透明な風、猫の背中。




久しぶりにとってもおもしろいSF映画を見た思いです。
こういうの好きなんですよね。



えっと、確か原作はゲド戦記の人。それだけで見る事を決めました。


時は近未来、主人公オアは夢に見た事が現実になってしまうという悩みを持っています。
自分以外の世界はそれに気付かず、大事な人を失った事もあるんです。
夢を見ないように薬を不正に入手し大量に摂取するという軽犯罪を犯した主人公は、自発治療でセラピーにかかるんですが、そこの先生に利用されていると感じ ていきます。オアが寝ている時にヒントを与えて(脳波を記録するマシンも使って)思い通りの夢を見せて世界をあやつる事ができるからですね。


映画:スフィアは『思った事が現実になってしまう』というものでしたが、夢だとさらに制御がきかないですね。そして、何度世界が変わっても大事な人はすぐ 側にいて、忘れていてもまた恋に落ちるって所は映画:エターナル・サンシャインぽくて素敵です。また、夢からさめると世界が変わっている表現は映画:バタ フライ・エフェクトみたいです。バタフライ・エフェクトは過去の記憶の空白にタイムスリップするという話ですが、現在に戻ってみると世界が変わっていま す。
その辺りの映画が好きな方は、かなり楽しめるんじゃないかと思いますよ。


この映画は、かなり期間の短い輪廻転生みたいだと感じました。毎日夢を見れば毎日世界は変わる訳で、でも大事な人は忘れてはいるけどすぐ側にいて、なんと なく会った事があるという薄い記憶があり、また知り合う事になるんです。『かならず次があるから』というマニー(主人公を導くおじさん?)の台詞が印象的 でした。


で、マニーは全部の記憶があり、次がある事もわかっているようですが何者なのでしょう?『もう慣れた』と語っている事から、神様のようなこの世界をあやつっている人にも思えません。見守る者のような感じですかね。


それから、オアが覚えているほどの変化の時もあるけど、あんまり覚えていないほどの変化もあるようです。この違いがよくわかりませんでした。
見落としもあると思うけど、おもしろいので小説を読んでみようかなと思います。