彼らこそ先生 | 中屋敷左官工業(株)

彼らこそ先生

先週の土曜日のこと。
この日は、倉庫で松田悠也くんと新人の山内君、二人で一日塗り壁トレーニングでした。
$中屋敷左官工業(株)-トレ

松田君と言えば昨年末、
「人生を変えたいんです!」と私に申し出てきた入社4年目21歳の若手職人です。

松田君は12月から毎日?(ちょっと抜けている日もありますが)仕事を終えてから塗り壁トレーニングをしています。
あれから4ヶ月ほど経ちましたが、見違えるほどの上達をしています。

やはり努力は絶対に裏切らないですね。

松田君は塗りつけを2分で終えることができるようになりました。
精度もまあまあ。

ビデオが終えたところから荒均しをして、材料を剥がして、練り戻しても、
中屋敷塾生の今年の目標である「1時間に20回の塗り剥がし」は十分にいけるタイムです。

そこで松田君には今日の課題として、「中塗りをきれいに仕上げてみなさい。」という指示を出しました。

左官は「いかに早くきれいに仕上げられるか」を追求していく道です。

「早さ」と「精度」この二つは天秤のようなものです。
この二つをバランスよく高めていくことがとても大切です。

スピードをある程度マスターした松田君には、次に「仕上がりの良さ」を求めました。

ここからがまた新たな難しい世界の入り口なのです。

土の中塗り仕上げを美しく仕上げるのは塗り付けの正確さが求められます。
コテで壁の表面を均一に均す技術が求められます。


松田君も「難しいです・・・」と苦しんでいました。

やっていることは同じことなのに、目標設定をちょっと変えるだけで、一気に難しくなるのがこのトレーニングの素晴らしいところ。

奥深いんだこれが!!

よしよし、その調子。

続いて、こちらは「人生変えるの今からでも間に合いますか!?」と入社してきた29歳の新人君。
$中屋敷左官工業(株)-山
「山内君は、ある程度「型」をおぼえたから、スピードを上げなさい」と。

「1時間に20回ということは、30分では?」

「10回」

「では15分では?」

「5回」

「そう、君は5回の塗り剥がしを15分を目標として頑張りなさい!」と指示を出しました。

ただ、塗っているだけではなかなかタイムが縮まらないのですが、
時間の目標を立てると、おもしろいほどにタイムは縮まるのです。


それも一気に難しい目標ではなく、手の届きそうな目標を提案するといいみたい。

このように、この塗り壁トレーニングは様々な学びに活用できるんです!!
私自身、モデリングに関して、かなりの学びを得たと実感しています。

この学びは、彼らが私に教えてくれたんです。

彼らこそが私が人材育成を学ぶ上での、なによりの先生なのです。