「ライ麦畑の歌工場 」 御礼!感謝!報告! 〜 音楽と言葉とビートと出会いの夕べ〜 | イベント 「NAKED SONGS」 blog

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ビートジェレネーションの詩人たちや音楽ライターでミュージシャンの故・下村誠をリスペクトするきっかけではじめた ミュージシャンによるポエトリーリーディング&弾き語り 中心の音楽イベント。その情報を伝えるブログ。



フライヤー写真提供:コヤママサシ | イラスト:磯部舞子





イベント「ライ麦畑の歌工場」
みなさまのおかげで想像以上の素晴らしいイベントになったと思います。
出演者(小山卓治さん、中川五郎さん、磯部舞子さん、黒水伸一さん、天神タケシさん)
及び、関係者のみなさん、撮影をしていただいた小山さん、佐々木さん。
風知空知のスタッフのみなさん、ご来場をいただいたお客さま。
諸事情で参加できなかったけれど気にかけてくださったみなさん。
素人主催者で至らない点が多々あったと思いますが
全ての方々に心から御礼を申し上げます。本当にありがとうございました。





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思い返せば昨年5月に阿佐ヶ谷ハーネスで開催された イベント「NAKED SONGS vol.6 」で中川五郎さんに出演していただいたた時、 小山卓治さんが観に来てくださった事がきっかけになったと思う。ライブ後のアンケートに小山さんと五郎さんのジョイントが観たい!との声があり自分も夢のジョイントライブを観たいという気持ちが芽生えはじめた。
今年の正月に五郎さんと磯部舞子さんが共演するライブがあり、終了後の打ち上げの時に思いつきのようについお二人に小山さん含めて3人でライブやりません?と声をかけてしまった。
自分の中で今回のイベントが実質的に動きはじめのはこの時だったと思う。
もちろん、五郎さんもベチコちゃんも乗り気で「是非、やりましょう!」ということになり、後日、自分が小山さんサイドとコンタクトをとりイベントが具体化していった。みなさんお忙しい方ばかりなのでスケジュールを調整するのは大変で約半年後の9月に開催が決まりました。会場も前から気になっていた風知空知に問い合わせ調整して仮押さえをして、4月くらいには大枠が決まりイベント名も下村さんが90年代にやっていたイベント「ライ麦畑の歌工場」からタイトルを戴く事にした。
OAは当初、漠然と太郎くんにお願いしようかと思っていたのだが、ちょうど、その頃ハーネスで黒水伸一さんのソロライブを観て良かったので、またまた、ついイベントのOAをやってもらえません?と声をかけてしまった。スケジュールが合えばOKと快く引き受けてくださり黒水さんのOAが決まった。磯部舞子さんを除いて3人が初共演という面白いラインナップになった。
フライヤーは当初、磯部舞子さんのイラストでいこうと思っていたが試行錯誤してデザイナーのコヤママサシさんから提供していただいた写真で制作。イベントのビジュアルイメージが先にほしかったので表面を写真、裏面をイラストという豪華なフライヤーになった。(ベチコちゃんにはイラストをお願いするにあたり、いろいろと注文したり、打ち合わせ段階で変更したりとご迷惑をかけてしまったが素晴らしい作品が出来上がってきたのでお願いして良かったと思っています。)



             ★★★


イベント2、3日前まではぐずついた天気だったが、当日は晴れて最高のイベント日和になった。
当日リハも順調に進み、予想よりも早く終わり、開場前にはすでにお客様が並んでいたので
時間より少し早めにお客様をいれることになった。ほぼ時間通りに席は埋まって予定時間の少し前に
主催者の挨拶をする。はじめは挨拶するつもりはなかったのだが、出演者からしたほうがいいという声もあり挨拶することにした。念のために簡単なメモを用意してたのでいつものように頭が真っ白にならずに済んだ。タイミング良いのか悪いのか、この日の午前2時頃にあの法案が採決され成立してしまい、悔しい思いから、ついこのイベントの歌を通して感じたことをきっかけに各々が考え動ければと、その時の気持ちを率直に挨拶に入れてしまった。それから、オープニングを飾っていただく黒水さんを呼び込みイベントのスタート!!



