ASO Rock Festivalの一環として催された太平洋不知火楽団ワンマン@新宿motionでした。
2回の10分前後の休憩を含むとはいえおよそ4時間に渡る長丁場でしたが、終わってみると少しも長い感じがしないのが不思議です。


セットリスト:


柳川下り(SE)


ファーストターン;

三億年(新曲)
そうだ、海え帰ろう!!
新曲(仮タイトル・ジミヘン)
Uminote railway(海の手線)
HAKONE land escape
ピント
IslandのSpirit
KARAOKE SONG


セカンドターン;

通り雨
よいまち
狂気の沙汰(仮)
フルハウス
アンカー
Dancing hell~can't help fallin'~
MOMO
たとえば僕が売れたら
イエローレゲエ~千尋ぬ海~
Wake up Dead boy


サードターン;

サテライトからずっと
SF(B級)
Island Feedback
ATARASI-YOAKE
thee Heart Island
13月(サーティーン)
不知火花火


アンコール;

ヘイヘイマイヨール
新しい夜明けに
Dancing hell(*2回目)


ダブルアンコール;

夏町~oh, my summer town~
たとえば僕が売れたら(*2回目、予定外)



※上記のセットリストは太平洋不知火楽団から直接ご提供いただいた当日のセットリストをほぼそのまま転記し、ダブルアンコールで予定外に演奏された「たとえば僕が売れたら」(2回目)を加えるかたちで作成したものです。

太平洋不知火楽団のメンバーのみなさん、笹口さん、大内さん、津金さん、本当にありがとうございました。





会場に入るとステージの上に置かれた楽器が目に入ります。

ギターが2本、アームのついた改造エスクワイア(テレキャスターの1ピックアップ版)とアームのないテレキャスター。ドラムスはなんと2バスです。まるでヘビメタだ。ベースはいつもの白のプレシジョン・ベースと青か緑(光線の具合でよくわかりませんが多分青)のジャズベース。ギターが2本、ベースが2本、バスドラが2つ。全部2つです。



10分押しで開演。「柳川下り」をSEにメンバー登場。登場の順で言うとまずドラムスの津金さんはサングラス、7分袖の刺青Tシャツ、ダークなワイシャツ。ベースの大内さんはサマソニの時と同じガウンで、エジプト関連の柄がスパンコールで刺繍されているようです。例によって自分の立ち位置まで一っ飛び。ボーカル&ギターの笹口さんはアームなしのテレキャスターを手にします。

笹口さん「あーどうもー」。

ファーストターンの一曲目「三億年」、ダックウォークする笹口さん。

二曲目「そうだ、海え帰ろう!!」サングラスを外すドラムスの津金さん。
終わって「ワンマンへようこそ!」「どうも。次行こう」。笹口さんが津金さんに次の曲へ行くための指示をしますが津金さんから誤りの指摘があったようです。笹口さん「三十曲やるのに三曲目で間違えました」。

三曲目は新曲、「仮タイトル・ジミヘン」、です。「魚の眼をした人々」「夜はこれから」という歌詞が聞こえます。

「三時間やるんで」疲れないようにしてください、疲れないために、サウンドに注文があったら言ってくれるようにとの笹口さんの発言に対して「ちょうどいい!」と客席から返答が。
ギターのチューニングを変えてから「次は久しぶりにやる曲です」と言って四曲目「Uminote railway(海の手線)」、ギターのイントロが「ツァラストラはかく語りき」みたいです。

「東京のHさんからのリクエストです」と言って五曲目「HAKONE land escape」。
終わって「今日は結成して5年間で出来た曲で、やれる曲を全部やるんで」「僕たちも頑張るんで、みなさんも頑張ってください」。

六曲目「ピント」。このあたりから理性が希薄になっていくというか、言いたいことを言うという姿勢があらわになってきたようです。七曲目は「IslandのSprit」。

八曲目「KARAOKE SONG」、前身バンド、女性のギターがいた「さよなら宇宙時代」のころ二千回くらいやった曲と。笹口さんはギターを頭上に掲げて弾きます。六弦が切れたようです。笹口さんが演奏中に弦を切ったのを見たのは初めてでした。
「十分休憩!」。


