忘れられた9・11と・・・ | 日本の片隅で「バカ!」と叫ぶ

忘れられた9・11と・・・


昨日のこと。点滴を終えロビーに降りてゆくと、いつもはNHKの広告塔のような大画面TVには映画が映っていた。どうやら昼休憩と思しき病院職員の方がチャンネルをかえたようで、その映画は9・11を前にテレビ東京 が企画した映画『ユナイテッド93』だった。映画は既にクライマックスにさしかかり、家族との電話からホワイトハウス への自爆テロ と悟った乗客たちが一致団結。それを阻止すべく、テロリストが占拠する操縦席へ突撃しようという場面だった。既に公開時に観ているのだが、現実の事件だけに乗客に感情移入してしまい、こぶしを握りながら最後まで観てしまった。点滴で満腹状態だったが、砂糖とミルクを増量した自販機のカップコーヒーを飲みながら、「日本ではもう忘れてしまったようですね・・・」と隣席の職員の方と意気投合。あれからもう8年も経っているなんて信じられないが、日本のマスコミでこれを取り上げているところは殆どない。あの惨劇が今日の混沌とした世界状況を招き、今も尚多大なる犠牲者を出し続けている戦争に協力したのは日本も同じだ。当の米国が「あれは間違いだった」と認めているのに、それを認めないところは核密約問題とも同じだ。それなのに、「自衛隊 反対!」を売りにするオバちゃんも入閣が嬉しくて9・11どころじゃないしマスコミも同じ。忘れるのが得意な国民性だが、この国のジャーナリズム も所詮はその程度である。


同時テロ犠牲者の遺族らと連携して「奉仕と追悼の日」指定に尽力してきたNPOの連合組織は、11日に合わせて地域奉仕活動を行い、警察官や消防士ら社会を守る公務員に感謝の意を表するよう国民に要請した。警察官や消防士ら社会を守る公務員という意味では日本でも同じだと思うが、『泥棒御殿』と呼ばれる千葉県庁の不正経理に関わる新事実が次々に露呈する度、同じ公務員ながらこの格差はいったいどこから来るのかと怒ったり呆れたり・・・。森田健作 知事は芝居染みた謝罪を繰り返していたが、これに関してはあなたが悪いわけじゃない。問題は、96%の部署がこれに関わっていたという事に対しどうケジメをつけるのか。また、不正に使い込んだ国民の税金をどのように返還させるのかという事に関して、約束偽装ではなく確約を示すことだ。


話題変わって・・・。東京都江東区のマンションで会社員東城瑠理香さんが殺害された事件で、殺人と死体損壊 などの罪に問われた星島被告の控訴審判決があった。裁判長は遺体を細かく解体して捨てた行為について、「人間の尊厳を無視し、単なる物としか扱わない人倫にもとる犯行で他に類をみないほど残虐」と非難したが、結局は「矯正 の可能性が認められる」を理由に死刑を求めた検察側控訴を棄却した。傍聴していた被害者遺族が気を失うのも無理はない。被害者の冥福を祈ろうにもトイレに流れるほどに細かく砕かれた遺骨数片しか残されない遺族は、間違っても星島という鬼畜の矯正 なんぞ望んじゃいない。被告が事件を起すまでの人生についての情報を私は持ち合わせていないので安易に「死刑だ!」とは言わないが・・・。いずれにしても、遺族にとって「矯正 の可能性が認められる」との裁判長の声は自分達への死刑判決に聞こえたかもしれない。死刑廃止運動「生きている加害者には人権があるが、死んだ被害者には人権はない。大事なのは生きている加害者の未来です。」と公言し批難を浴びたのは、先の選挙で自民党よろしく民主党の悪口をばら撒きながらヨダレを垂らして入閣を決めた福島瑞穂 氏だ。「米軍沖縄基地問題」はともかく「自衛隊 」や「死刑制度 」をはじめ「反対」を商売にしていた時代とは違うのだから、政権に参加した以上はお花畑で絵本の世界に没頭するのではなく現実を把握した上で責任を果たして欲しいものだ。まあ、早ければ来月の参院静岡補選、長くても来年の参院選までのことではあるが・・・。