トラック運送業の長時間労働問題 | 中小企業の知的資産経営と災害対策・BCP

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ヤマト宅配問題が注目されていますが、実はトラック運送業全体が長時間労働・低賃金〜人手不足にあえいでいます。
私は平成28年度に、国交省・厚労省・全日本トラック協会主導による

「トラック運送業における取引環境・労働時間改善地方協議会」におけるパイロット事業

に取り組まさせていただきました。

 

これは、各県の上記協議会が、県内の運送事業者および発・着荷主を選定し、コンサルタントが長時間労働の実態調査、改善手段の検討、実証実験を行うものです。

47都道府県で実施され、私はそのうちの5県のパイロット事業のコンサルティングチームのメンバーとして参加しました。

 

労働基準法で定められている1日の労働時間は8時間です。これに休憩時間を加えて拘束時間は9時間くらいになるわけです。始業後の24時間から拘束時間を引いた残りの時間が、労働者が拘束されず自由に過ごせる時間(休息期間と言います。)になります。拘束時間が9時間なら休息期間は15時間ですね。図解するとこんな感じです。

これが、トラック運転手の場合、拘束時間が1日18時間(労働基準法の8時間に加えて10時間)、場合によっては24時間拘束なんていうのも珍しくありません。

ブラック業界なのか?とも思えますが、決してそういうことではありません。ほとんどの経営者はなんとかしたいと思っているのですが、労働時間を改善できない理由がいくつもあり、それらが絡み合っているのです。これからこのブログでお話しさせていただこうと思います。