開幕時と同じく「柳川下り」をSEとしてセカンドターン開始、大内さんはガウンを着替えてきます。今回は京劇の隈どりをあしらったもの。色はファーストターンと同じ白ですが素材が光沢を帯びています。
笹口さん「二部(=セカンドターン)で(今回のライブは)終わりです」「二部は長いので」と言いますが、実はサードターンも、アンコール、ダブルアンコールも控えていたわけです。

セカンドターンの一曲目「通り雨」では津金さんがふたたびサングラスを身につけます。
終わって、ベースをバックにmotionスタッフからの差し入れ、振る舞い酒「森羅万象」を持ってくる笹口さん、自ら口開けを飲んでバーカウンターに振る舞い酒を置きます。「さー酔っぱらって行きましょー。二部は長いですよ」。」先ほどから弾いていたベースのラインはそのままに、レゲエのリズムで二曲目「よいまち」。エフェクターをいじりながら座り込んでギターを弾く笹口さん。ベースの大内さんはパントマイムまたは太極拳のような身振りを続けて三曲目「狂気の沙汰(仮)」、飛び跳ねながらギターを弾いて、勢い余ってつんのめる笹口さん。

チューニングした後で「ちょっとこのギターの音に飽きてきましたか?せっかく持ってきたので使ってみます、二曲くらい」と言って最初からステージ上にセットされてあったアーム付きのエスクワイアにギターを変更します。
「次は東京都練馬区にお住まいのTさん、Kさんからのリクエスト」と言って四曲目「フルハウス」、歌い終わって笹口さん「フルハウスと聞いて明るい曲を予想していた人、すみません」。

続いて再び「さよなら宇宙時代」の曲と言って五曲目「アンカー」、笹口さんがカポタストを使います、「気づいてないの、あいつはやばいよ」「自分のために生きればいいんだ」「誰かのために生きれちゃうんだ」「そしたら笑ってやろうか」という歌詞が印象に残る、スローヘビーな曲です。

「Are you fucking ready?」「次はおなじみのあの曲ですよ」「「この曲を聴きに来たんですよね」「踊ってくださいみなさん」。六曲目「Dancing hell~can't help fallin'~」。「踊れー!」と笹口さん、ギターのストラップを外します。大内さんは逆立ちしたところ背中側から転倒して背中を打ったようで痛くてあまり歩けないという素振りで大丈夫かなと皆が思ったところ具合が悪そうなまま笹口さんに近寄り、笹口さんがアルペジオを弾くギターのボリュームを操作します。七曲目「MOMO」、「いつもの朝に期待は裏切られる」という歌詞があります。終わって笹口さん「今のはMOMOっていう、実家の飼い猫の曲です」。

「あと三曲になりました。三十曲も聴いてないじゃないかというひとはアンコールを」。

10/9発売のCDの話、レコーディングについて「自分で録ってマスタリングを人に頼んだ」「早くだれか録ってほしい」。客席から「ソウゴ!」「Fade!」と声がかかります。ソウゴは笹口さんのお名前(聡吾)、Fadeは笹口さんが着ているTシャツのプリントに大きくFadeと書いてあることからでしょうね。「(CDを)買ってください、買って(自分たちメンバーを)幸せにして、解散させてください。次はそういう曲です」。解散、は笹口さんらしいジョークでしょう。

八曲目「たとえば僕が売れたら」。客席は大合唱。終わって笹口さん「アリアス!」(ありがとうございます、の略)。

九曲目「イエローレゲエ~千尋ぬ海~」、途中でコール&レスポンス、笹口さん「なんと言おうかな」、客席から「Fade!」と声あり、笹口さん「Fade!」、客席「Fade!」、見事なコール&レスポンスです。企画の名前を言おうと言うことで「アソロックフェスティバル!」、新宿モーションでやっているんでやっとこうか、新宿って言っときたいんでと「新宿!」「モーション!」、続いてモーションのスタッフの名前、「お客さん!」、すべて見事にコール&レスポンスになります。

