(今週の政局の最大の焦点)「自爆解散、万歳突撃・全党玉砕解散」をしてはいけない | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(今週の政局の最大の焦点)「自爆解散、万歳突撃・全党玉砕解散」をしてはいけない


今週の政局の最大の焦点は「総選挙に負ける」解散という自民党史上、未曽有の大義名分なき解散を断行するのか否かである。

内閣支持率と自民党支持率と投票先支持率の3点が低支持率での解散は「自爆解散、万歳突撃の玉砕解散」に等しい。

なぜ、そのようなことをするのか。考えられる理由は、「麻生降ろし」を封ずるために早期解散をする、ということだ。これは個人の問題であり、国家国民、公党たる自民党にとっていかなる大義名分もない。

意思があるのであれば、任期いっぱいまで、政策で実績をあげる。内閣支持率と自民党支持率と投票先支持率の3点セットを改善する。そして、自民党の総裁選を経て、民意を問えばいいではないか。

幹部公務員法を含む公務員制度改革関連法案の今国会での成立、できることからはじめる天下り規制などを行う政権に対して、私は倒閣運動はしない。改革のための仕事をしてもらえる環境づくりに協力する。

しかし、幹部公務員法を含む公務員制度改革関連法案を廃案にして天下り規制もせず、「麻生降ろし」を封ずるための早期解散には、絶対に反対する。「自爆解散、万歳突撃・全党玉砕解散」は絶対に阻止する。

「麻生降ろし」を封ずるためなら公党たる自由民主党の同志が死の屍累々でもかまわない、そんなことは絶対に許されない。

総裁は党のためにあり、党は国民のためにある。

国民が党のためにあり、党は総裁のためにあるのではない。

「いろいろな個人の問題があったから負けたのではなく、増税を打ち出したから負けたのだ」、という環境づくりは、それは一人の政治家の美学としてはいいかもしれないが、公党たる自由民主党の同志を巻き込むべきではない。

私は、いまでも、麻生総理は「名誉ある決断」をしていただけるものと信じている。(6月28日記)


(参照記事)日経新聞「自民役員刷新、瀬戸際の首相」「党内に慎重論相次ぐ」「失敗なら『麻生降ろし』加速」

「麻生太郎首相が自民党役員人事の検討に着手したことに、党内の風圧が強まっている。間近に迫った衆院解散・総選挙を戦うため、注目を集める人材を起用しようという思惑だが、唐突さは否めず、蚊帳の外に置かれた党内からは慎重論が相次いでいる。人事を断行できなければ求心力がさらに低下して、麻生降ろしの動きに火をつけるのは確実で、首相は剣が峰に立たされている。

首相は27日、都内のホテルで自民党の細田博之幹事長と会談した。『人事は首相にお任せする』と伝えた細田氏への首相の答えは『やると言ったことはない。記録もない』だった。首相は7月1日の来年度予算の概算要求基準の決定直後に人事に踏み切ろうとしている。細田幹事長、笹川総務会長、保利耕輔政調会長の交代が焦点で、選挙対策を担う古賀誠選挙対策委員長は留任の方向だ。

『論客』である民主党の岡田克也幹事長と討論する機会が多い幹事長には、各種世論調査などで首相候補として人気が高い舛添要一厚生労働相や、最大派閥である町村派会長の町村信孝前官房長官が取りざたされている。石原伸晃幹事長代理の起用で若返りを図る動きもある。だが、本来は選挙の総責任者である幹事長を、衆院選直前に代えればかなり異例だ。

細田氏の出身派閥の町村派幹部は『選挙前に党役員人事をするとは思えないし、勝手には代えさせない』と細田氏の続投が望ましいとの認識を示した。慎重論の背景には同派の複雑な事情もある。同派代表世話人の中川秀直元幹事長は26日の講演で『自分の政権が終わっても、自民党政権が続くようにすることが名誉ある決断だ』と首相退陣を公然と要求するとともに、党総裁選を前倒しで実施する場合は自ら出馬する可能性を示唆した。2月に会長に復帰した町村氏は当面、中川氏への同調を抑えるなど派内固めを優先したいとの思いも強いとみられる。

首相官邸の根回し不足を指摘する声も少なくない。笹川氏は25日昼、首相官邸を突然訪れ、首相に直談判して人事の有無を確かめようとしたが、言質は得られなかったとされる。『首相は<よろしくお願いします>と言った。代えたければそうは言わない』。笹川氏は翌日、記者団に不満げに語った。

首相側近の大島理森国会対策委員長も『内閣改造とか人事は大変なエネルギーが必要だ。途中で代えるのは国会運営上はあまり好ましくない』と慎重姿勢を示している。首相は平静を装うが党内で『麻生降ろし』のマグマが高まりつつあるなか、人事で失敗すれば、政権崩壊の引き金を引くことになりかねない。『人事でガタガタすれば終わりだ。インパクトのある人事を断行して支持率を上げないといけないのに、なぜ自民党の連中は足を引っ張るのか』。公明党幹部はあきれ顔だ」