愛知県議会定例9月議会が開会中です。9月30日に、二度目となる本会議場での一般質問をしました。





(本来であれば、毎議会ごとに一般質問ができるというのが普通ですが、、愛知県議会は少数会派は、毎議会質問できないのです。なので、日本共産党県議団は、残念ながら、年に2回しか一般質問ができません。共産党は二人なので、一人年に一回の貴重な一般質問です。)










 


今回、一般質問で取り上げたテーマは・・・





1、若者支援について


 (1) 大学の学費、奨学金の問題について


 (2) 最低賃金の問題について





2、労働問題


 (1) 長時間労働の問題について





3、東三河に関わる重要問題


 (1) 愛知の農業を壊すTPP交渉からの撤退について


 (2) 東三河の医療に関わる、いわゆる「地域医療構想」について





4、アジア競技大会について





・・という、盛りだくさんのテーマで質問をしていきました。





 まず、若者支援について質問しました。若者支援の一つ目、大学の学費と奨学金についてです。





 奨学金の本題に入る前に、日本の異常に高い学費について指摘をしました。高すぎる上に、財務省が今後大学の運営交付金を削減して「自己収入で賄うように」と提案していて、大学の自己収入の主力は学生から集める学費であることから、さらなる学費の値上げが懸念される、毎年値上げが行われたら15年後には40万円増になる可能性もあると問題点を述べました。


 


 しかし、交付金を毎年1.5%160億円ずつ増やせば、学費を10年後には半額に引き下げることができるという私達日本共産党の考え、提案を示しました。


 


 そこで、知事に日本の学費が異常に高いという認識があるのか、学費そのものを引き下げていく提案についてどう考えるのか、基本的な認識を聞きました。





 県当局は、「OECD(経済協力開発機構)の調査によれば、日本の国公立大学等の授業料は高いグループに分類されていると承知しているが、国の事情の中で決められているものと認識している。


 また、国公立大学の授業料について、文部科学省では、従来から教育の機会均等の理念を踏まえながら、社会的情勢等を勘案して改定を行ってきている。」という趣旨の答弁をしました。





 全く私の質問に対する答弁にはなっていませんでした。愛知県としての考えを聞いているのに、一言も県としての考えや高い学費が「異常」だとも言えずに、国の政策をだらだら述べるという、情けない答弁だと思いました。





 次に、学費の引き下げと同時に必要なのが、奨学金改革だと質問をしました。


 


 日本は高い学費に加えて、給付制奨学金もないという世界から見てもまれな特異な国になっています。


 そして、昨年11月のOECDの教育に関する調査で日本は「授業料が高額で学生支援体制が比較的未整備の国々」に分類されたことを質問の中で紹介しました。


 


 そのため、日本の学生は「奨学金」という名の借金を背負わされて、卒業時に300万円が普通になり、大学院までいけば1000万円もの借金を背負ってしまうというケースも増えていることもお話しました。


また、共産党愛知県委員会が奨学金の実態調査をして借金の返済が大変と感じている方が7割もいるというこも話しました。さらに、奨学金に対する若者からの不安の声があがっていることも強調しました。


 


 そこで、若者がお金の心配なく学べる環境をつくるために、県独自の奨学金給付制度の創設や、減免、無利子など返済支援制度を創設するべきと質問をしました。





 県当局は「県としては、国に対して、奨学金制度の充実・強化が図られるよう要請していて、今後とも国の検討状況を見守る」という趣旨の答弁をしました。県としての考えは全くなく、国の状況を見守るだけでやる気がないという態度です。向いているのは、県内の若者の方ではなく、国の方です。








 若者支援の二つ目に、最低賃金についての質問をしました。


 日本の若者は、働いても、働いても貧困で苦しいという、その根本にあるのは賃金の絶対的な低さです。


 日本共産党愛知県委員会は、若い世代の働く実態調査をおこないました。その中で、二人に一人が400万円以下で生活していることがわかりました。アンケートに寄せられた声の中にも「給料が低い」「労働に見合わない給料に希望をなくしていく」など、たくさんの声が寄せられました。


 


 私達日本共産党は、中小企業の社会保険料減免や賃金助成など、抜本的に中小企業支援を強化することを大前提にして、最低賃金を今すぐ1000円に引き上げ、さらに全国どこでも1500園を目指して、愛知の若者が苦しまなくてもいい社会を作ることが大切と、こちらの考えと提案を述べて、県として国に対して最低賃金の大幅な引き上げを求めるべきと質問をしました。





 県当局は「最低賃金の底上げが大事。」という趣旨の答弁をしました。この答弁を今後の足掛かりにしたいと思いました。ただ、国に対して求めます・・とは言いませんでした。


「最低賃金25円引き上げは、最大です。」という趣旨の答弁もされましたが、全然足りません。「底上げが大事」だと言われたので、最低賃金1000円に、引き続き求めていきます。





