起業の相棒 | DNA of DeNA

起業の相棒

今年の花粉はひどい。


ずっとずっと前、誰かが「IQの高い人ほど花粉症にかかりやすいらしいよ」と言っているのを小耳に挟んでから密かにまだかまだかと待っていた私にもとうとう花粉症はやって来た。


今年から晴れて話題に参加できるようになり、いろいろ対策話を仕入れた私は、ひどい花粉症の川田とエレベーターで一緒になり、「鼻の奥の粘膜にレーザーをあてて治療すると2-3年大丈夫らしいよ」と言って見た。


すると川田は「いやですよ、そんなの。今の医学で判っていることなんか、カラダの仕組みのほんの一部、超わずかなんですよ。鼻の粘膜だって今僕たちが知っている以上の何か別の役割を担っているかも知れないんだから。」


なるほど、川田さんらしいねぇ。それから私は鼻の粘膜が担っているかもしれない奇想天外な役割について思いをめぐらせ楽しい時間を過ごすことが出来た。まあ長くて3分ほどだけどね。


一緒にDeNAを創業した川田は生命のメカニズムに異様な関心と畏れを抱き、野生が好きで、ハンティングや戦争に詳しい。得意科目はひとことで言うと「血」ということだろうか。そして苦手科目は「エスタブリッシュメント」である。


先週会社のイベントで川田の話をじっくり聞こうと全社員が集まった。


「オレは今日は好きなようにやらせてもらう」と壇上でいきなりビールを飲み始め、「上場企業の役員がこういうこと言っちゃいけないけど、オレはあの時代の金融機関はクソだと思った」で始まったスピーチ。


いやぁー面白かった。久しぶりに笑いすぎで涙が出た。


起業の相棒が川田で良かったなぁと思う点はいくつもある。


まず、私と出来ること、出来ないことが結構違っていて良い補完関係であること。


それから、野生が好きな川田さんの言動によりベンチャー魂が尊敬される社風かできたこと。


さらに、オレをバイパスするな、とかオレは聞いてない、などと言う階層的なケチ臭さとで無縁で、とにかく、とにかく前に進めば良いというすがすがしい人格が会社にべっとり乗り移ったこと。



まあ、いろいろあるけど、イチバンは面白いってことかな。