9月15日朝の民主党政策ウォッチ(秘書ひしょ) | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

9月15日朝の民主党政策ウォッチ(秘書ひしょ)

■高速道無料化でCO2が3割増=自動車6割増で鉄道離れ-国交省試算
(9月15日2時32分配信 時事通信)
 民主党がマニフェスト(政権公約)に掲げた高速道路の無料化を実施した場合、鉄道など他の公共交通機関に与える影響などを推計した国土交通省の試算が14日、明らかになった。高速道路の無料化で自動車の利用者数が全体的に増え、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)排出量も3割超増加する。一方、鉄道の利用者は10.6%減、航空は4.2%減となり、高速道路無料化の影響を強く懸念する鉄道会社などの主張を裏付ける内容となっている。
 同省は、民主党中心の新政権発足を控え、高速道路無料化実施に向けた課題として影響を試算、新国交相などに説明する方針だ。
 試算は、いずれの交通手段を利用する場合でも、200キロ以上の長距離移動の場合の影響のみを集計。自動車の利用者数は現在より年間57.5%増え、その結果、自動車・鉄道・航空のCO2排出量は33%増加するという。ただ、高速道路の無料化で一般道の渋滞が緩和される結果、逆にCO2が減ると指摘される効果については反映してない。
 民主党は「温室効果ガス排出量を2020年までに1990年比で25%削減する」ことも公約している。今後、高速道路無料化との整合性のほか、同省の試算方法なども議論になりそうだ。

(秘書の眼)「環境にやさしい鉄道」を、民主党はどうするつもりなんでしょう?モーダルシフトという言葉、民主党はご存知でしょうか?

■菅氏の動きに警戒感 新政権で早くも主導権争い
(9月15日1時16分配信 産経新聞)
 鳩山内閣の副総理兼国家戦略局担当相への就任が内定している民主党の菅直人代表代行の動きに警戒感が広がっている。新設される首相直属機関「国家戦略局」は役割が未知数なため菅氏が権限を拡大する可能性があるからだ。菅氏は厚相在任時に薬害エイズ事件で名を上げた「千両役者」。野心家としても知られ、「ポスト鳩山」を視野に入れているとの見方も強い。首相官邸の主導権争いは早くも始まっている。
 「私には何の相談もないの? 相談もないまま決めちゃうの?」
 菅氏は、4日に平野博文党役員室長の官房長官起用が固まった直後、鳩山由紀夫代表に電話でこう迫った。口調は穏やかだったが、不快感を示しているのは明らかだった。党内では「菅氏がポストを求め、猛然と巻き返しに出た」とささやかれ、人事の裏で菅氏が暗躍しているとの見方が広がった。
 民主、社民、国民新3党の連立協議が白熱していた9月上旬、国民新党の亀井静香代表は、国家戦略局担当相就任をマスコミに報じられた菅氏に電話した。
 亀井氏「国家戦略局って何をやるんだ」
 菅氏「よく分かりません。やりたいことはいろいろありますが、これから手探りでやっていくしかないで   すね」
 国家戦略局は、民主党の衆院選マニフェスト(政権公約)で「新時代の国家ビジョンを創り、政治主導で予算の骨格を策定する」と規定されている。
 約20人のメンバーで構成される見通しだが、「国家ビジョン」に外交問題を含むのか、予算の編成作業に関与するのか-など権限ははっきりしない。裏を返せば、国家戦略局の位置づけ次第では、菅氏が絶大な権限を手にする可能性があることを意味する。
 鳩山氏は14日、国家戦略局担当相の役割について「国家の予算の骨格を検討し、特命で行うことがあれば新しい仕事の分担がなされる」と説明した。経済財政担当相と官房長官を兼務し、政府・与党の政策調整を一手に担う重要ポストだ。加えて副総理兼務によって首相官邸5階に執務室を持ち、「影の総理」として振る舞うことも可能だ。
 一方、菅氏は国家戦略局に関する考えは一切外に発信していない。これにより党内の疑心暗鬼は増幅している。
 さっそく菅氏を牽制(けんせい)する動きも出始めた。
 菅氏は国家戦略局で現政権が編成した平成21年度補正予算のムダな事業の執行停止に意欲を燃やしているが、藤井裕久最高顧問は13日、テレビ番組で「最後は新財務相が決めることだ」と強調。外相に内定した岡田克也幹事長も「役所の所掌事項まで国家戦略局で議論することはない」と断言した。官房長官に内定した平野氏も「自分はマスコミの相手だけをすればいいのか」と周囲に不満を漏らしているという。
 猜疑(さいぎ)心はさらなる猜疑心を呼ぶ。官邸の主導権をめぐる争いは政争に発展する可能性もある。
(加納宏幸)

(秘書の眼)政治主導をやろうとすると、「官僚主導勢力」は政治家同士をばらばらにして主導権争いに持ち込んできますから、気をつけてください。法的権限なしに首相指示だけでやっても、このようになって官僚機構は動かないでしょう。法律的には、岡田克也幹事長がいう「役所の所掌事項まで国家戦略局で議論することはない」ということになります。そうすると、予算については、藤井裕久最高顧問がいう「最後は新財務相が決めることだ」ということになるのではないでしょうか。それぞれ正論です。首相指示で政治主導をやとうろしても法的権限の壁があります。この論争、民主党が廃止しようとしている経済財政諮問会議と財務省はじめとする各省との関係に似てます。よく、経済財政諮問会議の歴史を検証されたほうがいいと思います。一定の法的根拠のある経済財政諮問会議を廃止して、法的根拠のない国家戦略局にする。このことは、マクロ経済の観点から財政政策を考える思考の放棄以上に、政治的にも大きな意味を持つことを、民主党はそのうち学習することになるでしょう。

