桜ひとひら | 中嶋ユキノ オフィシャルブログ Powered by Ameba

桜ひとひら

桜ひとひら、舞う季節に離れたあの日。
いくら時が経っても、まるで昨日の事のように、心に蘇る。
今までも、これからも、大切な人に、変わりはないから。



今から、約5年前。

私が、本格的に、シンガーと言う夢に向かって一歩踏み出した年。

その年の秋、出会って1年くらい経ったプロデューサーのSinさんと「来年を代表する桜ソングを作ろう!」と言って作ったのが、この「桜ひとひら」でした。

Sinさんが曲を書いて、私が歌詞を書いて、簡単なデモ出来上がった時に、もうすでに自分の中で「これだ!」って言う曲になってて。

「この曲を、来年の桜ソングとして、沢山の人に聞いて欲しい!」と強く思うようになりました。

先日のUSTREAMでもみんなに話しましたが、
ちょうど同じ頃に、近所の桜並木の中でも、家に一番近い所に、桜の若木が植えられてね。

その時に私は、この小さな桜が春に咲く頃には、この曲を音源にしてみんなに聞いてもらえるといいなと思っていました。

だけど、結局、形にする事ができずに、一年が過ぎていって。

一年後の日記に、こんな事が書いてありました。


桜並木の桜が、満開になった。
街行く人はみんな立ち止まって、写真を撮っていた。
家の一番近くに、去年新しく植えられたソメイヨシノ。
小さな花が、ぽつりぽつりと咲いていた。
誰も写真を撮ろうとしない。
自分も見てもらいたいと思ってるに違いない。
なんか、今の自分と似ていた。



その時から、自分には無理なのかもしれないなって言う、後ろ向きな気持ちとか、
何で私はいつまでも、同じ所で足踏みしているんだろって、悔しい気持ちに、何度も、何度も、なりました。

だけど、周りの仲間や、スタッフ、友達、家族、応援し続けてくれているファンのみなさんに支えられながら、諦めずに唄を続けてこられました。

そして、5年間、ずっと心の中にあったのが、この「桜ひとひら」

最初に作った時と、今も変わらない、曲の持ってる前向きさに、すごく励まされてきました。

実はUSTREAM公開レコーディングに出かける時に一緒に撮った桜が、その5年前に植えられたソメイヨシノなの。

今年は、5年前よりも、沢山の花が咲いたらいいな。

そして、この桜の木に実らせていた5年間の想いが詰まった蕾が、花ひらくといいな。


「桜ひとひら」の歌詞の主人公には、ずっと変わらない大切な人がいます。


離れてしまった時は、悲しくて、切なさしか感じられなかったけど、
何年も経って、色んな人と出会ったり、別れたりを繰り返していく内に、
その人への想いが、大切なものへと変わっていきました。

もし、いつか出会えたら、その時は、あの時と同じように変わらない笑顔で会いたいと思っています。

誰もが持っている景色や記憶が、この「桜ひとひら」と繋がってくれたら、すごく嬉しいです。

この先、10年、20年、唄に対する想いは変わりません。

私のデビュー作となった、この「桜ひとひら」をずっと唄い届けていきたいと思います。


「桜ひとひら」は、今までも、これからも、ずっと変わらない、大切な曲だから。

中嶋ユキノ