大切なのはより良いお手本 | 中屋敷左官工業(株)

大切なのはより良いお手本

昨日のブログでも書きましたが、左官技能を教えていく上でとても難しいのが「やり方はひとつではない」ということなんです。

たとえば、訓練校の授業で行われた「Pコン埋めトレーニング」

現場に入ったら新入社員がやる仕事です。

Pコンと呼ばれる穴に、補修材を充填する作業です。
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このPコン埋め、会社によってやり方は様々、職人さんによっても様々です。

でもこのPコン埋めでも「早く、きれいに、エラーがなく」を追究することが大切です。
たかが「Pコン埋め」されど「Pコン埋め」です。

今年の訓練校では、菊地先生の会社を含め5社のやり方がありました。

みんなでそのやり方をシェアし合い「その中で一番早く、きれいに、エラーがなく」埋められる方法を選択しました。
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「あ~こっちの方が絶対に早い!!」なんていう生徒もいましたね~

Pコン埋めトレーニングの架台は、1枚の板に28個の穴が付いています。
この架台を「よ~いどん!」で競争してみれば「どちらの方がより早く、きれいに、エラーがなく埋められるのか?」が、その差がほんのわずかな差でも必ず具体的に結果は現れます。
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昨年の中屋敷左官道場でもそうだったんです。
早いと思われているPコン埋めのやり方が2種類ありました。
去年の新入生がその2種類でやってみると、6人全員が同じやり方の方が20秒程度早いという結果が出たのです。
そしてその時において「一番早くきれいにエラーがなくできる方法」を選択したのです。
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他のやり方が間違っていると言うことではありません。
とりあえずその状況に置いて「一番早くきれいにエラーがなく埋められそう」と思われるものをやってみよう!ということです。

だからもっと早い方法はあるかもしれません。
もっと早い方法が見つかれば訓練校の教えるやり方も即座に変更します。

「技能は進化するんですから!」

訓練校ではどんな作業でも「これはやり方の一つであり絶対ではない」と教えています。

大切なのは「より良い方法を求め続けること」
それに必要なスキルが「モデリング」なのです。

だからこそ訓練校では「できるかぎり良いお手本を」選んで、それを「モデリング」させるという手法をとっているのです。

塗り壁トレーニングを例にとると、「久住章さん」の塗り方をお手本にしてそれを「モデリング」しているわけです。
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毎月行われるフォロー研修では「伝統工法」を学ぶ授業もあるのですが、今月は「洗い出し仕上げ」についてでした。

教科書で学ぶより、実際に施工しているのを見るのが効果的です。
「できるかぎり良いお手本を」ということになるとやはり「荒木富士男さんの洗い出し」です!
こういうときにモデリングDVDが役に立つんですよね~
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左官技能育成において一番大切なのは「良いお手本」だと私は考えています。