ごじゃっぺなカバン持ち
わが社は新卒全員が一人ずつ私に一日ひっつくカバン持ち研修というのをやっている。
ちなみにカバンは持たない。
ときどきぼーっとお客さん気分で参加するヤツがいるので、今この瞬間も給料もらってることを忘れないように、感想文に何を学んだか書いてもらうことにしている。
先日私も読ませてもらった・・・
。。。。っと、
南場さんは、・・・特に大目標がないから、小目標を置かないと堕落してしまう怠惰な人間だと自己を評していた。(byA氏)
・・・あ、ありがとう、まとめてくれて・・・
南場さんはいつも陽気で・・・(中略)・・・陽気であることは相手との距離を縮めると感じました。○○社の○〇長様は見た目がとても恐ろしく、話す言葉も決して友好的な印象を持ちませんでした。その場で南場さんは「すみません!」と陽気に謝ってしまい、送り出しも陽気に「さようなら!」といった感じでした(byB子)
距離、縮まってないと思う・・・
参加前は、人情もない鬼だと思っていた。しかし、かばん持ち後は人情もあり人として尊敬できる人だった。(byO山K一郎)
尊敬できない鬼の会社に入った君はホントーにえらい。。。
もうちょっとこう、立派な学びはないものだろうか。。。とこの制度の意義を再考し始めたわけだが、その日のカバン持ちはそんな私にリアルタイムで役に立とうと頑張った。
名はY村と言う。
M安と同じ土浦一高ということがわかった。
半日すぎたころ、Y村はおもむろに、茨城でしか通用しない言葉がある、と持ちかけて来た。
「ごじゃっぺ」である。
茨城ではデタラメという意味らしい。
だから南場さん、M安さんが何か言った時に使えますよ、たとえば、「君の言ってることはごじゃっぺだ!」とか、とY村は耳元でささやいた。
へぇ、めずらしく君、役に立つねぇ。なにせ次はハルタとM安とミーティングだからね。
ほくそ笑んだ私達は相手に悟られないように普通の様子でミーティングルームに乗り込んだ。
ゲームの導入件数の話になったときだ。
M安が「南場さんの認識は間違っている、そして前回も間違っていた、つまりずっと勘違いしている」とのたまった。
「えっ、M安さん、この資料見てよ、君の方こそ誤認よ、君の言っていることは、君の言ってることは、・・・ご、ご、ごじゃっぺだ!」
ああ、その資料は、とハルタが普通に話を続ける。そこにM安が再度加担。
ごじゃっぺは普通にスルーされた・・・
私は再度捨て身で「ごじゃっぺだぁっ」と叫んでみた。
そこであわてたY村が割って入り「M安さん、ごじゃっぺって知らないんですか?」
M安「しらねーよ(冷)」
私「Y村は茨城出身なのよ」
M安「北の方じゃねーの?」
Y村「いえ、ぼく、M安さんより少し南です」
M安「うそだろ」
そのあとM安がふっと鼻から空気を出してごじゃっぺは葬られた。
茨城にも南北問題があるらしいとわかった以外は全くなにも得るものがなかった。
カバン持ち制度はいよいよがけっぷちだ。