【平成29年度予算編成について】 その1  ※その2に続きます

 

毎年のことではありますが、新年度当初予算編成のため、各課の予算要求が始まります。今後も少子高齢化、人口減少による町民税等の自主財源の減収が見込まれる中、職員が知恵を振り絞り、英知を結集させ、様々な補助金等を活用し、住民サービスの向上を目指して行かなければなりません。

 しかしながら重要なのは、町長が「この町の将来をどうしていきたいか」という重点施策などの方針を示し、各課もその方針に沿った事業を展開するための予算を要求し、予算化がなされと考えます。

 この重要な時期でもあるため、町長がこの町の将来像と新年度事業の核となる重点施策やその展開についてどうお考えなのか伺います。

 

【町長答弁】

 

執行部の皆様におかれましては、住民サービスの向上や様々なニーズに応えるために、1年の計画でもある予算編成には、特に注力されてることと思います。

今回の質問は、来年3月の予算審議の時にすればいいのかもしれませんが、それでは大幅な方向転換や修正などは難しいと思いますので、予算案が決まる前にさせていただきました。

私も(は)、同感でございます。(やはり中心とすべき、重点施策は(子育て支援)必要だと考えます)

しかしながら、潤沢に資金があるわけではございませんので、やはり優先順位を付けなければなりません。

少子高齢化の先進であるこの地域では、特に若者の定住、移住、子育て支援が重要ですし、一刻も早い対応策が求められております。

同時に高齢化に向けた対策、高齢者にも安心安全で暮らしやすいまちづくりなども必要です。

 今の長瀞町には何が必要とされているのか。この町にはどんなことができるのか。住民の方はこの町の行く末にどのような不安を抱いているのか。またどんな町に住みたいと思っているのか。

あれこれ考えていると、色々な施策をやらなければと考えてしまいます。

 そのような中、今の長瀞町の現状から、私が考える重要な施策を5つ上げるとすれば、ということから再質問させていただきたいと思います。

先ず1つ目は「一貫性のある総合的な子育て支援と結婚支援」2つ目は「地域外からの移住促進と定住促進」3つ目は「観光を主体とした地域と経済の活性化」4つ目は「住民が自慢できる町の魅力づくり」5つ目は「高齢者にも暮らしやすいまちづくり」ではないかと考えます。

これらは、基本構想や、平成28年度の町長施政方針の中にあるものもございますが、先ず、子育て支援による効果は、大きく2つの点があると思います。支援があることにより子供を産み育てやすくすることで、出生者数や出生率を上げる効果。もう1つは、他にない子育て支援をすることによる、移住・定住促進効果があると思います。これらは人口減少に歯止めをかける効果があります。

また結婚支援ですが、1980年の生涯未婚率は男性2.6%が2010年には男性20.14%、女性は4.45%が10.61%と、大幅に上昇しております。

給与の問題や、お見合い、おせっかいな方が少なくなった等の理由もあると思いますが、最近のアンケートでは、『出会いが少ない』と言った答えも多いようです。特に秩父地域では人口も少ないわけですので、出会う確率も低くなるものと思います。

こういった支援も強化することで、結婚者が増えれば、少なからず出生率も上昇することでしょう。

そういった中、子育て支援を今後も集中して続けたとして、合計特殊出生率が上昇したり、出生者数が増加傾向になったとします。これはこれで、素晴らしいことだと思います。

しかしながら、子供が育ち大人になったら、町から出て行ってしまうのでは町の施策として支援していた意味がありません。

家庭で言えば、実家が農家だから東京の大学で農業を学んで家を継いでくれると思って学費や家賃を払っていたけれど、卒業後に都内で勤めてしまい、そのまま結婚し、都内に定住してしまうということもおおいに考えられるわけです。

 現在行っている、子育て支援はなんのためにやっているのか。もちろん日本全体で考えれば子供が増えることで人口減少に歯止めをかけられますが、長瀞町として考えると、投資だけして利益が出なかったのと同じではないでしょうか。

