(未来に向けた国づくり国会)「助け合い」「温かさ」でこの苦境を乗り切る | 中川秀直オフィシャルブログ「志士の目」by Ameba

(未来に向けた国づくり国会)「助け合い」「温かさ」でこの苦境を乗り切る

いよいよ、「未来に向けた国づくり国会」がはじまる。


読売新聞社説に書いている、


「衆院選は、自民、民主の2大政党が、政権の座をかけてぶつかり合う選挙になる。自民党は、政権を維持する余力が残っているのか。民主党は、責任を持って政権を担えるのか。これを、有権者から厳しく吟味されることになる。同時に問われるのが、政権を取って何をなすか、である。一体、日本をどんな国にするのか。各党は、国造りの将来構想を具体的に提示しなければならない」


は、正論である。(下記記事参照)



民意は、100年に一度の金融危機による世界同時不況下にあって、起死回生策としての国づくりの将来構想として、21世紀版「ニューディール政策」「ニューディール連合」を求めているからである。


この正月、地元で多くのみなさんと意見交換をした。改めて、民意の危機意識の深さを感じた。


今までの日本の国のかたち、社会構造、産業構造を抜本的に改革しなければ、今の世界同時不況を克服できないのではないかとの歴史的危機意識を、みなさんが持っている。


1929年の世界大恐慌以来のみならず、19世紀の産業革命以来の歴史的大転換期における国造りの将来構想なのである。明治維新以来の中央集権体制としての国のかたち、社会構造、産業構造を抜本的に改革しなければならないのである。


これはもう、既存の国会議員の数合わせや、政権交代という次元の話ではない。


本来であれば、与野党が「救国統一戦線」を持って対処しなければならないほどの歴史的政治課題なのである。しかし、秋までに必ずある解散・総選挙を前に、野党は攻勢を強めるだろう。本来、与野党が泥仕合をしている場合ではないのだが。そんな泥仕合を民意は期待していない。「知恵の競争」に持っていかなければならない。どんなに民主党に挑発されようとも、である。


「環境、コミュニケーション、健康、教育」という『4つのK』分野の未来への投資、未来の投資の前倒しは21世紀版「ニューディール政策」の重要な柱であり、「ニューディール連合」の基盤となるだろう。


その結果、「雇用」も生まれるはずだ。


今日の清和研総会の挨拶でも述べたが、「政府の減税、経営者の雇用維持努力、正規雇用組合の非正規雇用維持への協力」という「3方1両損」の「ワークシェアリング」を行うべきだ。このことは政調会長時代から述べているが、いまこそ、正規と非正規の差のない「職務給」方式にもっていくべきだ。


「職務給」方式導入への最大の抵抗勢力は「若い頃は安月給で働いていたのだから、いま自分が働き以上の高給をもらうのは当然」という人々だ。


その「高給取り」の人たちの抵抗の結果、


「お父さんの高給を維持するために、お母さんのパートと子どもの新規採用が犠牲となる」


という悲劇が家庭の中に生まれはじめている。その末路に、もしもお父さんがリストラされたら、一家は大変なことになる。


だから、ワークシェアリングが必要なのだ。会社におけるワークシェアリングは、家計のワークシェアリングでもある。お父さん、お母さん、成人の子どもたち、みんなが家計を支えあい、助け合う社会にすべきではないか。


日本の良き伝統である「助け合い」「温かさ」でこの苦境を乗り切る、その「助け合い」「温かさ」こそが未来の日本の姿である。家計の助け合い、地域の助け合い、国全体の助け合い、世界の助け合いだ。その国づくりの完成形が憲法改正になる。


そのための21世紀版「ニューディール政策」「ニューディール連合」を打ち立てることが自由民主党としての歴史的責務なのであり、私自身、憂国愛党の精神をもってその責務を果したいと考える。(1月6日記)



