と先生の入門講座を比較される方が多いとのこと。これは,私が先生の教え子であることから来ているのでしょう。
しかし,私の入門講座と先生の入門講座ではかなり性質が異なります。
私が,講師になりたての頃(今でも駆け出しですが),LECから入門講座担当の打診を受けたのですが,最初はこれを断りました。柴田先生の入門講座を超える入門講座はできない(というかそもそも存在しない)と思ったからです。
しかし,本格的に講師業に入るにあたり,入門講座は避けて通れないということで,何とか柴田先生の入門講座の基本的方針を踏襲しつつ,これと異なる入門講座はできないものかと考えました。
柴田先生の入門講座は,受験業界ではスピードが速く情報量が多いことが特長とされていたので,方向性としては,スピードを落として情報量を減らすのか,もっとスピードを上げて情報量を増やすのか,大きく分けて2つ考えられました。例えば,前者であれば,柴田先生と異なり,「講義中にテキストの内容を読み上げラインマーカーを引かせる」,「1つ1つの知識を板書する」などの講義手法が考えられましたが,私の性には合わないので(このような講義手法が悪いと言っているのではありません),後者を選ぶことにしました。
そこで,最先端の知識,詳細な判例分析,論文の書き方などさらに情報量を増やした「詰め込み型」の入門講座にしようと決めたわけです。ロースクールに入って講義のレベルの高さに戸惑うことがないように,あるいは超難関である予備試験に余裕を持ってパスできるように,といった観点からこの方針が最も合理的だろうという考慮もありました。
そのような経緯があるため,私の入門講座は入門講座であって入門講座ではありません。おそらく,受験業界全体で見ても異色です。
もちろん,スタートは「法学って何?」というところから始まるのですが,最終的には法科大学院の講義レベルの知識までお話しすることになります。それに加えて,従来入門講座では扱わなかった論文の書き方まで盛り込んでいます。
私自身がまだまだ発展途上にあるので,柴田先生と比較すること自体おこがましい限りですし,先生も修習から戻られてさらにパワーアップされていることと思いますが,何かの参考になれば良いなと思って書き散らかしてみた次第です。
繰り返しになりますが,結局は好みの問題になると思います。
どの講師の入門講座を受講しても合格する人は合格するのですから,絶対的なものさしはありません。よく考えてみれば,「どの講師がいいのか?」という問い自体があまり意味のあるものとは思えません。仮に,誰に聞いても「この講師がいい」という講師がいるのならば,極論を言えばその講師が担当する入門講座以外の入門講座は淘汰されていることになります(もちろん,これは机上の空論的な市場原理です)が,現状はそうなっていません。
自分に合った講師を選んでみてください。