透明な風、猫の背中。


こんばんは。菜々子です。


映画フィッシュストーリーを見ました。これは現在DVDレンタルで準新作扱いになっています。
いつものようにネタバレ気にせず書いて行きます。
ただ、これ凄くオススメハートです。








伊坂幸太郎原作のフィッシュストーリー。
『ラッシュライフ』を見た時にひっくりかえった為、これからも遠のいてたんですが(ってか、邦画はなかなか見ません)



これ、本当にアタリハートです。
ゴールデンスランバーよりも好きです。
洋画DVDを字幕と吹き替え2回見るというのは過去にありますが、邦画で3回見たのはこれが初めてです。特になにか謎が残っている訳でもないのですが、音楽が、セリフが、芝居が本当に素晴らしい。




なんてったってコレ。原作はたった66ページの短編なんです。
それに肉付けされ、凄く魅力的な映画に仕上がっています。
普通は原作通りか、勝手に変えてないか(悪い方に変わってる事が多い)、なんて事を気にして見る訳ですけど、この作品に限っては

裏切られた。良い意味で。
株式会社伊坂スタジオで、彼の作品の良い所を理解しているアーティスト達が、総出で大きな作品を作り上げた。そんな感想です。

設定は少々変わっていますが、それも良い。セリフなどはちゃんと使われています。



で。やっぱり良いのは音楽♪
もちろん斉藤和義のしわざなんですけどね。

透明な風、猫の背中。


『僕の孤独が魚イワシだとしたら、そのあまりの巨大さと獰猛さに、鯨でさえ逃げ出すに違いない』
という歌詞のパンク。と言われてちゃんと想像できるでしょうか?


私にはちょっと無理でした。
でも映画では普通に。本当に普通に良い歌としてその歌が完成されていました。



今までの私の中の常識であれば映画の中で使用される、映画の為に作られた『映画のストーリーに関係がある音楽』なんてあんまり良い出来にはならない。という事になっていました。
ほんとごめんなさいなみだ



でも、斉藤和義の才能ですね。それからボーカル(高良健吾)の声も良いのでなんか奇跡みたいです。



また、これは私の好きな『バタフライエフェクト』または『風が吹けば桶屋が儲かる』ものなので、その繋がっていき方も、小説より分かりやすく構成されており、見事です。
小説と映像と音楽の3つが合わさって、最高の結果を出した。どれもひとつだけではここにたどり着けなかった。と思います。




ああ。そうだ。
森山未來。『正義の味方になるべく育てられた青年役』最高にカッコいいです。
彼はダンスもするのですね。だからあんなに動きにキレがあるんでしょう。またていねいな言葉遣いも最高です。前髪はちょい邪魔ですが、ティーンエイジャーから見たら最高のヒーローでしょうね。

『礼なら、父に』カッコいい~。
ちゃんと両親を尊敬できている人って、凄いと思います。


多部 未華子も可愛い。キューピーちゃんみたい。
今まであまり魅力に気がつかなかったんですけど、泣き顔も可愛いし、とぼけた役がいい味出してます。




早すぎたパンクバンドの傑作が、めぐりめぐって世界を救う。
直接に成功を収めなくたって、何がどう繋がっていくかわかりません。
その考え方は私の生きる支えです。
ただ、一生懸命に生きているうちの何かが、のちのち誰かの役に立ち、意味のある事に繋がるのだとしたら、私はこのつまらなくも思える、辛く地味な人生をまだまだがんばろうって思えるのです。