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出産後、1ヶ月はしっかり休む。

休むことが仕事。


そう心に決め、自宅に引きこもって はや20日。


うー。仕事が、会社が気になります。

PCでできる仕事は、ちょこちょこしておりますが

出勤やアポイントは、まだゼロの状態。


来月あたまの1ヶ月検診を待ち、

母子ともに太鼓判をもらってから ゆっくり復帰をしようと思います。


そんなひきこもり状態の中、先週、1回だけ子とともに外出しました。

出産した病院での検診です。

(わたしが出産した病院では、任意で産後1週間~10日目あたりに 検診をしてくれるのです。)



病院の帰り路。

マンションの3ブロック前でタクシーを降りました。

久しぶりの街を、少しだけ歩いてみたくなったのです。


スリングに子を包み

気持ちの良い夕焼けの中を、てくてく。

途中、老舗の和菓子屋さんでカステラを買いました。うこっけいの卵のカステラです。


たった2週間の間に、外はすっかり秋になっていました。

キンモクセイの香り、

空は青く高く、葉っぱもいつも間にか、カサカサしていました。
たしか、出産の日は 半袖でも平気だったのに。

そんな、少しだけ物悲しい秋の気配を感じたせいか
わたしまで感傷的になってしまったようです。



マンションまであと200メートルばかりのところで

ふと目にとまった、ベビーカーを押すお母さんと子供の姿。


あたりを見渡すと 同じような親子連れがたくさんいました。


子供はちびっこい赤ちゃんから5歳くらいまでいろいろサイズ。

母親たちは、とくべつ幸せそうでも不幸そうでもなく、

買い物の帰りだったり、お散歩だったり、お迎えだったり。ごく普通に。


ただそれだけです。

ふつうのふつうの景色です。



でも。ふかくにも。

ちょっと泣きました。



わたしは、間もなく仕事に戻ります。

子をシッターさんや保育園に預け、仕事に戻ります。

そこに迷いや不安はありません。

会社が大好きで、大切です。仕事も大好きです。



けれども。

たぶんわたしは、こんな夕暮れの中を

こんなふうにゆったりベビーカーを押して子とともに歩くことは きっとないでしょう。



仕事に戻ることは誇りです。

そういう母でありたいし、子にはそういう父と母を見ていてほしいです。

それがわたしたちだからです。


だからちゃんと、覚えておこうと思います。

世の中には、夕暮れの中をママと毎日お散歩している子供がいることを。

わたしたちは子に、そうすることができないということを。



できないことが、

子にとって「さみしい」と同じにならないように。