まさ樹、半年後
 
いろいろなことが、あった。
まさ樹は、仕事とえま、大事なものをなにもかも、失った。
彼にはもう、なにもないのだ。
 
 
見事足技を、会得していた。
しかし彼にはもう、なにもかも、どうでもよかった。
流す涙も枯れ果てた彼は、ひっそりと独りで、ただ、ただ、生きていた。
笑うことも、歌うことも、愛することも、もう、なにもない、虚無の世界。
まさ樹は人生の沼に沈殿していた。
 
半年の時間の流れのなかで、
したまつげが非常に発達していた。のびきった長髪は見事な直毛だった。
 
 
 
              しようこ