 私は子育て支援は、子供を産み育てやすい環境づくりをすることで、出生者数を増やすことが目標ではなく、ここは通過点だと考えます。 その先の大人になってからもこの町に定住してくれるようにするためには、どういったことが必要なのか、を考えなければならないのではないでしょうか。

例えばですが、郷土愛を育むためには、小さい時から地元の会社見学や職場体験、歴史を知ることなども必要だと思います。また、地域の住民とのふれあい、お祭りなどへの参加、文化関係の方との交流なども必要かと考えます。あるデータでは、若いうちから地元行事に積極的に参加することで、地域社会の一員という意識が芽生え、地元での就職率も高くなるそうです。

そういった方法も考え、小さい頃から、将来もこの町に住み続けたいと少しでも思ってもらえるような施策も必要なのではないでしょうか。

 そう考えると、一貫性のある総合的な戦略や計画が必要なのかと思います。

 

次の、地域外からの移住と定住促進ですが、これらは前も話しましたが、秩父地域で争っていても意味がありません。

今の秩父地域を見ていると、地域内のどこかが新たな支援を始めると、それじゃぁうちもといったように、結局のところどこも同じような支援になってしまいます。秩父全体が過疎地域なのですから、本来は地域外に向けて、うちの町はこういった支援をしているので移住してみては、という施策を唱えるはずが、どこも同じような施策では、秩父地域内の自治体の負担だけが増えるだけのような結果になっているような気がします。

これもぜひ地域内の首長方とも話し合っていただいて、秩父地域でもそれぞれ自治体ごとに特色もあるわけですので、そういった独自の移住促進施策を検討していただくことが望ましいと考えます。

 そして定住促進については、今長瀞に住んでいる方がなぜ町外に出てしまうのか、そういった意見にしっかりと耳を傾けて、対策を練っていただくことが必要だと思います。出ていく理由が例えば結婚であったとしても、この町にそれ以上の魅力があれば、定住してくれるかもしれません。

  また、子育て支援の充実による移住促進は、その子供が大人になってからも支援が魅力だと感じれば、定住促進にも繋がります。

 

3つ目の観光による地域と経済の活性化ですが、

もしも長瀞に観光がなかった場合、例えば名前を出して関係者の方がいらっしゃいましたら申し訳ございませんが、お隣の群馬県に板倉町という人口は長瀞の倍以上の町がありますが、ご存知の方がどの位いらっしゃるでしょうか?神奈川県の愛川町、4万人以上が暮らす町ですが、ご存知の方はいらっしゃいますでしょうか?私の勉強不足ではあると思いますが、私は、はじめて聞いた町名でした。

 私が言いたいのは、これらの町がどうのこうのというのではなく、県外から見ると、知名度の低い市町村まで知っている方は少ないわけです。それは何を意味するかと言いますと、観光に行くとしても、移住を考えたとしても、先ず知らない土地は選択肢にすら入らないということではないでしょうか。

そういった面から考えても、秩父・長瀞は、特に関東圏では有名な地名であります。それは皆さんの経験の中からもよくわかっていると思います。

 国の名勝・天然記念物があるこの長瀞町だからこそ、年間250万人を超える観光客が訪れるわけであります。この知名度をしっかりと活かし、観光系の企業誘致や、個人の移住・定住促進にも繋げていただき、地域での消費を増やすことはもちろん、観光業での雇用、収益を増加させ、それに伴い町税に還元されるという経済の循環による活性化を作り上げていただければと思います。

 

長くなってしまったので、再質問をさせていただきたいと思います。

先ほど、一貫性のある総合的な子育て支援と、地域外からの移住・定住促進、観光による地域と経済の活性化についてお話しましたが、これらを聞いた中で、町長の見解やご意見を伺わせていただきたいと思います。