先輩アーティストを前にちょっと緊張気味に見えた黒水さんの1曲目はTRIOの音源第1弾に収録されている「夜が舞い降りて」。4曲と短い時間だったが、ギターとハーモニカの緩急のある演奏でTRIOの時とは違う黒水伸一SOLOの持ち味がよく出ていた。
この時、黒水さんにオープニングを頼んで良かったと思った。


photo by yoko sasaki



そして、メインアクトの小山卓治さん、そして磯部舞子さん(ベチコ)の登場!
1曲目は「夢の島」 何回もライブをやっている二人のユニットはとても安定感がある。
このユニットでのレパートリーのような曲が続く、しかし今回の目玉は新曲だろう・・
小山さんのニューシングルのレコーディングに参加したベチコとライブで一緒に演奏するのは
初めてだと思う「パパの叙事詩」「Kiss」「ばあちゃんごめんね」みな良い曲でみなさん聞き込んでいた。今回来ていただいたお客さまの感想(ライブリポ)の中に タイミング的に「大統領様」が聴けるのではないかという声があったが、実は個人的にリクエストをしていたのだ。良い意味で裏切られたが今回のイベント全体の構成を考えたらベストな選曲だったと思う。パーソナルな家族の歌やラブソングなど五郎さんの歌との対比になったし、このタイミングだからこそ、大切な人への想いを寄せた曲を聴く事で改めて考えさせられる事もあるのだ。名曲「ひまわり」をはさんで・・ 急遽、小山さんのバンドメンバーの(アフロこと?)天神くんがベースで飛び入り参加、「最終電車」で盛り上がり 小山さんは一旦ステージを降りる。


photo by masashi koyama



中川五郎さんの出番。そして再び磯部舞子嬢の登場。
1曲目はバンドの To Tell The Trnth でもよくやっているナンバー
「愛と平和と思いやり (What's So Funny 'Bout) Peace, Love, and Understanding?)」だ。
ちょっと意外だった。ヴァイオリンのベチコちゃんはほとんどどんな曲をやるか
知らされず 「ハラハラドキドキ」でということで当日リハもそんなに時間をかけずに即興に
近い形での演奏になった。五郎さんがベチコちゃんを信頼しての事だと思うし、いい意味での緊張感が素晴らしい演奏に繋がったと思う。個人的には3曲目の「一台のリヤカーが立ち向かう」が聴けて嬉しかった。実はこの曲を生で聴くのは初めてで聴きたいと思っていたのだ。
しかし、未明の法案成立、その直後に五郎さんの歌を聴けるなんてなんというタイミング(空の上で下村さんが仕組んだかと思うくらい)この日の五郎さんの歌は怒りに満ちたものになるんだろうと思っていたのだが、怒りや悔しさというよりもこれからの決意表明的な希望を感じた。もちろん怒りや悔しい気持ちが随所に歌詞の一節を時事的な内容を即興的に替えたり、ギターをかき鳴らしたりというところで見られたのだが・・。


photo by yoko sasaki


五郎さんが小山さんを呼び込み、ベチコちゃんを含めて3人での夢のセッションのはじまり。
小山さんの後輩ぶりもさることながら、少年のようになった笑顔。ほんと楽しそうだ。
実はセッションはお互いの持ち歌を1曲ずつやる予定だったが、五郎さんのメールで自分の持ち歌を3曲あげてきてこの中から1曲やりたいとあったのだが、そこは真面目な小山さん当日にどの曲がきてもいいように準備していたようで、当日のリハでそれならば全部一緒にやりましょうということになり3曲やることになった。
セッション1曲目はディランのカバー「時代は変わる」 五郎さんが何日か前に国会前で歌ったときに歌詞を間違えてしまい悔しい思いをしたらしく、今回は間違えずに3人でやりますと歌いだす。
続いて、元ちとせさんの新しいアルバムの1曲目に取り上げられた「腰まで泥まみれ」を演奏。
何十年も前の歌だけど、まさにいまの歌だと思うし、古さとか感じないのだ。
そして、いよいよ小山さんの持ち歌「種の歌」。五郎さんが良い歌だねぇ と言われていたことが自分のことのように嬉しかった。タイムテーブル上ではこのあたりからアンコールセッションという感じだ・・

