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2017-03-22 06:01:00

土壁のいろは その③

テーマ:中屋敷 剛のつぶやき

一昨日のつづき。

さて、下地窓はどんな風に変化していったのでしょう?

ベニヤ板に下地窓のパーツを固定して、下ごすり、付け送り、ちり塗り、中塗りと進んでいくのですが、

土の収縮をあらかじめ想定して、その場所その場所で砂の配合を変えて幾重にも仕上げていくその技術はとてもではありませんが、自分の力で見つけられるはずがないと確信しました。

 

写真ではわかりずらいですが、久住親方が書いてくださった納まり図面です。

 

難しい工法ほど、やはり「モデリング」が一番。

それをうまくできる人のやり方をすべて丸ごと真似てみる。

 

1年生、4年生、20年生の3人に、1人に一台づつ下地窓の架台を与え、その技量に合わせて仕上げも与えていくという久住親方の指導法には脱帽でした。

この日は千夏も藤木君も窓の角ばかりをやっていました。

 

こちらは篠岡君の作品。

コーナーに和紙を貼って角をぴーんと出してあります。

これは見ただけで難しそうですよね〜

同じ下地窓という架台でこれだけ技量の差がある全員が楽しく学べます。

 

久住親方は「親方デスク」に腰掛けて3人の塗り姿を見守り、指導してくださいました。

 

正面からもパチリ。

と〜っても素敵な笑顔です。

 

こうして3人の下地窓が出来上がりました。

1年生の千夏の下地窓はなんと、水ごね仕上げ。

 

4年生の藤木君の下地窓はちょっと長めのすさが配合されている切り返し仕上げ。

でもちょっと失敗作で、藤木君くやしそうでしたね。

 

20年生篠岡君の下地窓は角がぴーんと仕上がった水捏ね仕上げ。

さすが先輩の貫禄というところでしょうか。

篠岡君のもう一枚の作品丸窓バージョン。

京錆び土の引き摺り仕上げ

かっちょいい〜

これは是非どこか住宅や店舗でやりたいですね〜アップ

 

いかんせん各自初めてなので反省点はたくさんありますが、最後までやり遂げた感があって、と~ってもいい研修架台だと思いました。

さらにこの架台の良いところは裏面をもう一度施工できるということです。

つまり「裏面でもう一度復習ができる」ということ。

 

これは今後の研修でも使えるな・・・と。

現在考えている中期プログラムにも取り入れられそうな課題ですね。

 

そして最後に親方の作品をご紹介しましょうビックリマーク

これは過去ブログでもご紹介しましたが、竹中工務店のイベント「土壁の真行草」で久住親方が制作した下地窓。

真の壁

オーラが違いますね。

土壁だけでこんなに緊張感を出せるんです!

 

行の壁

先ほどの角がぴーんとなった緊張感から角に少し丸みをもたせ、壁の表情もすさの柔らかさを表面に出して、全体的にやわらかい感じに仕上げてあります。

 

草の壁

こちらは京錆び土の引き摺り仕上げ。

まさに侘び錆びの世界〜

 

あ〜ったりまえですが、親方の作品は生徒達の作品とはやはり違いますよね〜〜目

 

でも材料の配合から作り方はわかりました。

最高の完成形もわかった。

あとは何の迷いもなく練習あるのみですビックリマーク

 

こうしてあっという間の10日間が終わりました。

たくさんのサンプルも出来上がり、最高の学びをいただきました。

当社の土壁の可能性が大きく広がるきっかけをいただきました。

 

そしてあらためて久住章さんという方のすごさを感じた10日間でした。

最終日は全員でジンギスカンで〆。

久住親方、本当にありがとうございました!

 

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2017-03-20 05:35:00

土壁のいろは その②

テーマ:中屋敷 剛のつぶやき

土壁のいろは、習うのは土のことだけではありません。

左官技能とは「技術」と「材料」と「道具」の組み合わせで成り立っています。

この日はそのなかの「道具」である鏝について。

 

鏝の形はなぜこうなっているのか?

