いつも私は神田経由でJRに乗り換え新宿まで出ている。

 

銀座線改札を出て通路を通りJR改札に昇る階段手前の隅っこに

いつもホームレスの男性が座っている。

 

昨日はタバコを吸っていた。

今日はねっころがっていたので少しびっくりした。

 

私はいつも見ることも見ないこともせず通り過ぎる。

マザーテレサはきっとこういう人に声をかけて施しをしていたのだろうと思いながら。

 

マザーテレサのことを本で読んだり映画で観たりした。

その偉大さは文字や映像だけではでわかっていなかったのだと

駅通路に体を折り曲げてただ座っているその男性を見る度に思うのだ。

 

私はその人に声を掛けるどころか目を合わせる勇気もない。

いつも通り過ぎるだけ。

 

山口から進学で横浜に出てきたとき、一番びっくりしたことの一つは、

関内の地下鉄にたくさんのホームレスが寝ていたことだった。

 

私の住む団地のすぐそばを流れる隅田川の河川敷にも

たくさんのブルーシートの屋根が並んでいる。

 

空き缶をいっぱいに詰めた袋をいくつも自転車にくくりつけて走っている人もよく見かける。

 

一見そうは見えないけど、マンガ喫茶などを転々とするホームレスの青年も増えているという。

子どもの貧困、下流老人という言葉もよく耳にするようになった。

 

株などのもうけに沸く人たちがいる一方でなんだろうこの矛盾は。

高額なマンションなどは売れ行きが伸びていると聞く。

お金がある人は高いものを買ってそれを売る人たちももうけが出る。

そこだけみると好景気なのかもしれないけど、一般労働者や貧困層はおいてきぼりだ。

 

物価が上がって消費税が上がって生活は苦しくなるばかり。

一度や二度失敗したり体を崩したりして職や家族や住む場所を失えば

もう一度やり直せるような制度は今の日本にはない。

 

こんな殺伐とした社会、変えなきゃいけないと

駅を通り過ぎ電車に乗って新聞を読みながら思った。

 

今日頑張って明日は休みを取ることにした。

仕事はまたたまってしまうけど、少しは頭を休めないと

鬱憤がたまる一方だ。

 

あと半日。仕事片付けるぞ。