最近、「口の中が乾く」、「喉がガラガラする」、「唇が切れて痛い」、「入れ歯がすれて痛い」など、唾液量の減少に起因する症状を訴える患者さんが多くなってきたように思います。
ドライマウスで悩む患者さんは、全国に約800万人いるといわれ、滞在的なドライマウス予備軍に至っては3000万人にもおよび、いまや社会的な問題です。
歯科医院で見られるドライマウスのサインは、口唇の乾燥や亀裂・口角炎、歯肉表面の乾燥により、根面う蝕にもなりやすくなります。
さらに舌苔が溜まり口臭が悪化します。ドライマウスが長期化し重症化した場合、入れ歯の擦れや疼痛、舌のひび割れや痛みの発現、ひいては歯周病の悪化などを認めます。
うつ病、パーキンソン氏病、整形外科疾患、高血圧症、喘息や気管支炎の治療薬のなかには、副作用で口腔乾燥を引き起こしやすい薬があります。
生活環境の変化がないか、ストレスや更年期障害がないか、エアコン下で長時間過ごしていないかなどを確認して下さい。
歯や入れ歯、舌が痛くてよく噛めないために唾液の分泌量が減る場合もあります。
見落としがちなのが薬を飲むときの水の量です。高齢者になるとトイレが近くなるのを嫌い、知らず知らずのうちに水分の摂取量が減ってしまいがちです。
このようなさまざまな原因が、ドライマウスの引き金となります。