久住親方の話に3名釘付けです。

久住親方はご自分の鏝もたくさん持ってきてくださって、その鏝の一丁一丁にこだわりが詰まっていました。

鏝の一部分を、ほんのわずかコンマ何ミリ削ってあったり、丸めてあったり、そのこだわりと理論に一同唖然・・・

 

今回は事前に京都の中内建材さんよりたくさんの種類の土、苆(すさ)を取り寄せておき、土の種類、すさの種類の組み合わせで、仕上がりがどれほど変わるのかをたくさん教えていただきました。

京聚楽土、浅黄土、稲荷山黄土、京錆土・・・

それにあわせるスサも、ふるいの目を変えて、スサのサイズも何種類にも変えてサンプルが作られました。

同じ土でもスサのサイズ、太さなどを変えるだけで、仕上がりの表情がまったく違うんです。

 

「土壁ってなんと奥深いのでしょう・・・」

 

実は私はこの期間、道場には極力いないようにしたんです。

超一流職人さんとの時間を少しでも集中できるように。

私みたいのがいるとノイズになるだけなので、行っても一日一回15分から30分程度でした。

 

この日は1年生の千夏が90センチ角の見本板に向かって鏝を動かしていました。

その脇で久住親方が厳しい視線でその姿を見ていました。

「あかん! もう一回そこめくって」と珍しく厳しい口調で。

「今日はこの子に水捏ね仕上げをやらせてるんよ」と久住親方。

 

水捏ね仕上げといえば、糊を一切入れない土と細かいスサだけで練られた材料を薄く塗って仕上げるという土壁でもとても難易度が高いといわれる仕上げです。

それをまだ鏝を持って10ヶ月程度の新人の女の子にやらせるとは、これまたびっくり!

 

水捏ね仕上げとは、分厚~い水捏ね用の撫で鏝で仕上げていくのですが、

千夏は親方の水捏ね撫で鏝で塗っていたんですよ~

 

藤木君の話によると「千夏、久住さんにものすごいしごかれてました」と。

「よっぽど千夏は見所があるんだろうな」と私は藤木君に答えました。

 

翌日、道場に見に行って見ると・・・

 

「これ千夏が仕上げたの!!」ポーン

とても一年生が塗ったとは思えない仕上がりに驚きました。

「だいぶよくなったけどな。でもまだまだ中塗りを練習せなあかんわ」と久住親方。

 

久住親方は、ちょっと見ただけでその職人の今の技量だけではなく、将来の可能性まで見抜いてしまうんです。

 

本当に凄いお方です・・・

 

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2017-03-16 06:00:00

土壁のいろは その①

テーマ:中屋敷 剛のつぶやき

当社の企業理念のひとつに、

「左官の伝統技能を継承しながら常に新しいことに挑戦し左官の可能性を広げ、左官の素晴らしさを世の中に広めていくこと」というのがあります。

 

「常に新しいことに挑戦し」というのは、自分の言うのもなんですが、しっかり実行できているかなと。

「伝統技能を継承しながら」という部分は、頑張っていないわけではないが、新しいことに比べたらまだまだかな・・・。

 

というわけで、「伝統工法を強化しよう!!と思い立ちました。

日本の左官の伝統工法といえばやはり「土壁」でしょう。

 

「土壁」と言っても、仕上げは本当にたくさんあります。

荒壁、中塗り仕上げ、切り返し仕上げ、糊土、水捏ね仕上げ、引き摺り仕上げ、掻き落とし仕上げ・・・

そしてそれぞれの仕上げに土の違い、砂の違い、糊の違い、すさの違いの組み合わせが無限にあって、それはまさに料理の世界のように無限の世界です。

 

「土壁」の世界はあまりにも広すぎて、深すぎて・・・いったいどこからどのように学べば良いか、さっぱりわかりません。

 

当社の技能習得のキモは「モデリング」

それを上手く出来る人を見つけて、その人とまったく同じ行動を取るビックリマーク

中でもモデリングで一番大事なのは「モデル」

モデルが一流であればあるほど上達スピードは速く、習熟度は高くなる。

 

