人間の体の内部が、じつは一枚の膜でおおわれていることを知っていますか?
最近雑誌やテレビなどでよく目にする筋膜とはまさにその膜のことで、健康法として話題の《筋膜リリース》とは、それに着目して、体の不調を改善する方法です。
筋膜は、筋肉の表面や、筋肉の1本1本の繊維、骨や内臓、血管や神経にいたる体のすべての組織をおおい、つないでいます。
わかりやすい例は鶏肉。鶏肉を調理しようとすると、白い薄い膜がありますよね。あれが筋膜です。
筋膜はガーゼのように網目状になっています。それがボディスーツのようにひと続きになって人間の体全身をおおっているのです。
筋膜は体の動きに合わせて柔軟に伸び縮みします。
ところが、日常生活のなかで何気なく行っている動作や悪い姿勢によって、一部の筋膜に負担がかかると、縮こまってしまい、網目がいびつになってしまいます。
また、運動不足で筋肉をまったく使わなくても、筋膜は縮こまります。
そうなると、血液の流れを悪くしたり、体を支える骨格を歪ませたりして、腰痛や肩こりなどの不調を起こします。
筋膜は体をおおう一枚の膜のため、腰に原因があっても首がいたくなる、肩に原因があっても股関節に異常が出るなど、まったく関係がなさそうな部分にまで影響を及ぼすことになります。
その縮こった筋膜をもとの状態に戻すことが、腰痛、肩こりなどといった不調を根本的に改善することにつながります。