(小泉発言)衆院における3分の2議席の意味 | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(小泉発言)衆院における3分の2議席の意味

昨日の小泉元総理の発言は、衆院における3分の2の議席の意味の再確認を求めたものである。すなわち、2005年に郵政民営化の実現を入口とした路線への支持として頂いたものであるということを再確認したものである。

小泉改革以前に戻すために与えられた議席ではない。小泉改革とその先に進む延長線上の政治に与えられた議席である。

党内の一部に、小泉改革以前に戻すべきだという人がいるかもしれない。しかし、今の危機は小泉改革以前に戻っても何の解決にもならない。

日本はいま、100年に一度の経済危機に直面して、自民党が55年の結党以来の危機にあり、小泉構造改革路線が頓挫する危機にあるという3重の危機にある。

この3重の危機を突破するために、リスクをとって最前線に立てるリーダーを、民意は求めている。(2月13日記)


(参照記事)朝日新聞「民営化生みの親、激怒」「小泉氏、首相の郵政発言批判」「自民内驚き・動揺」「『反麻生』再燃も」

「麻生首相の郵政民営化見直し発言に、ついに民営化の生みの親・小泉元首相がかみついた。消費税政局が収束し、攻め手を失いつつあった中川秀直元幹事長ら反麻生勢力も息を吹き返しそうだ。小泉発言を機に『麻生降ろし』に拍車がかかりかねない情勢だ。

『総理が、これから戦おうとしてる人たちに鉄砲を撃ってんじゃないか』。12日夕の自民党本部で開かれた議員連盟『郵政民営化を堅持し推進する集い』の役員会。小泉氏は『(首相に)批判的な意見を述べれば、<後ろから鉄砲撃つな>と抑え込みがある』と指摘したうえで、首相を正面からこう批判し、激しい怒りをぶつけた。

久々の『小泉節』炸裂に、出席した約20人の議員も、あっけにとられた表情だった。小泉氏はさらに、『小泉チルドレン』の小野二郎衆院議員らがブログで首相批判した文書を首相に送りつけ、『こういう意見が耳に入っていないだろうからよーく読んどいてくれ!』と直接電話したエピソードも紹介。『政治に一番大事なのは信頼感。総理の発言を信じられなければ選挙は戦えない』とクギを刺した。

この日は自民党各派の総会でも首相批判が噴出。山崎派の山崎拓会長は『決戦を控えている我々の身を十分お考えいただき慎重に発言していただきたい』と批判した。問題は、小泉氏が首相の郵政発言批判にとどまらず定額給付金に異を唱えたことだ。

小泉氏は『あの時賛成したが実はそうではなかったと言いたくない』と強調。『(民営化に)賛成ではなかったが内閣の一員だから最終的に賛成した』との麻生発言をあてこすった。定額給付金が盛り込まれた第2次補正予算関連法案の衆院再可決をめぐって、『造反政局』がにわかに起こらないとも限らない。首相側近の党幹部も戸惑いを隠せない。『予想以上に郵政発言は影響が大きい。余計な発言でまた問題を抱えた』

同議連に出席した伊藤公介元国土庁長官は会合後、記者団から麻生首相で選挙を戦うかどうか問われ、『わからない。これが第1幕だ。スタートになる』と語った。この日の小泉発言が『麻生降ろし』の引き金となる可能性があるとの受け止めだ。反麻生の議員の1人は、そのタイミングについて『予算成立後だ』と語る。

消費税政局が沈静化し、首相批判の急先鋒だった中川氏の求心力は落ちたが、党内では『反麻生』のマグマがたまり続けている。小泉氏の歯切れのよさとリーダーシップに郷愁を感じる議員も少なくなく、『ポスト麻生』に、政界引退を表明している小泉氏への待望論がなお消えない。

『私の5位より、小泉さんが2位になっているのが興味深い』。小池百合子元防衛相は10日の朝日ニュースターの番組で、『ポスト麻生』をたずねた民放の世論調査で、小泉氏が民主党の小沢代表に次いで2位となったことをわざわざ紹介。若手議員の1人は『こうなったら小泉さんに引退を撤回してもらいたい』。

小泉氏は12日の議連で『私は次の選挙で引退表明している』と強調したが、小泉発言が『ポスト麻生』を探る動きを後押しするのは間違いない。ある閣僚経験者は『予算を成立させ、支持率が上向く兆候がなければ、その時は考えざるを得ない』と漏らす。

一方、首相は12日夜、記者団に小泉発言について『聞いていないので、何ともお答えのしようがない』としたうえで、『私は景気対策、政策をきちんと仕上げて戦えるようにしたい。しかるべき時期に、きちんと政策を立て、野党との違いを明確にしたうえで、選挙をやらねばならんと思っている』と反論。森元首相も12日夜、都内で河村官房長官と会談し、首相を全面的に支える考えを伝えた」