与謝野さんの呪縛から抜けるのか?抜けないのか?そこが問題です。 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

与謝野さんの呪縛から抜けるのか?抜けないのか?そこが問題です。

秘書です。

与謝野さんが増税の合意形成のために、民主党の年金の抜本改革案を封印。
この封印が解かれてしまいました。
この際、選挙を恐れず、正直にいきましょう。


年金試算を出せない野田政権“舞台ウラ”
2012.02.03 ZAKZAK 高橋洋一氏
http://www.zakzak.co.jp/society/politics/news/20120203/plt1202030855001-n1.htm

 なんとも間抜けな政治対応だ。政府・民主党は年金抜本改革に伴う財政試算について非公表とすることを決めた。

 これは、1月27日の本コラムで書いたようにもともと岡田克也副総理の勇み足から始まった話だ。どうも、輿石東幹事長が内々の了解をしていたので、岡田副総理も与謝野馨元経財相が慎重に埋め込んだ「最低保障年金」という“封印”を解いて、公明党の要求に応えようとしたようだ。

 もちろん、過去の経緯がなければ、そうした対応もあるだろう。しかし、与謝野氏が自民党時代と民主党時代にガラス細工のように組み立てた「社会保障と税の一体改革」がもろくも崩れようとしている。一律7万円という民主党マニフェストが掲げていた最低保障年金は自民党に受け入れられない。

 与謝野氏は、こうした自民党の内部事情を知り尽くしているので、民主党では、最低保障年金を絶妙に避けながら、一体改革を組み立ててきた。民主党と自民党の接点が「消費税10%」であるので、一体改革といいながら、最低保障年金を組み込まなかったのだ。

 最低保障年金の話が出てきたら、消費税10%の後で検討するというのが、与謝野プランでの模範解答だろう


 しかし、政権運営が未熟な民主党は、この路線をはみ出して、岡田副総理が、最低保障年金に言及し、財政試算もあると言ってしまった。原理主義者の岡田副総理らしい、手痛いミスだ。こうなると、言い出しっぺである輿石幹事長も知らぬ存ぜぬで、責任を岡田副総理に押しつけるだろう。

 政治的には、「試算がある」と一度口にしたらもたない。「党で決めた制度に基づく試算ではない」とかいろいろ言い訳してももう遅い。まずいことに、試算の一部は既に表に出ている。国会では、試算とかは格好の審議材料になる。

 試算は手間も時間もかかる仕事なので、法案を止めたい野党から必ず要求があるものだ。

 私の経験をいうと、郵政国会の時、郵政民営化に関する経営試算を国会審議の前に予め作っておいた。政府として試算をオーソライズしなければいけないので、政府内の郵政民営化委員会での手続きも時間をかけて行った。それでも国会審議の始まる直前に、別の試算も要求された。試算のフレームワークを作ってあったので、比較的短時間で対応できた。

 試算は政治家にとって鬼門だ。中身はわかりにくいが、もし致命的な誤りがあれば、法案は即死になる。予算書で数字に致命的な誤りがあれば、予算審議が吹っ飛ぶのと同じだ。

 野田佳彦首相は公開について「メリットもデメリットもある」とか寝言を言っている。試算を出さなければ国会を乗り切れない。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

→公開性に公共的なデメリットはありえません。政権運営のデメリットは公共的なデメリットではありません。

「民主党は無知だった」与謝野氏…首相も追随
(2011年2月2日07時59分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20110201-OYT1T01094.htm?from=main1

 与謝野経済財政相は1日の衆院予算委員会で、民主党が政権交代前に作った2009年衆院選の政権公約(マニフェスト)の財源捻出策について「民主党は無知だったと言わざるを得ない」と答弁した。


 同党のマニフェストは、各公約の財源について、予算組み替えやムダ削減などで16・8兆円を捻出する方針を掲げたが、与謝野氏は著書などでもこの点を批判していた。

 答弁の直後には、菅首相も「一部は過大に見積もっていたところもある」と追随し、与謝野氏の考え方が首相に影響を与えている様子をうかがわせた。与謝野氏周辺は、「誤った財源論に固執する民主党の呪縛を与謝野氏が解放してあげているのだ」と指摘する。

→抜本改革で大事なのは移行期。移行期に誰かが二重負担しなければならないかもしれない。40年先の話ではありませんよね。しかも、年金では、40年先の話を脅しにつかってきたじゃないですか、みんなで。

衆 - 予算委員会 - 平成23年02月01日

○与謝野国務大臣 同情して物を言えば、知らなかったと、少し厳しく言えば、無知であったと言わざるを得ないぐらいの数字でございます。
 しかし、実際、政権をとれば、金庫の中もわかるわけですから、政策はどんどん現実的になっていく、そういうことはあるわけですから、マニフェストに沿って今までやってきましたから、ここから先の難しい局面をどう乗り切っていくかというのは、菅総理初め民主党に課せられた非常に大きな課題であると私は思っております。

→歴史的政権交代なのに、直前の反対党の政権の中枢にいた人を入閣させたことから、こういう、マニフェスト封印がおきています。

衆 - 内閣委員会 - 平成23年08月03日

○与謝野国務大臣 一体改革の案をよく読んでいただくと、民主党の案もきちんと書いてあります。ただし、そこには注意書きが書いてありまして、年金については、民主党は所得比例年金への一元化と最低保障年金の創設を掲げておりましたけれども、成案では、国民的な合意に向けた議論や環境整備を進め、実現に取り組むということで、まだ環境整備が整っていないと。
 いずれにしても、七万円というのは四十年先の話ですから、まだ時間はあります。

○与謝野国務大臣 今回の案でも、まず一元化については、厚生年金と共済年金の統合はちゃんとスケジュールにのせてやりますので、これは民主党も自民党も公明党も言っておられた案というものをやってまいります。
 それから、民主党の年金案は非常に理想に燃えている案なんですけれども、これをやりますと、消費税の税率等が当初考えたよりもはるかに高くなるという結果もあります
 それからもう一つは、現行制度がありますから、現行制度から新しい制度に移行するのに四十年もかかるという間の、二つの制度が両方存続するという問題もありまして、環境整備というのは、もう少しよく考えてからちゃんとやろうという意味でございます。

→正直に、高い数字を出しましょう。そんなに選挙が怖いのか、といわれないように。