逸品の拵えを感じさせる料理。 | なごみカルチャー

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永年培ってきた「伝統文化の知恵と工夫をいまの暮らしにー」をテーマにしてイベントやセミナー、講習会を行っています。その内容を楽しく伝えていくブログです。

前菜   翠玉瓜
大雜爚  米茄子 新蓮藕
大雜爚  冬瓜 東坡肉
添菜   水茄子
飯    炒素麺

銘酒   三輪清酒 紹興拾年老酒

以上、食事のメニュー。

こんな料理を賞味させていただいた。茄子や素麺くらいしか素材名を言えるものがなかった。(後で聞けば、なるほどというものばかり) すべてが初めての料理。メニューはまったく分からないが、味も過去に賞味したことがない逸品の拵え。

この料理は、先日一茶菴で行われた売茶翁没後250年を記した夏の半茶事料理。
このメニューは、"売茶翁""大雜爚(チャプスイ)""李鴻章""夏"などをモチーフにして創られた料理で、佃一輝宗匠がメニューを創案し、高麗橋吉兆さんが作ったものである。

ちなみに「大雜爚」というのは、前回も少し記したが、米国で広まったといわれている中華料理のメニュー。中国の清代の政治家、李鴻章が米国を訪問したときに、料理をごった煮にして食べたということから米国でその料理が広まったといわれている。

文字で書くと大げさに思えるが、味だって、メニューだって実にシンプル。ただ、素材の味を引き立たすために隠れた味を施す。日本の独特の下拵えを感じさせる逸品ばかりだった。