本日行われた、常任委員会引き続いては、一般質問について報告をします。今回の振興環境委員会(環境関係)の一般質問では、1、食品廃棄物不正転売の問題。2、海上の森に隣接する民有林が無許可伐採されて、太陽光発電施設が建設された問題。 この二つの問題で質問をしました。


 最初に、太陽光発電施設建設の問題について質問をしました。質問内容を掲載します。


↓↓↓


 

繰り返し報道されていますように、愛知万博会場跡地の「海上の森」(瀬戸市)に隣接する民有林が無許可で伐採され、太陽光発電施設が建設され大量のソーラーパネルが設置されました。

13日の朝日新聞では、「太陽光施設、遺跡も破壊」という見出しの記事が掲載され、「一帯は文化財保護法上の『埋蔵文化財包蔵地』だが、開発に必要な建教育委員会の届け出もされていなかった」との報道もされています。


 

 海上の森は愛知万博の跡地です。万博は環境万博といって開催されました。その環境万博開催跡地の隣にある民有林が伐採されたことは、環境を破壊するものです。環境を守り抜くというスローガンは環境万博が終わってしまえば、それで終わりなのでしょうか。

 ソーラーパネル自体は、再生エネルギーである太陽光発電に必要なものですが、その設置のために自然を破壊することは許されません。しかも、環境万博を行った愛知県が、自然環境を守ることに全力を挙げることは当然です。また、その愛知万博の跡地が環境万博のシンボルとなった当時の経緯からみても、環境万博跡地全体の自然環境の保全は極めて重要な県政のテーマであると考えます。

この点について県としての基本認識を伺います。



 

 太陽光パネルが無断設置されたのは、環境万博が行われた海上の森に隣接する民有林です。無断伐採による太陽光パネル設置は自然環境破壊するものです。

しかし、愛知県の環境影響評価の対象は75ヘクタールとなっています。今回のような小さい規模のものは、環境影響評価の対象にはなっていません。さらに、ソーラーパネル設置に関して、規制も環境影響評価の対象にもなっていません。これでは、いくらでも、どこにでもソーラーパネルが設置できるやりたい放題ということになってしまいます。


規制や、アセスが行われていない中で、どんどんと県内にも太陽光パネルができています。太陽光発電整備のための農地転用が進み県内では、1285件で、農地転用が行われるという異常な事態になっています。

自然エネルギーの普及促進は必要なことですが、太陽光発電計画は、その設置場所によっては、近隣住民の安全や自然環境に悪影響を及ぼしたり、景観を損ねたりとさまざまな問題が起こる可能性を含んでいます。県は、ソーラーパネルの設置に関してどのような問題があるか実態調査をしているでしょうか?おたずねします。また、県内の、ソーラーパネル設置件数を県として把握していますか?答弁を求めます。


ソーラーパネルの設置による問題としては、一般的には、景観の破壊、パネルの反射する光による光害、自然環境改変や破壊、土砂崩れなどの問題があります。

例えば、太陽光パネルの設置件数が増加している田原市では、259号線や、42号線沿いに太陽光パネルが多く設置されて地元の住民のみなさんから「観光のまちなのに、観光が阻害される」と声があがり、景観保全の面で重大な問題が浮上して、「太陽光発電ガイドライン」を策定するよう、市議会が市に要請をするという事態になっています。

また、豊川市ではソーラーパネルの設置により、反射光による自動車運転への影響や、家の中の温度上昇など、数々の相談が寄せられているといいます。景観を守り、環境を守るという点から、野放しでなくきちんと規制の網をはることが必要だと考えます。

県としては、長野県では、自然環境を守りながら、再生可能エネルギーの導入量を拡大するために「長野県環境影響評価条例」を今年1月13日に改正して、その中には太陽光による発電設備に環境影響評価の手続きを義務付け、いますでに事業の環境影響評価を実施しています。

そこで、愛知県もこのようにしっかり規制する立場に立って、きちんと行政指導ができる対象になるような規制の仕組みを確立したり、環境影響評価の適用対象の中に、ソーラーパネルを入れるべきではないでしょうか?答弁を求めます。

山林をソーラーパネル設置のために開発を行うことによって、景観の阻害や、土石流災害などの危険が危惧されます。

県政は、住民の命と安全を守ることこそが最優先であり、そのためにも開発におけるルール作りが必要だと考えます。再生エネルギーならどのような形態でも歓迎というのではなく、それぞれの条件にみあった開発利用が必要です。

 また、さきほども申し上げましたとおり、太陽光パネルが無断設置されたのは、環境万博が行われた海上の森に隣接する民有林です。無断伐採太陽光パネル設置は環境破壊するものです。あってはならないことです。

環境アセスメントの対象にソーラーパネルを加えることやルール作りをして、二度と同じことが起こらないように、また住環境が壊されることがないよう、環境を守る県の立場からしっかり取り組んでいくよう要望して質問とします。


・・・・・・・・・・・

こういった、内容で質問をしていきました。自然環境の保全については「自然環境は将来にわたって保全し活用していくもの。特にすぐれた地域については保全指定環境地域にしていく。自然環境を保全することは重要です。」と答弁をしました。

2点目の、ソーラーパネルの設置に関して起こっている問題の実態把握や、ソーラーパネルの設置件数については、驚きの答弁で、「実態把握は行っていません。」と答弁をしました!!また、ソーラーパネルの設置数についても、県としては一切把握しておらず、答弁の中で、自然環境エネルギー庁が出している調査データーを紹介していました。

県内で、ソーラーパネルに関する問題があちこちで起きているのに、それで市は困っているところもあったり、独自にガイドラインを策定するよう市議会が市に要請したりしているのに、こういった状況や、問題に目を向けない愛知県です。


 ソーラーパネルを環境影響評価の対象にするよう提案をしましたが、このことについても、「太陽光パネルは、排気ガスや騒音といった大きな影響はない。比較的環境へ大きく影響を与えることは想定されない。県として、ソーラーパネルを環境影響評価の対象にするという考えは一切ありません。」という冷たい答弁をしました。


 田原や、豊川の例を紹介して住環境や景観に太陽光パネル設置により問題が起こっていると紹介したのに、そういう答弁しか返ってきませんでした。


 私は、今回この太陽光パネルの問題が起こって、質問を作成する中で初めて太陽光パネル設置で、いろんな問題が起こっていることを知りました。自然エネルギーの普及は大事なことですが、ルールを作っていくことが必要だということもよくわかりました。

長野県で、環境影響評価の対象としているように、愛知県でも、問題の実態把握や設置数をつかんで環境影響評価の対象とするように引き続き求めていきたいと思います。