(参照記事)読売新聞社説「急変する世界」「国政遂行の枠組みを作れ」「予算を早期に成立させよ」


「世界同時不況の大波が押し寄せている。政治の指導力が、今ほど必要とされている時はない。衆院議員の任期は、今年9月10日で切れる。秋までには、確実に総選挙が行われる。政策を迅速かつ強力に推進できる日本政治の枠組みを、どう構築していくのか。政党も、個々の政治家も、責任の重さを噛みしめ、熟慮して行動すべき時である。


麻生首相は年頭の記者会見で、『急ぐべきは景気対策。予算と関連法案を早急に成立させることが重要で、それまで衆院解散を考えることはない』と強調した。小沢民主党代表は『首相の意図を超え、<主権者の意思を問え>と言う声は大きくなる』と述べ、早期解散を要求している。


『松の内』の5日に召集された通常国会は、衆院解散含みの緊迫した国会になるだろう。政府・与党が、これほど開会を急いだのは、急速な景気の悪化や雇用問題の深刻化に直面し、2008年度第2次補正予算案と09年度予算案を早期に成立させる必要に迫られているからだ。麻生内閣は支持率が急落し、渡辺喜美元行政改革相が自民党離党の動きを見せている。この国会をどう切り抜けられるかどうかが、政権の命運を左右する。


与党は、定額給付金などを盛り込んだ第2次補正予算案と関連法案について、1月中旬に衆院を通過させる日程を描いている。しかし、民主党は、定額給付金の関連部分を削除する修正案を衆院に提出する方針を決めた。参院でも徹底審議を求める構えで、早期成立の目算は立っていない。


定額給付金は、総額約2兆円もの巨費を投じながら、経済効果はあまり期待できない。だが、民主党も、審議をいたずらに引き延ばせば、『生活が第一』という党の選挙スローガンと矛盾してしまうだろう。国会審議が難航し、予算の成立が遅れると、景気の足をさらに引っ張る。与野党は、政局次元の争いを避け、予算の早期成立に向け協力すべきだ。


衆院選は、自民、民主の2大政党が、政権の座をかけてぶつかり合う選挙になる。自民党は、政権を維持する余力が残っているのか。民主党は、責任を持って政権を担えるのか。これを、有権者から厳しく吟味されることになる。


同時に問われるのが、政権を取って何をなすか、である。一体、日本をどんな国にするのか。各党は、国造りの将来構想を具体的に提示しなければならない。少子高齢化で人口減少が進む日本にあって、経済、社会の活力をどう維持していくか。安心できる年金、医療、介護などの社会保障制度をいかに再構築するか。国際社会の安定に、日本はどんな役割を果たし、日本の安全をどう守っていくのか。


与党の定額給付金や民主党の子ども手当などのバラマキ的な政策を競い合うばかりでは、有権者の心をとらえることはできまい。麻生首相が、政府の税制抜本改革の『中期プログラム』に、2011年度からの消費税率引き上げを明記したのは、政権政党としての責任からだろう。


民主党は、最低保障年金の創設や農家への戸別所得補償など07年夏の参院選以来の公約を中心に、総選挙に臨む方針だ。だが、これらの公約を実現するには、20・5兆円もの財源が必要だ。消費税率を引き上げず、行財政改革で本当に捻出できるのか。財源を明確に示すべきだ。


今国会で、各党は、活発に論戦を展開し、総選挙の争点を明確にしてもらいたい。有権者は、衆参ねじれの下で迅速な意思決定ができない政治の現状に、いら立ちを強めている。


総選挙で自民、公明の与党が衆院の過半数を確保し、政権を維持しても、衆参のねじれは残る。加えて、与党は衆院での再可決に必要な『3分の2以上』の議席を失うのは必至だ。となると、参院で野党が反対すれば、国としての意思決定ができない異常な事態に陥ってしまう。


民主党など野党が、総選挙で過半数を獲得すれば、ねじれは一応、解消する。だが、民主党も単独で衆参の過半数を確保することは難しい。政策に違いがある社民党などの協力を得る必要に迫られる。自民、民主のいずれが政権をとろうとも、国政を遅滞なく遂行する枠組みが必要だ。衆参両院で過半数を押さえるために、新たな組み合わせの連立政権や政界再編が避けられないのではないか」