透明な風、猫の背中。



ケヴィン・スペイシー、A.I.のハーレイ・ジョエル・オスメント君主演のハートウォーミング・ストーリー。
とても良かったと思います。



トレバー少年は中学一年生。社会科のやけど後のひどいシモネット先生が出した課題は『この世の中を良くするためには何をしたらいいか?』
トレバーは『ペイ・フォワード(人からの好意を次にまわす)』というものを思い付きます。



凄く良い案だと思うけど、それを思いつけたのはトレバー少年の『世界』が特別だったから。行方知れずで帰ってきては母親に暴力をふるう父親、母親は弱くアルコール依存症、祖母もアルコール依存症でホームレス暮らし。素直に育ってるのが不思議ですよ。
彼の『世界をひっくり返す案』に周りは驚いていましたが、彼にとって世界を変えるという事はとても切実な問題だったということだと思います。
そして、幸せな子がメルヘンな心で思い付いた考えじゃなかったからこそ、ムーブメントとして広がったのでしょう。



ラストはちょっと辛いですが、人はこういう子供の事を天使っていうんだなと思いました。がんばったもんね。母親はアルコールをやめるようにがんばったし、シモネット先生もかたくなな心を砕かれた。そして、ちょっとずつだけど人々の心に触れ、それが広がっていった。。



映画の作りは、トレバー少年の生活と、最後に不思議な恩を受けた記者が、どこが発端か遡って話を聞くという2つの流れで構成されていて、その二つが繋がっていきます。とても好きな作りです。



余談ですが、最初のクレジットでジョン・ボンジョビと書いてあったので、音楽かなんかで参加かなーと思っていたら、ジョンは行方知れずの暴力亭主役でした。でも、出番少ない…。それにあんまりこわくない…。
ただ、怒鳴り叫ぶ声が、歌のシャウトと同じで格好良かったです。格好良くてどうする。
キアヌ・リーブスの暴力亭主役と一緒で、暴力亭主みたいな役こそ、誰でもできるものじゃないんだなぁ。って思っちゃいました。
ジョン好きなんですけどね。