 長時間労働について、質問をしました。





 今年の2月に昨年度厚生労働省が行った「過重労働キャンペーン」の重点監督を行い、愛知労働局が東海地区で実施した調査結果を発表しました。そして、愛知県では、158事業所で、100時間を超える違法な時間外労働があることがわかり、過労死ラインを越えて長時間労働が横行していることがわかります。


 


 日本は36協定を結べば、残業を命じることができます。限度基準もありますが、「特別条項」というものがあり、青天井になっています。


 私達日本共産党の志位和夫衆議院議員が国会で、長時間労働の実態を告発して、トヨタ自動車が、厚労省が過労死ラインと呼ぶ80時間の残業を36協定で認めていることが明らかになりました。


他にも、NTT東日本や、王子製紙など大企業が率先して、長時間過密労働を行っていることも明らかになりました。


 


 労働者を過労死ラインを越えて長時間労働させている実態は異常だと指摘をして、そこで、労働環境改善のために大企業に対して、知事が長時間労働をやめるように申し入れることや、人間らしい労働環境をつくるキャンペーンを愛知県として積極的に行うべきではないかと質問しました。




 県当局は「違法な長時間労働は、過労死につながる恐れがある。優秀な人材を失わないために、是正は重要な課題と認識。長時間労働防止の取り組みをいろいろやっています。」という趣旨の答弁がありました。「違法な長時間労働の是正は重要な課題」という答弁が聞けたのはよかったと思いました。そういう認識があるということがわかりました。大企業が多い愛知県が積極的に行動をどう起こすことが大事です。知事が大企業に申し入れを行うことを切に願います。




 東三河に関わる重要問題として、TPP問題と病院のベッド削減!?いわゆる地域医療構想について質問しました。





 愛知県の農業を壊すTPP交渉からの撤退について質問をしました。





 安倍政権は、今まさに開会されて議論が始まっている臨時国会でTPP協定批准案など、国会承認を狙っています。





 私は、豊橋や田原の農民連の方からTPPに対する不安の声をきいて、質問の中でもそのことを紹介しました。「関税撤廃されたら大きな打撃を受ける」「畜産農家はTPPを見据えて自分たちの代でやめると言っている。」など、話を聞きました。また、食の安全についてもちゃんと守られるのかと不安の声が上がっています。


 愛知の農業を壊して、食の安全や命を脅かすという百害あって一利なしのTPP協定交渉からは撤退しかないと考えます。





 そこで、質問で、愛知県知事として、東三河を含めて県内農業全体を守る立場に立って、TPP協定の批准断念、撤退すべきと、国に対していうべきではないかと質問しました。




 県当局は、「愛知県は、産業県、経済県。TPPにしっかり対処していく。」という趣旨の答弁でした。「畜産分野への影響は懸念している。万全の措置を国に求める。」という趣旨の答弁をしました。愛知県も畜産に対する影響は否定できなくなりました。畜産への影響を懸念するならTPPに反対するべきです。




 また、TPPによる農業つぶしではなく、農業を次の世代に安心して手渡すために、若者が安心して農業に励め、暮らせる条件を抜本的に整える農業政策に転換すべきと考えますが、知事の考えをお聞かせください。との質問に県当局は、「攻めの農林水産業にしていく。競争力の高い農業に。」というようなことをこたえていました。豊橋や東三河の農業は、競争とか、攻めのとかそういうことではなく、若者が安心して農業に取り組めるようにするべきです。





 東三河の医療に大きく関わる、いわゆる「地域医療構想」について質問しました。




 地域医療構想は、国から都道府県に対して、策定が求められているものです。愛知県も地域医療構想(案)が発表されて、パブリックコメントが行われました。これは、国が医療費の削減を最大の目的とし、病床の機能を4つに分けて、ベッド数の削減で患者を病院から施設へ、施設から在宅へとどんどん締め出していく方針をすすめるものです。


 東三河南部では、特にベッド削減数が酷く、影響が大きい地域です。今現在のベッド数6605床で、平成37年の“必要なベッド数”を5214床として、全体で1391床のベッドが削減されることが構想の中で示されています。




 地域医療構想では、長期にわたる入院の「慢性期」を減らして、在宅にとしています。しかし、その実態は、一人暮らし、老々世帯が多く、若い家族がいても仕事をしているとか、看護の知識も経験もない家族には、24時間、病人の世話をするのは肉体的にも精神的にも大きな負担です。




 この問題について二点質問をしました。一点目は、知事は医療構想についてどう認識しているのか。国言いなりの強権的な病床数削減、患者追い出しをねらった制度は中止・撤回し、必要な医療体制の維持拡充をはかる考えかどうか、見解を伺いました。


