デフレ脱却をこれ以上先送りするのはやめよう(中川秀直) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

デフレ脱却をこれ以上先送りするのはやめよう(中川秀直)


野田首相は、「これ以上の先送りはもう許されない」、「先送りする政治との決別が大事だ。政治家としての集大成。やり遂げたい」と述べている。それでは、デフレ脱却をこれ以上先送りするのはやめようではないか。

野田首相は消費増税法案の今国会での成立を期すことを、「先送りする政治との決別」ととらえているようだが、ここが間違っている。「デフレ脱却」こそが「先送りする政治との決別」なのである。

この「失われた20年」でできなかったのはデフレ脱却であって増税ではない。「失われた20年」の最中の1997年に消費税率を引き上げ、それが税収増には失敗した。この増税をきっかけに長期デフレが本格化したのだ。

4日の参院予算委員会で自民党の宮沢洋一議員が、今の経済状況なら増税は可能とする安住財務相の見解について野田首相に問いただしたが、野田首相は4回にわたり、「法案に沿った判断をする」との答弁に終始した。

「今の経済状況」は、「デフレ脱却」を20年間先送りしての今である。

野田首相が答弁を回避した「デフレ下の消費増税の是非」を争点とし、自民党が鮮明な対立軸にすべきときである。そして、デフレ脱却のためにも、日銀法改正案を国会提出しなければならない。

民主党政権がデフレ下で増税をすれば、いずれ政権は崩壊する。しかし、その前に国民生活と日本経済が崩壊する。何としても、デフレ下の増税を阻止しなければならない。

(4月5日記)