となれば私が思いつく「モデル」はあのお方しかいないビックリマーク

「久住章」さんです。

 

そこで今回、久住章親方に「土壁のイロハを教えてください!」と仕事として依頼をして、10日間程、札幌まで来ていただくことになりました。

 

約10日間の「土壁のいろは」研修がスタートしましたビックリマーク

今回の参加メンバーは、40歳篠岡君、22歳藤木君、19歳横井千夏さんの3名。

特に横井さんは昨年5月に入社した1年生です。お願い

 

初日の授業は「土の配合について」でした。

土壁は主に、土と砂と苆(すさ)を水で混ぜて塗られます。

「それらの配合比が変わるとどんなことになるのか?」ということをたくさんの塗りサンプルを作ってお勉強。

 

すさを極端に多くしたり、砂を極端におおくしたり、さまざまな配合で材料を作り、

実際に塗れる限界値というものを確認する作業。

 

土に対して砂を入れすぎるとどうなるのか?

土に対してすさを入れすぎるとどうなるのか?

土という素材の性質を一から学ばせていただきました。

 

1年生の千夏は「見ていただけますか?」と塗り壁トレーニングを久住親方に見ていただきました。

「まだまだやなぁ〜」と親方。

「手首がまだまだ硬い、練習が足りんわ。」とズバッとダメだし。

「今、訓練校でやっている2週間程度の塗り壁トレーニングでは足りん、最低でも一ヶ月はさせた方がええな」とアドバイスをいただきました。

 

そして今回のメインの課題がこちら。

「下地窓」です。

 

ベニヤ下地に竹や葦で作られた下地窓を取り付け、

 

土で下塗りをします。

 

さてさてこの下地窓、どんな仕上がりになるのでしょう〜

お楽しみに〜ニコニコ

 

 

 

 

 

 

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2017-03-14 06:00:00

なぜこんな短期間にこれほどの変化を遂げられたのか?

テーマ:中屋敷 剛のつぶやき

今では採用にはまったく苦労しない会社となりましたが、

ほんの5年前までは、建設業者のみなさんとま〜ったく同じ悩みを抱えておりました。

 

 

こんな会社になったのはたったの5年間のことです。

 

なぜなのか?

6年前に作成した当時の当社の年齢分布表です。

この表が私を突き動かしました。

当時私は44歳。

ピンクでマーキングされているのが60歳以上。

10年後には平均年齢61.62歳。

でもよく見ると、85歳を含め80歳以上が3名・・・働けているはずがない。

70歳代が5名・・・これも微妙。

60歳代が12名で、60歳以上が20名もいる。

10年後、私は54歳。

まだこの仕事で商売しないと自分の生活もままなりません。

6年前、技能者高齢化の危機感はきっと誰よりも強かったんだと思います。

 

だから本気で動きはじめました。

だってなんとかしないと自分の未来がないんだからビックリマーク

上手く行く方法を知っていたかというと・・・もちろんNO!です。

私の周りに「若手の採用と育成」で成功している人は誰もいなかったし・・

 

あれから五年経った今どうなったのかというと、

こうです。

職人数48名、平均年齢42.8歳。

5年前のメンバーは、引退やご病気等で4名がいなくなっています。

5年前、な〜んにもやっていなかったとしたら現在職人数30名でした。

 

5年前の未来予想図を大きく変えることに成功しました。ラブラブ

 

今こうして振り返ってみて、成功する秘訣はたった一つ。

 

「絶対にやるんだ!と決めること」これだけです。

 

最近、多くの方から採用と育成の相談を受けますが必ずこの質問をします。

「もし、来年の今日までに25歳以下の若者を3名採用し、その若者が3年間辞めなかったらあなたにキャッシュで三千万円あげます。」と言われたとして、あなたは今までと同じ行動をとり続けますか?と。

 

今のところ質問した全員が「違います」と言います。

ということは本気で変わろうとは思っていないということなんです。

 

「そんなにもらえるんならそりゃやるけど」って・・・よ〜く考えてみて下さい。

25歳以下の若者3名を採用して、3年間辞めなかったとしたら・・・

会社にどれほどの利益をもたらすのでしょう?