 


 県当局は、「あるべき医療体制をつくるために、医療関係者と一丸となって取り組んでいく。ベッド数の削減を目標とするものではない」という県民ごまかしの答弁をしましt。




 もう一つの質問は、医療法でベッド数の是正を要請して、従わない場合には知事がペナルティを科すことができ、公立病院には命令・支持ができますが、知事は絶対にしないと約束できますか。と質問しました。




 県当局は、「医療法では、規定されています。削減を命令できます。」という趣旨の答弁をしましたが、絶対に知事がやらないと約束はしませんでした。答弁の中で、「稼働してないベッド数を減らす」というようなことも言われました。冒頭は、削減ではないといいながら、結局はベッド数が減らされることがわかりました。稼働してない、できないのは、医師、看護師の不足、入院期間の短縮化などの理由でそういう状態が起こっています。ベッドを減らしてもいい理由はどこにもありません。深刻なリアルな状況を踏まえて、医療を充実する方向へ検討すべきです。




  最後は、話題のアジア競技大会について質問しました。




 日本共産党は、開催が決定した以上は、OCA総会の決定を尊重して、スポーツを通じて、国際平和と友好を促進するという、オリンピック精神の実現に努めるものです。同時に、今回の開催過程には様々な問題があり、不安と疑問の声が各方面から出され無条件で信任できるものではありません。




 大会の内容について、多額の県民の税金を使うにも関わらず大会費用の試算と根拠が全く示されてきませんでした。そして、名古屋市長が市と県の負担割合や費用を示さない県当局のやりかたに対して懸念を示して、「取り下げ」の意向を示すという事態も起こりました。そこで、やっと県当局は、負担割合を公表するに至りました。この一連の経過は、愛知県の進め方が、無計画で無責任であることをはっきり示しています。




 さらに、アジア競技大会の背景として、国際競争力の強化や、リニアなどのアピールが強調され、大規模展示場、中部空港二本目滑走路など大型開発の口実にもなっています。


私達は、「アジア競技大会」そのものについて、スポーツを通じてアジアを含めた国際平和と友好を促進し、スポーツの振興やアスリートたちの願いに寄り添うものであってほしいと考えます。




 そこで、第一に、この間の経過について明確な丁寧な説明を求めます。第二に、開催決定のシステムに疑問があります。不透明であり、正確に説明をもとめます。第三に、大会のあり方基本姿勢について、スポーツの祭典は県民が主人公です。充分に県民の声をきき、スポーツの発展や、環境の保全、アジアの平和友好貢献するよう議論するべきですが、どう考えますか?第四に、不明瞭な点があり、不確定要素が多くある大会事業総額や費用、県市の負担割合についてどのようにコンパクトにするのか、明快答弁を求めました。




 県当局は、「県は、不確定要素が多くあり資料を出さなかった。名古屋市は、あらあらでも公表すべきと言っていた。県としては、共催を前提に真摯に協議して今回の開催地決定に至った」という趣旨の答弁でした。




 また、「開催は、スポーツを通じて平和に寄与する国際大会にするため、国内外関係者と意見を聞いて成功に向けて取り組む。」というような答弁も。OCA憲章をなぞって言うだけでなく、本気で、そういう大会にしてほしいと思います。




大会経費については、コンパクトにするにはどうするのかということには、まともに答弁しませんでした。




 残念ながら、質問に対しても、県当局からの明快な丁寧な答弁はありませんでした。引き続き、委員会で追及していきます。









  一般質問終了後、本会議休憩時間に、感想交流会をおこないました。


今回、私の地元豊橋から5名の方が傍聴に来てくださいました。そして、他にもたくさんの方が来てくださいました。とっても心強かったです。そして、傍聴には来れなかったかたも、FAXで質問のことでアドバイスをくださいました。たくさんの方に支えられて、がんばれました。


≪来て下さった方達の感想・・・≫


「しもおくさん、堂々と質問していてよかったよ。県民目線で質問する議員さんの存在が大事だと思った。」




「過労死の裁判に関わったことがある。長時間労働なくしてほしい。がんばって下さい。」




「奨学金の問題について、知事が見守るという立ち場だということにがっかりしました。でも、それをただすしもおくさんの姿に胸が熱くなりました。若者の声が届くように私もがんばらなきゃと思った。」




「感動しました。私が傍聴していたころは、共産党はゼロ。しもおくさんのような質問をする人は誰もいなかった。本当にすごいことだね。」




「たくさんの愛知の若者に聞いてほしい質問でした。」




などなど・・。みなさんから感想をいただきました(^O^)




長くなりましたが、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


引き続き、9月議会がんばっていきます。