演奏はと言えば、客席で弾く笹口さん、ステージに戻ると大内さんと向かい合って弾きます。

終わって「あー、ラストです。最後。長い間」。

十曲目「Wake up Dead boy」。ギターをひっかくように弾く笹口さん、ベースを背負う大内さん。痙攣してギターに頭突きする笹口さん。大内さんは楽器を床に置きます。セカンドターン終了。

アナウンス「アンコールは五分か十分後です」。



さてサードターンですがライブ会場ではここからがアンコールと認識されていました。開始前のSE、男の声で「太平洋不知火楽団、こいつらマジ鬼」。PVの一部またはその紹介ビデオかなにかのナレーションでしょうか?

大内さんは全身花柄、笹口さんは太平洋不知火楽団のバンドTシャツ。「アンコール疲れている人用にゆったりした曲多いです。隣の人によっかかったりしてください」、サードターン一曲目「サテライトからずっと」。

二曲目「SF(B級)」。大内さんと向かい合って弾く笹口さん。津金さんのドラムスが大活躍です。



サードターンは三人のユニットとしての太平洋不知火楽団の良さが出た曲が多いように感じます。同時に、ドラムスの津金さんの活躍する曲が多いようでもあります。



「みなさんが島国に住んだことがあるなら聴いたことがあるでしょう、島国のフィードバック、和訳すると反響、アイランドフィードバック。こういう音」といってフィードバックの実演をして見せる笹口さん。三曲目「Island Feedback」、この曲もユニットとしての太平洋不知火楽団の良さを示すものでした。

「次、行ってみよー」笑う客席。

四曲目「ATARASI-YOAKE」、五曲目「Suicide hPa」。六曲目「thee Heart Island」が始まると客席から歓声が上がります、「あの虹を見たか」。

「残すところあと二曲となりました」、お約束的に客席から「えー!」、続いて「ダブルアンコール!」の声に応えて笹口さん「あります」、客席大笑い。笹口さん「まだ帰しませんよ。13月、サーティーンって曲です」

、七曲目「13月(サーティーン)」、「13月にぶらさがって」という、自分は余計者だけど何とか生きているという歌詞でしょうか。

「ありあとあんしたー、最後の曲です」「あと二回くらいアンコールありますんで、よろしくお願いします」「夏終わりましたが花火しました?僕、花火大好きなんすよ」。ドリンクを飲む笹口さんに「まむしドリンク飲んでんじゃねーよ!」と声が掛かり客席爆笑、「五本くらい飲んでんですけど」、客席「夜も頑張れよ!」大爆笑、しばし沈黙ののち笹口さん「頑張る」。

「花火しなかったあなたのために」と言って、カウントダウンを客席に要望し「5、4、3、2、1」。サマソニでも演奏された曲、サードターンの八曲目「不知火花火」、「いつかの不知火花火」、歌いながらこしかたを思いやっているのでしょうか。

「僕たち五年やってきたんですけど、初めてのワンマンということで」「今日はもう打ち上げ、やんない!」ここまでずっと弾きながら踊り続けていたベースの大内さんもさすがに疲れたかなという身振りで打ち上げやらないという方針に同意の様子を見せます。笹口さん、あるバンドのライブを見たときに「トリのバンドは終電までやればよいのにと思った」、終わった後うだうだしないのが好きということでしょうか。うだうだするのが好きなときもある、との発言もあり。



アンコール。

すぐに出てくる笹口さん、津金さん。「大内君が着替えなんでしばしお待ちを」「ぶっちゃけ言うとあと四曲なんですけど」実際には五曲になったわけですが。

ツーバスになっているドラムセットを指し「今日はドラムが違うんですけど」、客席「ゴイスー!」、笹口さん「すごいですね」。

CDと特典のしおりの話。客席から見えないようにそのしおりを開いて見ながら「僕だけみてるんですけど」ヌードでも載っているかのようなやりとりが客席との間にあります。客席から「はい、チーズ」、CDとしおりをもってポーズの笹口さん。

