夫からの強いアプローチで押し切られるように婚姻届けを出した夫婦。
しかし、夫は浪費がひどく、パチンコ三昧、次第に仕事もせず。。。
妻は貯金と消費者金融からの借金を重ね、脅されながら何とか生活をしていました。
やっとの思いで家を逃げて来ました。
携帯番号を変え、債務整理と離婚を決意。
離婚の調停を申し立てましたが、2回の期日はいずれも夫は不出頭。調停は不調となりました。
呼び出し状は夫へ届いているようでしたが、住んではいない様子でした。
その後、公示送達を予定して、離婚訴訟を提起していたところ、妻の実家住所あてに、夫から手紙が届きました。
「差し入れをしてほしい」と、刑務所からでした。
刑務所の住所地の管轄裁判所へ移送がなされ、第1回期日まで、答弁書も届いていませんでしたが、当日、裁判所へ答弁書が来ていました。「離婚はしたくない。」と。
期日では、証拠調べとして「原告である妻の本人尋問」が行われ、裁判官からも補充の質問があり弁論は終結。
離婚認容の判決が出ました。その後、控訴もなく、判決が確定し、離婚が成立しました。
離婚などの人事訴訟でも被告の行方がわからない場合には、「公示送達」といって、裁判所の掲示板に呼び出し状が掲示され、2週間が経過すると、訴状が被告へ送達されたものとして扱われ、第1回期日が開かれます。
もっとも、身分関係の訴訟ですから、期日において、原告の本人尋問は行われます。