そしてそれ以降、長期的に考えてみてみるとどれほどの利益をもたらすのでしょう?

三千万どころではない金額がもたらされるのではないでしょうか?

分割払いにはなるかもしれませんが、三千万円はもらえるはずです。

 

なぜこんな短期間にこれほどの変化を遂げられたのか?の理由それは・・

私は6年前に、皆さんより一歩早くこのことに気付いただけなんです。

そして「絶対に採用して、育てるんだ!!」と人生を賭けるほどの情熱を持って動きました。メラメラ

たったそれだけの違いなんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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2017-03-13 05:44:36

若者確保、厳しい現状

テーマ:中屋敷 剛のつぶやき

3月2日の北海道建設新聞の記事。

「若者確保、厳しい現状」とあります。

全国中小建設業協会が担い手確保・育成に関する会員企業実体調査の結果をまとめたそうな。

記事によると、新たに若手技能者を採用できた会員会社は3割弱。

さらに若手層や入職してまもない社員の離職も多く「若手確保が困難な状況にある」とし、行政に支援策を求めることを決め・・・とありました。

 

行政に支援策って、どんなことをお願いするのでしょう?

行政にお願いして若手が入ってくるのでしょうか?

 

若手が入ってこない原因が何か外にあるのでしょうか?

若手が辞めていく原因は若手にあるのでしょうか?

 

読んでいくと、離職の主な理由は「本人が職場に不向きと判断」「給与への不満」「人間関係」と書いてある。

 

なんか、私達建設業界はず〜っと同じようなことを言い続けている。

「建設業の魅力をもっとPRしなければならない」

「若手の処遇改善を進めていかなければならない」

 

言い続けているだけでは何一つ変わるわけがない。

 

昨年から「若手の育成についての講師をして欲しい」という依頼があとを絶ちません。

それまでは左官業界が多かったのですが、昨年末あたりからはゼネコンさんからの依頼ばかりです。

建設業界は技能者の高齢化による大量引退、そして若手の入職不足により、いよいよ、もうギリギリ待ったなしのところまで来ているのでしょうね。バツレッド

 

先日は、某大手ゼネコンさんの九州支店にまで呼ばれて講師をさせていただきました。

その会社の九州支店さんは、協力業者で構成されている協力会だけでなく、支店のトップの方が先頭を切って専門工事業者の若手採用の取り組みに熱心だったのにビックリしました。

スーパーゼネコンさんのトップの方が率先して若手技能者の採用に向き合っている。

なので、そこの協力会は若手が毎年増えているとのことでした。

 

この5年間で何かやってきた会社と、何もやってこなかった会社の差が明確に出てきているのを感じています。

 

最近の大手ゼネコンさんの取り組みとして、優良職長やマイスターという認定制度を立ち上げ、それらの職人さんにゼネコンさんから直接お金を支払ったりして、優秀な技能者の囲い込み競争もはじまっていますよね。

 

建設業の現場では、優秀な若手技能者の争奪戦が始まっていて、この争いはこれからますます激化するでしょうね。パンチ!

 

つい先日、現場でうちのベテラン職長と立ち話をしていた時のこと。

「最近現場で、どうしたら若手がそんなに辞めないのかよく聞かれる」と。

 

2010年を思い出します。

「10年後、職人数4割に」

 

そして立ち上げた「10年ビジョン」

あれから7年が経ちました。

 

この5年間でうちの会社は大きく変わりました。

たった5年間です。

私が会社を継いで22年。

でも会社が大きく変わったのはここたった5年間のことです。

 

それまでは当社も今の建設業の悩みとまったく同じ悩みを抱えていました。

私のプレゼンはこんな風にスタートします。

 

なぜこんな短期間にこれほどの変化を遂げられたのか?

 

なぜなのでしょう?

 

つづく・・・

 

 

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