■日本が変わる:最低賃金引き上げ 「800円」攻防必至
(9月15日毎日新聞)
 <世の中ナビ NEWS NAVIGATOR>
 ◇生活改善に期待/会社がつぶれる
 完全失業率が戦後最悪の5・7%(7月)を記録するなど、労働環境の悪化が続く。民主党はマニフェスト(公約)で「ワーキングプアからの脱却を支援する」政策を掲げ、全国で150円以上の格差が存在する最低賃金の引き上げや、製造現場への労働者派遣を原則禁止とする政策の実現を目指す。賃上げによる消費の底上げも狙っており、派遣制度の改正で「労働者の生活安定」を図りたい考えだ。【久田宏、坂井隆之、寺田剛】
 民主党は、全労働者に適用される「全国最低賃金」を800円に引き上げ、景気の状況に配慮しながら全国平均1000円への上積みを目指す。賃金上昇で消費拡大を図り、内需振興に努めることで、輸出に過度に依存する体質を改善することを狙う。小泉改革以来、地域間の格差拡大が指摘されていることにも配慮したものだ。
 実現には課題も多い。09年度の都道府県別最低賃金(時給)は、最も高い東京都が791円と800円を下回る。逆に最も低い佐賀、長崎、宮崎、沖縄の4県は629円にとどまっている。
 最低賃金が631円の山形県で、雇用に関する相談に応じる山形版派遣村実行委員会の勝見忍事務局長は「最低賃金周辺の時給で働いている人の生活が改善する」と民主党の公約を歓迎する。しかし、同県で卸売会社を経営する社長(70)は「今出している賃金がギリギリの水準。国の補助があればともかく、山形では800円は無理」と語る。1次下請け、2次下請けなどすそ野に中小企業が広がる自動車産業。自動車総連の幹部は「経営側から『会社がつぶれるよ』と言われたら、どうするのか」と語る。
 民主党はマニフェストに、最低賃金引き上げのために「財政、金融措置」を実施するとも明記した。最低賃金と実際の賃金の差額を国が補助した場合、2200億円程度の財源が必要と見込む。国会で厚生労働省の特別会計を追及した民主党の山田正彦衆院議員は、特別会計の積立金の活用などにより財源は確保できると話す。
 失業給付や、雇用を維持した企業に給付する雇用調整助成金などを管理する労働保険特別会計は、07年度の1年間だけで約1兆3000億円の剰余金がある。雇用保険料が今年4月から引き下げられたのは、同特別会計の財源に余裕があると判断されたのが背景だ。
 しかし、今春に実施された経済対策で雇用調整助成金の給付が拡大された。「財源は枯渇しつつある」(経済官庁幹部)と言われる。最低賃金の引き上げを民主党政権が実現できるかどうかは特別会計の改革を含めた財源の確保が焦点になる。
 ◇派遣法改正--技能習得で正社員の道/国内産業の空洞化懸念
 製造業派遣や、日雇い派遣の禁止など、労働者派遣法の抜本改正は今月9日の民主、社民、国民新党3党の政策合意にも盛り込まれた。04年に解禁された製造業派遣を多くの企業が採用してきたが、昨年の景気後退では真っ先に契約を解消され、社会問題になったことが背景にある。
 北九州市で派遣・請負を行うワールドインテックの永井宏樹社長室長は「派遣労働者は企業側にとって便利すぎる存在だった」と、規制強化の背景を分析する。派遣先で、人手が足りない現場を転々とするなど、技能を身につけることが難しかった。永井室長は「技能を身につけられる働き方に変われば、正社員への道も開ける」と語り、労働者の側にたった制度改正に期待する。
 製造業向けの派遣・請負を行う企業120社でつくる「日本生産技能労務協会」によると、今年1月に100万人程度だった製造業派遣は、9月現在で30万人程度まで減少した可能性があるという。
 だが、産業界には「製造業派遣を全面的に禁止すると生産拠点の海外移転が進み、産業の空洞化が進む」との懸念も強い。「自動車生産はモデルチェンジで生産に波がある。対応には非正規雇用が必要で、派遣の全面禁止は競争力をそぐ」(自動車総連幹部)と労組内からも異論が出ている。
 ◇英国では消費下支え--山田久・日本総合研究所ビジネス戦略研究センター所長の話
 民主党の政策目的は、最低賃金の引き上げで働く人の生活を向上させ、格差や貧困の問題解決を図ることにある。英国では、ブレア政権が07年までの在任中に約5割引き上げ、消費を下支えした例もある。最低賃金の引き上げは、働き手の生活をよくする側面と、企業のコストアップの両面があるため、企業の生産性を向上させるなどの産業政策とセットで行うべきだ。
 派遣労働は製造業にとって必要だが、労働者が何年も単純作業を強いられて専門技術を体得できないことが問題。(民主党が、禁止対象の例外と認めている)専門職の研修期間として、1、2年の単純作業を認める制度は必要ではないか。

(秘書の眼)地方の中小企業では、最低賃金引き上げで首切りをしなければいけないと真剣に悩んでいる経営者が多くいます。民主党は「円高・金利高」指向があるようですが、このマクロ経済政策の指向と最低賃金引き上げが重なったときに、一体、雇用はどうなるのか。民主党の選挙対策の各個別政策の「合成の誤謬」が心配ですね。経済財政諮問会議を廃止して、マクロ経済全体を誰もみないで選挙対策のミクロの政策を積み上げて大丈夫ですか。自民党は「経済と雇用」を前面に掲げて国民生活を守っていかないと。