ここから、出演者全員での演奏になる。まずはOAを飾ってくれた黒水伸一がハーモニカとコーラスで参加!そして、ベースで飛び入り参加の天神タケシ、5人での演奏は「ミスターボージャングル」
圧巻の演奏だ。イベントタイトルを考えた 下村誠のレパートリーの1曲だったので感慨深い、20数年前 中川五郎 訳のこの歌を下村さんがよく歌っていたのを思い出す。
オールキャスト ラストの曲はやはりこの歌 「 We Shall Overcome」!! 五郎さんのいまの訳で 「大きな壁が崩れる」・・何回も繰り返されるサビの部分を聞いていると あきらめずにみんなで力を合わせれば 大きな壁もいつかは 崩れるんじゃないか・・そう思えた。
村田さんのブログのライブリポートに ブルース・スプリングスティーンとピート・シーガーみたいだ と書いてあったが、まさにその通りだと思う。チューニングにこだわらない五郎さんとチューニングには神経を注ぐ小山さん。タイプが違う物語を歌うソングライターは そう、静のブルース・スプリングスティーン と 動のピート・シーガー ・・そんなイメージだ。(ちなみにSEで流した曲に ブルース・スプリングスティーン&ピート・シーガー の 「Ghost of Tom Joad」を入れた。)

本来なら これで終了だったのだが・・直前にリクエストしていた曲をやってほしくて、再度 五郎さんとベチコちゃんを呼び込み 「ミー・アンド・ボビー・マギー」を演奏してもらった。
最後の五郎さんが「フリーダム!」と叫んでいたのが印象的だった。この曲も下村さんのレパートリーだったのだ。そして、最後に出演者全員を呼び込んでの記念撮影。(かけ声はフリーダム!)少し高揚してどんな挨拶をしたか忘れたけど、楽しくてハッピーな気分だった。イベント終了後、お客さまに 「良かった!」と何人かに声をかけていただいて嬉しかった。本当に良いイベントになったと思う。






Photo by yoko Sasaki


今まで自分が企画したイベントの中で最高の動員になったのは関係者みなさんのおかげです。特に小山さんの事務所の協力があり助かりました。個人的には 「NAKED SONGS」にきてもらっていたお客さまがなかなか集まらず苦戦してて素人主催者の力不足を痛感しました。
しかし、そんな自分に熱いエールをおくってくださったデザイナーのコヤマさんの言葉の「無いから作る」そして、下村さんの 「なりふりかまわずやりたいことをやる」そんな下村イズムに少し近づけたのかな?と思ったりもしてます。当日、撮影していただいたササキヨウコさん。コヤママサシさん。コヤマタクヤさん。3人に撮っていただき幸せなイベントです。感謝の気持ちでいっぱいです。


イベントの功労者は やはりベチコこと磯部舞子さん。フライヤーのイラストから、本番では小山さん、五郎さん、セッションとずっとヴァイオリンを弾き続ける姿はライブを観た人、みなさんが絶賛していました。そして、ブリックストーンのリハ前に観にきてた篠原太郎も彼女のことを誉めていた。打ち上げの時に聞いたのだが実はブリックストーンのドラムのヒコこと大槻敏彦の実家がやっているヴァイオリン教室に通っていたらしい・・後日、ブリックのライブ後にヒコに聞いたら・・小学生の時から知ってるよ! と言っていた。世間は狭いものだ。点と点が繋がり面白い。

今回のイベントで小山さんのファンに五郎さんの歌を聞いてもらいたいという狙いは成功したと思うし、短かったけど黒水さんの歌も聞いてもらって良かった。自分が企画したイベントを通しアーティスト同士のつながりができるのは狙いのひとつだし嬉しいことだ。そして、すぐ連絡をいただき小山さんと黒水さんのジョイントライブが来年に決まったとのこと。11月には小山さんと風ニ吹カレテ のジョイント、10月には五郎さんのバンドのレコ発ライブに篠原太郎がゲストで参加するし ..
イベントを続けてきて良かった。







自分がデザインしたフライヤーに4人の出演者のサインをいただいたレアフライヤー。
部屋に飾ってます。