内閣委員会質問参考:中曽根-後藤田時代に学ぶ情報開示と国家戦略 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

内閣委員会質問参考:中曽根-後藤田時代に学ぶ情報開示と国家戦略

秘書です。
中川秀直が衆院内閣委員会で引用した大韓航空機撃墜事件(1983年9月1日)。
中曽根首相-後藤田官房長官から「情報開示と国益」を学びましょう。


■ソ連説明、納得いかぬ 官房長官の記者発表全文
1983年9月6日 読売新聞夕刊

後藤田官房長官の大韓航空機撃墜事件に関する記者発表の全文は次の通り。

一、大韓航空機007便の事故については、政府はすでに、種々の情報を総合した結果として、大韓航空機が、ソ連機のミサイルによる攻撃を受け、1日午前3時38分ごろ、樺太沖、海馬近辺で撃墜されたものとして判断していることを明らかにした。我が国としては、いかなる理由があるにせよ、今回のごとく非武装かつ無抵抗の民間航空機を撃墜することは、人道に反し、国際法に反するのみならず、国際民間航空の安全確保という観点からも、断じて許されず、強く非難されるべきとの立場をソ連側に伝達し、同時にソ連側に真相究明と、我が方の捜索活動への協力方を強く要求してきた。
 しかるに、ソ連側はこれまで大韓航空機がソ連機の攻撃により撃墜されたことを認めようとせず、我が国を含む関係国に対して事実関係に関して、何ら納得のいく説明を行っていず、極めて遺憾とするものである。

二、かかる状況にかんがみ、大韓航空機がソ連機の攻撃により、撃墜されたことを証明する明白な証拠の一部をここに発表する。我が国の自衛隊は、日本時間1日未明、ソ連機が大韓航空機を撃墜した前後に、同機が地上と交わした平文の交信を記録しておいり、このテープには、ソ連機パイロットの次のような交信が含まれている。
(略)
 このテープは、次回開催の国連安保理に、アメリカと共同で提出される予定である。

三、事実は一つしかないのであり、ソ連としては、率直にこの事実を認め、本件事件に対し誠実に対処することを改めて強く求めるものである

(注)(略)

■日米が「交信記録」を公表 大韓航空機事件、米は対ソ制裁措置 大統領発表
1983年9月6日 読売新聞夕刊
 レーガン米大統領は5日午後8時(日本時間6日午前9時)、ソ連軍用機による大韓航空機撃墜事件について全米向けテレビ演説し、ソ連に謝罪と補償を要求すると共に、米国独自及び他国と共同歩調をとっての対ソ報復措置を発表した。この演説にあわせ、後藤田官房長官も緊急記者会見、さる1日未明、ソ連機が大韓航空機を撃墜した前後5分間に、同機が地上と交わした交信記録を公表し、「事実は一つしかない」と、あらためてソ連に事実確認を迫る一方、この交信テープを7日未明(日本時間)開かれる国連安全保障理事会に日米で共同提出することを明らかにした。・・・

■ソ連の態度遺憾
1983年9月6日 読売新聞夕刊
 政府は、6日午前八時半すぎから、後藤田官房長官が緊急記者会見をし、大韓航空機(KAL)機撃墜事件に対するソ連の対応は極めて不満だとして、ソ連軍用機がKAL機を撃墜した事実を示す具体的な証拠として、録音テープの核心部分の内容を公表した。このテープを7日未明(日本時間)開かれる国連安全保障理事会に日米共同提出することも明らかにした。官房長官はまた、今回の公表によっても、ソ連が撃墜の事実を容認しない場合には、「関係国、とくにアメリカと緊密な話し合いをし、国益を踏まえて判断していく」と述べた
 官房長官は、冒頭、ソ連のこれまでの態度を「事実関係に関して、何ら納得のいく説明をせず、極めて遺憾と強く非難、「事実は一つ。ソ連は率直にこの事実を認め、誠実に対処することを改めて強く求める」と、厳しい口調でソ連の態度変更を要求した。
・・・

■国連安保理 流れを変えたテープの公開
1983年9月12日 朝日新聞
【ニューヨーク=久保田特派員】傍聴席まで満員になった国連安保理会場が、一瞬水を打ったように静まり返った。
 6日の緊急安保理での冒頭、真っ赤なスーツを着たカ―クパトリック米国連大使が「米政府は日本政府の協力を得て、いま、世界の前に、その証拠をお見せする」「このテープはどこも削除していません」と断って、自席の後ろに用意されたテレビに目をやった時である。
・・・


→「菅政権の後藤田長官」といわれる仙谷長官ですが、後藤田さんがこのように情報公開で国益を実現していたことこそ、参考に。

なお、委員会質問最後に引用したペンタゴンペーパーズについては下記ブログ参照。



2010-11-09 18:22:26
44分ビデオのどこに国民の知る権利を制限すべき国家機密があるのか。(中川語録)
テーマ:志士の目
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10702044918.html

2010-11-09 23:11:10
ペンタゴンペーパー事件:国民の知る権利と国家機密問題の原点
テーマ:秘書ひしょ
http://ameblo.jp/nakagawahidenao/entry-10702376977.html