多くのアップライトピアノにはペダルが3本あります。

それぞれの役割はピアノを弾かれる方はご存じだと思いますが、

いったいどんな構造になっているのでしょう?



今日は真ん中のペダルのおはなし。

$Black Penguin



真ん中のペダルはご存じのとおり、踏むと音がこもったように小さくなります。

これは“マフラーペダル”と言って、主に防音が目的となります。

弱音ペダルともよばれますね。



「遅い時間の練習で音があまり出せない」


という時や


「まだうまく弾けない曲なので外に聴こえると恥ずかしい・・・」


という時などによく使われます。




このペダルを踏むとどうして音が小さくなるかというと・・・




普段は“ハンマー”という部品が“弦”を叩いて音が出ますが、


$ピアノのハナシ -ピアノ調律師の日記-
横からの図


マフラーペダルを踏むと弦とハンマーのあいだに“マフラー”というフェルト製のうすい布が降りてきます。

$ピアノのハナシ -ピアノ調律師の日記-



ハンマーがこの布越しに弦を叩くので、音が小さくなるという仕組みです。

$Black Penguin



動画の方がわかりやすいと思いますのでこちらをご覧下さい。



※前半が通常の状態、後半がペダルを踏んだ状態です。



最近は「ハンドマフラー」といって手で操作するものもありますが、基本的に弱音の原理は同じです。



このマフラーペダル、便利なんですが欠点もあります。


まずはピアノ本来の音やニュアンスが出しづらいこと。

布越しに叩いているのでどうしても細かいニュアンスの練習には不向きです。


もう一つは、長期間弱音のまま弾いているとハンマーの形がいびつになってきてしまうということです。

通常でもハンマーは長い間弾かれているとつぶれてきてしまいますが、マフラー越しに叩いているハンマーは、そのつぶれ方が特にいびつになってきてしまいます。



マフラーペダルはあくまで一時的な弱音装置なので使い過ぎに注意です。





中嶋ピアノサービス
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