PVが完成した話、渋谷の巨大モニターで一時間に一回流れる、ツイッターなどでモニターに映ったところを流したらいろいろと安くすると話すと客席から「なう、しちゃうよ!」。

大内さんが登場、真っ赤な生地に後ろと前とに大きくバタフライの模様の入ったガウン。客席大うけ。

笹口さん、今日限定(?)の復刻CDの話、「レア音源の再発。オークションで高値で売りさばいてもらえるようになったらすごいですね」。「毎日のようにライブやってるんで、フツーのライブに来てください、明日も明後日も弾き語りやってます」「アンコール三曲と、(ダブル)アンコール一曲やって、終わりです」。

アンコール一曲目「ヘイヘイマイヨール」、「かなり出来が心配なんで」という笹口さんの言葉通り、最初のギターとベースのアンサンブルがうまくいかず途中で止まってしまいます。チューニングしろと身振りで示す大内さん、チューニングする笹口さん。

ここで、大内さんの靴下とガウンの下からのぞくパンツの裾が右足緑、左足黒であることを発見、その真相はまもなく明らかになりました。

冒頭のアンサンブルを乗り越えドラムスが入りノリ出すサウンド。終わって「ごめんなさーい」「ちょっとまあ、いつも大学生レベルの演奏なんですけど、いまのは中学生レベルの演奏でした」。

「夜明けまでやるんですけど、もうやらないんですけど」と言ってふたたびギター、ベースのアンサンブルに続いてアンコール二曲目「新しい夜明けに」。カポタストを使う笹口さん。

終わって「最後におなじみの曲を」、チューニングしなおす笹口さん、大内さんがガウンを脱ぐと仮面ライダーのコスプレであったことが判明します。右半身は緑、左半身は黒。真中に白い線が上下に走ります。どうも手製のようです。仮面は夜店で売っているセルロイド製のようなものを掛けます。

「ありがとうございました。踊って帰って」。

アンコール三曲目「Dancing hell」今日二回目です。

笹口さんダイブ。「踊れー!」。大内さんはベースごとダイブします。客席は大ノリです。

終わって「この曲ばかりアレされますけどウチ、静か(なバンド)なんです」。




ダブルアンコール。

客席から「ツーバス!」「ヨシキ!」などと津金さんに声が掛かります。

「ウチのリズム隊がコーラスやります」「メンバー紹介しようかな、仮面ライダー、ヤクザみたいなツーバス、わたしは笹口」。

ダブルアンコール一曲目「夏町~oh, my summer town~」。

演奏前に「みなさん、ゆっくりめで。これでね、三〇曲目です。いいですか、発声練習は」、エレキギター、ベース、ドラムスで「夏町」を聴くのは初めてかな。客席は自発的に手拍子と合唱。「オー、マイサマータイム」と歌う笹口さんを見ながら、バンドでやったこの五年間が笹口さんにとっての「サマータイム」だったりするのかなと思ったりしました。

演奏終わって「三か月連続企画、motion、Marz、たくさんやってくれてありがとう」。

ここで笹口さん、「「たとえば僕が売れたら」もう一回やっていいですか?」「「たとえば」と「Dancing hellは今後二度とやらないんで」、客席の反応に応えて「多分やると思います」。

ダブルアンコール二曲目、本日のオーラス、予定外の「たとえば僕が売れたら」、客席にダイブする笹口さん。

終わって「ありがとう、担いでくれたひと」、ギターをステージにおいて笹口さん退場、もういちど出てきて終幕です。
SEのDancing hellに喜んで踊り狂う観客を横目に退場いたしました。


のべ四時間、長かったけれど、太平洋不知火楽団にとっての五年間の長さを疑似体験できた時間だったのかもしれません。
太平洋不知火楽団のみなさん、お疲れ様。
そして、いままでやり続けてくれて、ありがとうございました。