些細なことだけどねー | DNA of DeNA

些細なことだけどねー

うら若きころの出来事。

仕事が終わってタクシー待ちの列にならんでよっこらと

新聞を取り出して読んでいたら、すぐ後ろの男性が異様に私に

接近して来た。そして露骨に私の前に割り込もうとした。


そういえばこの男、さっきはもっとずっと後ろだった。

こうして一人ずつ追い越してここまで来たわけだ。

許さん。キッと睨み付けたが強引に私の前に出た。


「ちょっとぉ!」と声を出したら男は


「こんな時間に朝刊読んでんじゃねーよ、このうすのろっ!」

と逆に私に怒声を返して来た。


ちゃんと列に並ぶことも出来ないならず者の酔っ払いにまで

アホを見抜かれ、暗くてよかったと思うほど赤面した私は

それ以来、できるだけ朝のうちに日経新聞を読まねばと思って

生きて来ている。


ところが最近はもっぱら家庭内の敵にそれを阻まれている。

私よりずっと加齢が進んでいるのか朝がだんだん早くなる旦那は、

私が朦朧としているうちに朝刊を持って出かけてしまう。


何度か抗議したが、そのたびに2日ほど置いて行くが

長続きしない。


それでいて集金がやって来るときはいつもいない。


社員が結婚の報告に来たときは、とにかく朝刊の件は

よく話し合っておいたほうがいいとアドバイスすることに

している。