小泉政権で格差拡大?:菅総理、『平成20年所得再分配調査報告書』読みました? | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

小泉政権で格差拡大?:菅総理、『平成20年所得再分配調査報告書』読みました?

秘書です。
衆院予算委員会で武部勤代議士の質問で、2005年の解散後、小泉・竹中路線で格差が拡大した、と興奮して言っていました。
まだ、そんなこと言っているんですか?


総理は、それが事実ではないことを知っているはず。だからこそ、昨年10月の所信表明演説、今年1月の施政方針演説から「格差」という言葉が消えたのではないですか?(しかも、昨年6月の所信表明演説では「格差の拡大が強く意識され」と、事実の問題から意識の問題に転化してましたね)

なぜ菅総理の演説から消えたのか。菅民主党政権下の2010年9月1日の厚生労働省の『平成20年所得再分配調査報告書』で、小泉政権前後で格差が縮小したことが明らかになったからではないですか?


『平成20年所得再分配調査報告書』
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000nmrn-att/2r9852000000nmvb.pdf


■当初初所得で見た所得格差

 1999年=0.4720 → 2002年=0.4983 → 2005年0.5263 → 2008年0.5318

 当初所得の格差拡大は、世帯主の高齢化や世帯の小規模化などの要因と報告書は指摘
  (→これは小泉・竹中路線とは関係ないということではないですか)


■再分配所得でみた所得格差

 1999年=0.3814 → 2002年=0.3812 → 2005年=0.3873 → 2008年0.3758

 再分配所得の格差は縮小
 (→政治において大事なのは再分配所得でしょう。これは小泉・竹中路線で格差が改善したということですね)

■再分配による改善度

 1999年=16.8 → 2002年=23.5 → 2005年=26.4 → 2008年=29.3

 再分配による改善度はむしろ高まっている
 (→これは小泉・竹中路線で再分配による改善度が低くなったということはない、ということですね


菅総理は、この報告書を読んだからこそ、格差を施政方針演説から削除したんじゃないですか?

もしも、小泉・竹中路線で格差拡大したというなら、格差是正を施政方針の政策アジェンダからなぜ消したんですか?